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プロローグ 2
すると、治癒回復を続けていた俺の腕を弱々しい手が掴んだ。
「そう…れは…もう、い、い…」
死を決心したのだろう彼の言葉に、俺は思いきり怒鳴った。
「バカ言ってんじゃねぇ!俺もそんなことわかってる!でも、お前だけは…お前だけは!!!」
痛みと悲しみを堪え、揺らぐ視界の中全身全霊で治癒回復をかけ続ける。
だが青年の身体は次々と血の気を失くし、ついに眼球の色さえ霞み始めた頃。
「ゆあ、を…た、のんだ…ぞ…」
掠れた声でそう告げると、青年はぐたりと力をなくした。
「かな、と…?」
寒気が全身を襲いすぐさま彼の腕を掴むが、あまりの軽さと冷たさに驚きを隠せない。愕然としてしまうが、まだわからない。
心臓さえ動いていれば───
「うそだろ…」
繰り返し確認してみるが、どれも結果は同じだった。
「哉菟ー!!!」
掠れた声で叫んだ途端大粒の涙が流れ、友の亡骸に零れ落ちた。