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いい迷惑



「何があったんだ?」


 俺はレミィに当時の状況を聞いた。


「……私たちのグループは一番最初に終わったの。それで、この場所でウィル君とラナちゃんを待ってたら、たくさんの人が私に、学園を一緒に回らないかって言ってきたの。私は人を待ってるって言ったんだけど、しつこく誘ってきて。それで、そのやりとりを30分ぐらい続けてたんだからね!」


「そうだったのか。それは大変だったな」


 レミィはよくモテる。まず顔が可愛い。大きい瞳に小さい顔。カチューシャをした長いブランドヘアーは女性らしさを感じる。


 そしてスタイルもいい。出るところはちゃんと出ているが、ウエストはしっかり引き締まっている。

 ……別に意識して見ている訳ではない。


 またレミィは性格もいい。誰にでも優しく常に明るい。好感を持てる性格というやつだ。


 そんな要素が揃ってしまったら、モテないわけがない。


 中等部時代も告白された、と何回かレミィから聞いた覚えがある。なんで俺に言うのかは謎だったけど。


「まあ、レミィはモテるからね〜。ただレミィの心はもう決まってるみたいだけどね」


「ちょっ、やめてよ、ラナちゃん!もう〜、ほんと意地悪なんだから!」


 へえ、レミィって好きな人がいたのか。誰だろう?俺が知らない人かな。


「どうする?学園を少し回ってみるか?別に帰ってもいいけど……」


「せっかくだし回ってみようよ!ラナちゃんもいいよね?」


「えー、私帰りた……」


「ね?」


「う、分かったわよ」


 一瞬、レミィからものすごい圧が放たれた気がするが、気づかなかったことにしておこう。


 それから俺たちは学園内を回ることにした。

 学園内には様々な施設があった。訓練場に闘技場、三つの体育館に七つの寮など、さすが七星学園といった感じだ。



 俺たちが学園内を回っていると、一人の女子生徒から話しかけられた。


「ねえねえ、君たち。受験を受けた子たちだよね?ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


「はい、なんですか?」


「受験者の中に試験官の先生を倒した子がいるらしいんだけど、誰か知らないかな?」


(おいおい、それって……)


「先輩、それ彼のことですよ」


ラナがそう伝える。言わなくていいものを……。


「君のことだったんだね!ちょっと一緒に来てくれるかな?」


 ほらな、やっぱり何か面倒なことになりそうだ。

 だが、断るわけにもいかないので素直についていく。


「ここにいる人が君のことを探してるんだよね」


 そこは風紀委員室だった。なぜ風紀委員の人がまだ入学もしていない俺を探しているのかは謎だが、会えば分かるので入った。


「委員長ー!連れてきましたよー!」


「ああ、ご苦労様。それで君が噂の受験生君かな?」


「ど、どうも。てか、もう噂になってるんですね」


「そりゃあ、あんなことは初めてだからね。先生たちが大騒ぎしてたよ」


「それで僕に何か?」


「……おそらく君の合格は確実だろう。そこでだ、入学したら是非風紀委員になってくれないかな?」


 俺はもう風紀委員に勧誘された。


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