トイレの王子様
彼の人生は、実に順風満帆であった
生まれにして王族。その優れた容姿に頭脳明晰は多くの人々を惹きつけ、魅了するそのカリスマ性。温厚な性格は親譲りで家族関係も実に良好。
趣味は読書と国民達にとって次期国王として期待されている。
そして今日は特別な日、北の国より美少女ともいえる皇女を妻に迎える事となる。彼女も素晴らしい実績を持ち、『戦場の天使』とも敵軍からは『その美しさと戦いぶりにひれ伏しそうになる』と言われるほどの猛者。そんな二人が結ばれるのは多くの人々に驚きを与えたのだろう。
確かに二人の結婚は政略結婚ではあるものの、そこに愛がないかと言えばそれは嘘である。
そこには確かにお互いを思いやる気持ちがあり、個人としても国としても安泰と言えるのだろう。これを国民達は祝福した。
ーーだが、そんな彼にでも悩みの種はあるーー
今、煌びやかな衣装に身を包み、牧師の宣誓より誓いのキスを行い、多くの人に祝福をされている中で彼が思っている事は一体何なのであろうか?
“これからの不安?”
“今を幸せに思う幸福感?”
否。決して、一刻の王子がそんな些細な事を気にするのであろうか?
ここで、是非とも彼を知っていただきたい
“ 尻がいてえぇ…… ”
彼は誰にもその悩みと痛みとともに悟られぬよう顔に出さずに笑顔で花嫁とともにウェザーシャワーの舞い散る花道を潜るのであった。
それから数年後、彼はいつも父が座っていた席を今度は自分が座ることになり、父に代わって王の仕事となる雑務をこなしていく。
最初は慣れなかったものだし、この国の問題を直で見ているようで胃を痛める毎日であった。それは今でも変わらないのだが、それでも人間慣れるものでだいぶ胃が良くなった。胃薬の効果もあるのだろうけど
だが、個人的な問題は未だに治っていない
「はぁ……いてぇ……」
そう、悲壮感を漂わせながらゆっくりと椅子へと腰を下ろす。椅子は特注品で、とても座り心地を良くしたものを選ばせた。父のもいいものなのだが、あれでは少し硬いし、変えるなら今だとも思った
「王子様。公務中です。弱音は終わってからにしてください」
そう言って自分も書類に目を通し、ときおり厳しく王子を叱責する彼は若くして騎士団団長の座に付き、長年その座に座り、そして小さき頃からの親友でもあるベイル・チャーチズ。
「分かってるよ、ベイル。だが、どうしても痛むのだ。どうせならこの痛みをお前に分けて開けたいぐらいだ」
と少し弱音と皮肉を言うと彼は少し苦笑するがすぐに集中してくださいと真顔に戻ってしまう
ちぇっ……少しは昔みたいに言い返したらいいのに
っと昔を思い出しながらも小さな山となった紙の資料を一枚一枚に目を通しながら判を押していく
“スラム問題”
“国民の健康問題”
“犯罪率増加の問題“
はぁっ……っと彼はため息を一つ吐く。
座りながらグッと背筋を伸ばして脱力する
公務をしてどれくらい時間が過ぎたのだろうかと外を見ると時刻はもうお昼ぐらいに太陽が登っている
資料の山はやっと半分ぐらいまで減っていた。まぁこれでもまだ半分もあるのかとも捉えられるがそこは彼はポジティブに捉える。
そしてお腹もいい具合に鳴ってきた。
「よし、これでお昼の分は終わり!んじゃ休憩にするから今日は久しぶりに一緒に食べよう!」
それを言うとベイルは少し困った顔なと言った表情をする。今の彼の公務中の団長ではなく、一親友の顔である
「悪いな。今日は嫁と一緒に食べる予定を作っていたんだ」
「えぇ……あっ、なんだ!王のいう事が聞けぬと言うのかぁ?」
「ははっ、今は休憩中だからそれは関係ないだろ?」
「うぐっ……あーいえばこーいう奴だな。まー分かったよ」
「それに……」
「?」
ベイルが一体何を言ったかはどうやら彼の耳にはどうやら聞こえなかった。
まぁ、それもベイルに聞こえぬような声で言ったから当然なのではあるのだが
彼は休憩がてらに、外をほっつき歩いていた。しかしその隣では綺麗な銀髪を腰近くまで蓄えた目麗しき女性が一緒に並んで歩いていた。二人の手は絡みかのように結ばれており、仲の良さが窺える。
これもメイド達にとっていつもの光景で話題にもなっている。
「ごめんね、アナスタシア。ずっと一緒にいられなくて」
少し悲しそうな表情をする彼に女性ーアナスタシアと呼ばれた彼女はゆっくりと首を横に振る
その仕草は洗礼された動作で全くと言って血生臭さは感じさせない。
「いいのよ貴方。私は知ってるから貴方が頑張ってることぐらい」
彼女は彼の表情を見て優しく微笑み返す。
「それでも……!」
それでも、これでは君に辛い思いをさせてるだけじゃないかっと言おうとするも彼女は言葉を遮る
「いいのよ。元はといえばこれは政略結婚。愛を求めろと言うのが元から無茶だったのよ」
彼女はそれにーと付け加え
「私は貴方の横で貴方の頑張ってる姿が好きなんだもの。頑張ってね」
「……あぁ、みててくれ!」
これはきっと彼女なりの精一杯の強がりとなる言葉だったのだろう。今すぐずっと居たいという我儘を噛み殺し、彼がこの国の繁栄を一王女として心から願うように
彼もそれは知っている。そして彼女の見せる本当の……心からの笑顔も知っている。
彼女の笑顔を見ているとさっきまでの地獄が忘れられるように癒される。それはもう心から救われるようである。もう今すぐにでも町中に「俺の嫁は世界一可愛いんだぞ!!」っと町中を駆け回り、全国民に知らせたいぐらいに
ただそれをすると顔を真っ赤に染めながら止めようとしてくると思う。多分それもきっと可愛いいのだろうけど
ただ、その状態だと彼女は加減を忘れるから己自身の身も案じて“今は”できていない
「で、でもね?……その言いにくいんだけど」
「ん?」
彼女はしみひとつない白い肌を真っ赤に染め髪をねじりながらもじもじする。
「その……早く欲しいかな……って」
「ん?何が欲しいんだ!?君の願いだったらあの星すらプレゼントしてみよう!」
あぁ、なんだってプレゼントしてあげるとも!!最北端のドラゴンの地、最先端の海のウンディーネの涙だって持ってきて見せよう!もちろん自力で!!こういうのは自分の力ってのが大事なのである!
「その……」
「うん!」
「子供が……」
「……」
しばらくの空白が二人の間に挟まる。彼女は子供が欲しいと言った。あぁ、いい!可愛いいぞ!俺も欲しい!ーーっと言いたいところなのだが
「その……少し待ってくれないか?もう少しで余裕ができそうなんだ」
ー嘘である。本当はそうじゃない。理由はもっと別にある
「そう……えぇ、私は待つわ。だから頑張ってね?」
彼女はそう言って笑う
ーこれも嘘だ。今すぐにでも欲しい。できることなら彼をずっと独占したくてしょうがない
ーそして、彼女は知らない。彼がここまで乗り気じゃないのか。それでも彼女は彼を待っていた。いつかその日が来るまで
ーそして、それは今日ではない
彼は一人川を眺める。
ーあぁ、今日もなのか……
彼はひどく落ち込んでいた。彼女のあんな苦しそうな笑顔。させたくないあんな表情をさせるのも辛いのだが、だが今はまだできない。
それも彼女を思ってのことだ。
ー一つは本当に忙しいくて、今できると彼女ばかりに負担をかけてしまうからだ。
ーそしてもう一つが、
「尻が痛い……」
これである。自分としては彼女と自分が満足、というか果てるまでしたい。何がとは言わないが、彼女は結構激しいのだ。それで、途中で尻が痛み途中でやめでもしたら彼女は自分を責めてなかなか激しくできない。それだけは絶対に嫌なのだーーー!
まぁ、これらどっちもただの言い訳なのだろうと顔を落とす
「でも、どうすれば……」
悩みに悩み……その末に、彼は現実逃避がてらこの川へと訪れていた。
小さい頃からちょっとでも嫌なことがあるとよくこの川に来ていた
川を見ると落ちつく。それは常に変動し続けるから。川は自然に流れていく上から下へ、左から右へと。そして雲も左から右へ。青空も右から左へ
そよ風も優しく髪を揺らす
そして小気味いい水の音を聞きながら物思いへと耽る。
ーあぁ、いっそこの川の水が尻を癒してくれるような聖水だったら嬉しいのに……
彼は川に映るじぶんの顔を見つめる。川は透き通っており、川には小さな小魚が泳いでいく
「ーーーー」
川の音。
「ーーーーーー!」
川の音。
「ーーー!!!!」
勢いをます川の音。
「ーー!!!!!!!!」
これも同じ。
「!!!!!!!」「えっ」
目を開くと目の前は何故か川の中にいた。
ーこれは!?と困惑しながら水面へと顔を出そうとするも服の重りで思うように上がらない。
ーこれは本格的にヤバいと必死に抗うも抵抗も虚しい。やがて力尽き底へと沈んでいく
ーあぁ、俺は死ぬのか
彼の脳内には今まだの記憶に家族の顔。親友の顔。ーそして妻の顔を過ぎる。
ーごめん
そしてゆっくりと思考を止めて……
ーーーーーーーーーーーー
暗い……
暗い……
暗い……
「ブハッ!!?」
ー間一髪で息をすることができた。必死に息を吸って吐いてを何回も繰り返してやっと思考する。それでも記憶はあまりおぼつかないようで、これまでの記憶がない。
分かった事はどうやらここはどこかの家のようだ。
んなわけあるか!!っと首を振る。俺は確かに溺れていたんだ。ショッキングなh記憶から一気に引き戻される感覚とはいかに冷静でも動揺するもので同然の反応だ。
数回の深呼吸を行い、冷静さを取り戻し余裕を取り戻す。それでも少し混乱していてうまく考えられないが
ーここでようやく一つの考えが思い付く
ーもしかして俺は助けられたのか?そして気づいたらここに連れてこられた?
彼はフラフラと立ち上がりながらも、川から助けてくださった恩人を探すべく家を歩き回る
それにしてもこの家の作りは変だ
何が変かって、まず作りから変だ。貴族の家なのだろうが、壁の材質が全くわからない。少し削ると白い粉のような物が出てきたが……これは砂を固めて作った家なのか?
そして家具も不思議だ。
小さな鉄のおりのような物だったりツルツルの木机だったり、それらは全て無知の自分から見ても高い技術力を感じさせる硝子のような物まである
じぶんのいた国の技術では到底真似できないような技術を感じる
「すごい家だな……もしかするとここは東洋が隠してきた秘密の技術が内包されているのかもな」
と俺はある小部屋に目が止まる。そこには『W.C.』と大きな文字が書かれた個室。
ーここはなんだ?
と中を覗くと一つの変な形をした白い椅子があった。
「なんだこれ?」
それは、座るにしては、何故か上にカバーのような物がされており、その背後には硬質で簡素な手洗い場のような物が設けられており、意図は全くもって不明のままだ
このカバーの先に何があるのかっと手を近づける
「っ!?!?!何者だ!!?」
ーこのカバーらしきもの一人でに開きおった!!
彼は声を荒げたもののそれに反応する声はない。くまなく見渡すものの、人が入れそうな場所はどこにも見当たらない
「っ、ど、どういう事だ?……」
だが、それよりもとカバーの先を覗く。慎重に、彼は未知の恐怖よりも目先の好奇心に囚われていた。
ーーなんと、そこには……
「水?」
なんだこれは?ただの水だと?あれだけ色んなものがありながらも??
とひどく困惑する。
「まだ、まだだ。椅子というのは座る事で効果を発揮するのだ。よし……!」
ピトッ……と腰を下ろす
「あったかい……」
一言目がそれだ。
あったかい
原理は分からないものののそこには暖かい温もりを感じる。その暖かさは思わずため息が漏れ出てしまうほどであった。先程まで誰も座っていなかったのにまるでずっと座っていたかのような錯覚を覚える。同然さっきまで人はいなかったので錯覚のはずなのだが
確かに素晴らしい。これはきっと技術の結晶なるものなのだろうと感じ取った。
ただ、そうであったもの……
「座り心地は悪いな……」
その一点だけは許せないな。それの意図は掴めのものの、素晴らしいものなのは間違いではないはず。
のにも関わらず本来の求められる機能、それを十二分に発揮していない
などと内心、酷評していた。
そうして油断したからだろう。一瞬で目の前にきて人影に瞬時に気づくことができなかったのだろう。
「おにいちゃんだれ?」
「!?!」
警戒を怠っていた!……勢いよく顔を上げるとそこには……少女がいた。
少女は手に真っ白の枕を抱きしめながら、恐る恐るといった感じにこちらをのぞいてきた。
少女の姿は、我が国では中々見かけぬような、長く美しい黒髪にこれまた珍しい「キモノ」というものを身につけていた。
この少女は、アナスタシアとは似た雰囲気ではあるもの違う。言うなれば、アナスタシアは完成された美、磨かれたダイヤ。というべきだろう。
一歩この子は、未熟。まだ未発達な印象を受けながらも、磨けばかなり有望な少女。例えるならサファイアらへんだろう。
そして、この子は俗に言う「ヤマトナデシコ」と言うものなのでは!!?
「お、お兄ちゃんは、悪い人じゃないよー?」
と不審者丸出しのセリフを吐く。明らかに変な人だと思われてる。動揺からも不審者だと思われている筈だ。
現に少女の目からは恐怖、警戒心、怯えといったものが見られる。まぁ、家に知らない人がトイレをマジマジと観察していたら怪しむもしょうがない
「というかなんでトイレにいるの……?」
トイレ……?
「!これは『トイレ』というのかい!?」
「えっ、あ、うん。そうだけど?」
「トイレ」か!なるほどいい名前だ!
「ところでお嬢ちゃん!この『トイレ』と言ったものはどう使うんだい?」
「え」
「え?」
沈黙………………
ーーーーー少女説明中ーーーーー
「なるほどトイレとは、ようは用を足すところなのだな」
「うん、それであってるけど。お兄ちゃんそれすら知らないでどうやって生きてきたの?……??」
少女からは、哀れみ、奇異の目といったものが見られる。
いつのまにかここにいたなんて説明しようならさらに怯えられそうなので、無視することにした
「だが、これはどういった原理で水が流れるのだ?全く見当も付かんな」
そう言って、脇に付属されていた銀色のレバーを軽く捻り、水が急に出たことに焦る。
これは一体どう止めればいいんだとアタフタしていると少女は「勝手に止まるから安心して」という。そしてギリギリまで水が溢れると水が回転して穴の奥へと吸い込まれていった。
思わず拍手をする。きっとこれは人じゃできない、そう感じた
最初は奴隷でも下にいるものだと思っていたが、そんな人が入れるような隙間はない。
「それは……わかんない」
「むっそうなのか?ならこの水はどこから持ってきてるのだ?明らかにそこら辺の水にしてはあまりにも綺麗すぎる」
「それは、浄水場で綺麗にしてるんだよ。そこで水から泥とかを取って各家庭に送られんるんだよ!!」
そう言って少女は胸を張る。「社会見学で見学しに行ったんだ!」と後に付け足す。
「むっ!なんだそれは!!そんな魔法があるのか!」
「魔法じゃないよ!」
「むっ?そんなのか?それにしても東洋の技術……侮れんな」
そして少し魔法なんて馬鹿にしないでとむくれた少女にありがとうと頭を撫でてあげると、少し照れたかと思うと、うがー!っと口で威嚇して手を払い除ける。
「それにしても君は賢いんだな!」
そういうと少女は顔を俯かせる。
「そんな事ないよ……」
「どうしてそう『ケンソン』するんだ?あっ!聞いたことがあるぞ!東洋人は『ケンソン』する事を美学としているのであったな!!」
「……」
そう言ったものの少女の表情は変わらず暗いままだった。どうしてそんな顔をするんだという疑問も上がるが、そんな前に思わずその姿を見てるとつい昔の自分と重ねてしまった。あの頃の何も自分にはないんだと思っていた自分を……
「お嬢ちゃん。何があったかお兄ちゃんが聞いてあげるよ」
「!……でも……」
「君は誰かにこの悩みを打ち明けたいんじゃないかな?」
「……うん」
「大丈夫!こう見えてお兄ちゃん人生経験豊富だから。なんたって今は国の王様やってるんだからね!」
少女はポカンっとした目でこっちを見てくる。
「ふふっ、お兄ちゃん、嘘が下手だよ!私でもわかるよそんなの!」
「何をー!本当のことだぞ!」
よかった。彼女は笑顔になってくれた
ーーーーーーーーー
それから少女からは色んな話を聞いた。学校での事やら友達と喧嘩してるだとか、お父さんとお母さんがとても大好きな事とか。後は着物を着ている理由だとか。
二時間ぐらい話していただろうか、少女は話疲れたのか枕を抱きしめて眠ってしまった。その姿はどこからどう見ても七歳の年相応に見えて可愛らしかった。
あまりの綺麗さに忘れていたがこの子もまだ若い
「よっこいしょ……!」
と腰を上げ、少女をゆっくりと持ち上げる。誤って起きないように優しくと
そうして彼女の部屋らしきところに連れて行き、ベットに寝させ、布団をかけてあげる。
「うーん……お父さん……?」
「ハハっ、ごめんね?君のお父さんじゃないだ僕は」
寝言だったのだろう。少女はそのまま一定のリズムを刻みながら寝息を立てる。その姿があまりにも可愛らしくてついつい、頭を撫でてあげる。あー、できることなら娘が欲しいかな
「じゃあね?」
「お兄ちゃん?……」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
目を覚ますとベットの上だった。横を見ると妻のアナスタシアと友人のベイルと執事。お父さんとお母さんが心配そうにこっちを見ていた。
どうしたんですか?皆さん、神妙な表情をして
「あなた!!」
そう言って妻は首めがけてと見込んできた
「うおっ!ど、どうしたんだい?」
てか首折れる!!ギブギブっとパンパンっと締める腕叩くも緩める気配なし。ベイルに助けろ視線を送るも
た え ろ
と視線で送られ、苦しいけど彼女を抱きしめ返した
そこからは徐々に記憶を取り戻していった。
どうやらあの後、僕はアナスタシアに発見されて、ベイルに救出してもらったらしい。そこから四時間ぐらい記憶ないままでかなりみんなを不安にさせていたらしい
それでお母さんに説教された
「あなたっていう子は!一人で川なんて危ないでしょ!!ーーーーー」
と全くこれが本当に大人になった息子に言う子供なのだろうか?これではいう事を聞かない子供みたいじゃないか
ベイルにも「いつもなんかあるとあの川に行くよなお前は、今回は何があったんだ」って言われた。
まぁ、それでも数日休ませてもらいいつもの業務に戻った。ただ、変わった事といえば
「あ、あなた……!!」
「逃さないよ?アナスタシア……?」
最近、二人の夜が激しくなった。
ただ、激しくしてっていったのはのはあっちなのである。どうやら「いつ亡くなるのかわからないあなたに我慢なんてしてたらダメだわ。だから我慢しない」とのことらしい。
なら自分も手加減しない。全力でいかせてもらう。朝になると元気なのはいつもあっちなのだが。そして自分はどうやらSの才能があって彼女をいじめるのがちょっと楽しくなってきていた。
そして激しいことが出来なかった原因としての尻の痔であったが、事故の時に見た夢を参考に「トイレ」というものを流行させることに成功させ、早速それを用い、尻をよくし、薬なのも医療を発達させ、無事完治させることに成功。そして民衆の生活水準は高まり、最近は学校を作ろうという流れになってきていた。
そして、今回の夢のことで正式に東洋の国と貿易を行い、その技術を取り入れ、学び、改良して取り入れている。だが、夢の時の技術は東洋でもないらしく、基盤となったであろう技術だけがあった。
今思うとアレは未来を映し出していたんじゃないのかっと思っている。
コンコンッ
「あなたお茶入れたわよ?……ってあらあら公務中に寝るなんて困った人わね?」
彼女はまるで困ったという表情は作っておかながら全く困ったという様子はなく、むしろ嬉しそうに彼を見つめる。
そしてソファに座り彼女も休む
「ふふっ、頑張ってね?お父さん?」
そう言って彼女は少し膨らんだお腹を大事そうに撫でるのであった
次回「彼は、私は『彼の事が嫌い』と思われているらしい」