何かがおかしい
ひとまず一通りのアニメを観終えたことですっきりと疲れがでた私はスマホゲーでもやるか!という尋常じゃない矛盾を行い始める。
スマホを手に取り画面を見るとどうやら先ほどの謎のフォロワーからダイレクトメッセージの通知を知らせるアイコンが表示されている。面倒に感じながらも適当に返事してゲームでもするかとアイコンをクリックし内容を読む。すると中身は至って普通のテンプレートをコピペしたのかと思うほどの「承諾ありがとうございます。好きなアニメや漫画の話させてください」なんてことが書かれていた。
「普通だな・・・」ただここで心を許してはいけない。きっと・・・と思いつつも彼女?の今までのつぶやきを見ても大丈夫そうに思える。
「思い込みすぎだな。たまたまだろう。とりあえずテンプレ返しっと!」同じ様な言葉を並べて返信をする。その後は特に返信も無く、気にもしないまま好きなスマホゲーを楽しんだ。
次の日、学校へ行くと玄関でちょうど昨日、声を掛けられた先輩がちらりと見えた。それだけ、というより今まで私は上向いて歩いて無かったんだな。と思うほど目立つ可愛さを放っていた。勿論、他にも綺麗な女子、可愛い女子は学年関係なくいるが私の好みにドンピシャだったせいなのかより可愛さランキング1位の座を一瞬で持って行った。因みにこのランキングは今、作った。
「おはよー」
後ろから声が聞こえ振り返ると同じクラスの女子だった。一応、私はクラスメイトとして認識されていたらしい。しかし珍しいこともあるものだ。去年一年は一度も私に対しての「おはよー」は無かった。正確に言うとこの瞬間までだ。勿論、ぼっちあるあるの返事をしたら実は別の人でしたパターンは数度経験したが、明らかに今は私しかいない。後ろを確認したし。
「お、おはよ」初体験にきょどってしまった。と言っても向こうは別に気にするでもなく目の前の小蝿を払うかの如く挨拶だけして私の次の行動を起こす間もなく教室へ向かって行った。そうだ、あれが普通の人種なのだ。ここから話を展開できるのは「プロ」の領域であり、私の様な「素人」は今、一瞬だけプロの世界を外野から見ただけなのだ。
そんな妄想をしているうちに次々と生徒が雪崩れ込んできて明らかに邪魔な存在になっていることに気がついた私はそそくさと上履きに履き替え、教室を目指した。
「きゃっ!」
念の為に言っておく。私はこんな声は出せない。