川の底に咲く彼岸花
薄暗い夜夜中。
気づいたら私は川の前に佇んでいて。
月も星もない、矢鱈真っ暗な所。
静かに流れる川。
その川は、何故か真っ赤に染まっていて。
眼を凝らして川を見ると─
川の底にびっしりと、彼岸花が咲き誇っていた。
川の底はまるで異世界のようになっていて。
彼岸花の花畑では、子供たちがはしゃいでいた。
すると、子供たちが私に気づいて。
こちらに、手招きしてきた。
オイデ…オイデ…と。
屈託無い子供たちの笑顔。
私は彼岸花で赤く染まる川に手を──
入れようとして、止めた。
瞬き。
ア
と
少
シ
ダ
ッ
た
ノ
ニ
・
・
・
そんな声が、して。
目が覚めると、私はベッドの上にいた…