第3話
それからしばらくの間、台所からいろんな音が聞こえてきて、やがて料理が完成し、マグお姉ちゃんが両手に木製の丸い深みのあるお皿を持ってメテオラの前までやってきた。お皿にはどれもおいしそうな料理がきれいに盛り付けられています。それをマグお姉ちゃんは何回かに分けて丸テーブルの上まで運んでくれました。
朝の献立は焼きたてパン、大盛りサラダ、茄子をメインとした野菜炒め、コーンスープ、そして数種類のチーズの盛り合わせと飲み物はミルクでした。
とてもおいしそうだったけど、少食のメテオラには少し量が多かったです。
メテオラが少食であることはマグお姉ちゃんももちろん知っていることなので、もしかしたらそこには今日は魔法学校初日なんだからこれくらいは食べなさい、という隠れたメッセージが込められているかもしれません。
「さあメテオラ。できたよ。ちゃんと好き嫌いしないで残さず全部食べるんだよ」マグお姉ちゃんは笑顔でメテオラにそう言いました。
メテオラはマグお姉ちゃんに「はい」と返事をしたのだけど、内心こんなにいっぱい全部残さず食べられるかな? と少し心配な気持ちになっていました。
なぜメテオラがそんな気持ちになったかというとそれは『出された食事を全部食べずに残すことは魔法使いにとって、もっともマナーが悪いとされている行為』だったからです。
メテオラはこの料理は全部僕が食べきるぞと覚悟を決めて、まずは焼きたてのパンをコーンスープにつけて食べることにしました。
口の中でかりっといい音がします。
マグお姉ちゃんの作ってくれた朝ごはんは、いつも通りすごくおいしかったです。メテオラは一生懸命に料理を食べます。
メテオラの正面の席に腰を下ろしたマグお姉ちゃんはとても楽しそうな顔をしています。朝ごはんを一生懸命食べているメテオラの姿を見て、マグお姉ちゃんは幸せそうにくすくすと笑っているのです。