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アイデンティティは生命線

作者: 羽柴

アイデンティティを確立する。これは色々な知識階級が打ち出してきた資本主義の論理。私は逆で、アイデンティティは人類を後進させてきた障害だと考えている。

人類の発展と文明進化はアイデンティティを解体しなければ出来得ない事。

人はアイデンティティがなければ生きられない。自分が生きている理由は、そもそも働いている理由は何か。それは他者にない特異点があるからである。自分にあって他者にない特異点がまた別の他者に凌駕されているとは夢にも考えず人は誇らしげに生き長らえる。

アイデンティティとは自己生命を維持する上において必須。自己認識と自己愛の複合は精神的破綻を阻止し、日々の賃労働に邁進するエネルギーになる。「自分はあいつより⚪︎⚪︎が上だ」「普通より得意だ」という自己認識は精神的負担から精神を防御すると共に、資本主義競争社会の重圧へのストレスをいなしている。

アイデンティティを破壊せよ。

誰かが誰かを上回ることはない。なぜなら人間は眼前に広がる景色、匂い、音全ての証明ができない。宇宙はおろか地球、水の形成過程や深海域を知ることすらできない。他の生命体のように自己を防衛するには他の生命体を使わざる得ない=人間は野生環境での生存能力がない。単一生命体での能力が限りなく低いから知能にパラメータを割いたは良いものの、その使い方が他者を蹴落とし成り上がる資本主義システムを構築することに留まった。

我々人類は他者を愛すると言うが、愛とは他者の愛着という弱味を知った安心感と劣情から来る偽造された虚栄心であり、この愛すらもアイデンティティに他ならない。

人間が更に発展し、現在の地を這うような杜撰な社会と蹴落とし合う悪循環を止めるには自己愛と自己肯定意識を全く無くさねばならない。そうでなければ人は人と戦い合い、人類の発展という課題に目を逸らし続ける。

蹴落とし成り上がれば裕福な暮らしも強靭なアイデンティティも手に入る反面、全く進化を遂げずに最大約120年の時間が何もせず過ぎ去り、死んでいく。こんな陽炎のような人生は価値を持たない。

誰かより金がある。

誰かより知識がある。

誰かより力がある。

誰かより技術がある。

誰かより歴史がある。

このような他者比較をした所で我々人類は一歩も前進しない。我々人類に必要なのは粗末な自己肯定感ではなく、永続的な技術発展。自己肯定感を高め、他者を食い物に永久機関のような技術革新の継続は望めない。全ての人類の向き不向きを技術進化に関与させ、人類一人一人が新たな未知分野に貢献できる社会を実現しなければ我々人類の先は短いだろう。

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