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ぶひぶひっ

「フローレン準備はできたかい?」

 お父様が部屋まで迎えに来てくれた。

 フローレンによく似た美丈夫だ。

 イケオジ。イケオジですよ、イケオジ……。

「お父様~!!!大好き!」

 イケオジ、大好き。

 思いっきり駆け寄ると、嬉しそうにデレた顔でイケオジに抱きしめられた。

 うわーん、幸せだわぁ。

「フローレン、ああ、なんてかわいいんだ。天使だよ、天使」

 うん、まぁ見た目は美幼女なんで、同意。フローレン6歳は天使よ、天使!

「お父様は大天使様ですっ!カッコいいです!」

 ぎゅーっと、お父様に抱き着く。ふへへへ。イケオジに甘え放題しても問題ない6歳って幸せだわ。

「き、聞いたかい?いつの間にそんな言葉を覚えたんだい?私のことを大天使だと、カッコいいと……ああ、フローレンまさに、まさに」

 でれっでれになったお父様が侍女たちに自慢を始めると、お父様よりも10歳は年上のベテラン侍女ロッテンが冷静に言葉を返した。

「ご主人様、イーグル様をあまりお待たせしては行けません。移動してくださいませ」

「あ、そうだった!フローレン、行こうか!」

 お父様に抱っこされたまま、食堂へ移動する。

「て……天使……」

 私、間違ってた!

 フローレンは天使だと思ってたけど、本物の天使はもっとすごくかわいいものだって……。

「お父様、おろしてくださいませ」

 お父様におろしてもらうと、侍女に手をつながれてキョロキョロしている天使の元へと駆け寄った。

「あなたがイーグル?私はフローレンよ」

 ああ、可愛い。なんて可愛いのかしら。

 3歳の男の子って、こんなに小さくて可愛いものなの?それともイーグルが特別可愛いの?

「フローリェンしゃま?」

 ああ。

 悶えていい?ねぇ、悶えていい?

 このしたったらずなところも、ちょっと首をかしげる仕草も、何もかも、可愛すぎるぅぅぅ!

「イーグル、あなたのお姉様よ」

 その言葉に、イーグルがぱぁっと目を輝かせた。

「ねーたま?ぼくの、ねーたま?」

 あああああああ、だ、だ、抱きしめていいですか?抱きしめても、いいですよね?

 ぎゅむぅっ!

「ねーたま?いーぐりゅのこと、ぎゅっしてくれうの?」

「え?ぎゅっしちゃ駄目?」

 いきなりだから嫌がられたか!初対面だし!反省って思って慌てて体を離す。

 どうやらお父様の弟夫婦……。あまり子供に感心がなくて子育ては使用人に任せきり。その使用人も侯爵令息ということで一歩距離を置いた接し方をしていたようだ。

「せばしゅもまーやも、いーぐりゅはもうさんしゃいだから、かぞくじゃないにんげんにだきついちゃだめって」

 ああ、まぁ。そういう風に教育されていたのも仕方がない。

 戯れに女性に抱き着くことでいらぬ騒動が起きる可能性もある。いくら子供とはいえ……貴族同士は魚の目鷹の目……?いや、ちがうな、魚の目じゃなくて何の目だったか?(注*鵜の目鷹の目が正解です)

 とにかく、傷者にされた責任を取れと言いがかりをつけ婚約を結ぼうとする人間が現れないとも限らないわけなので。

「ほら、見て見て、イーグルと、一緒でしょ?お父様もね、私も、イーグルの家族だよっ!」

 イーグルの手を引いて鏡の前に立つ。

しばらく、可愛いは正義!

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