卒業、そして...
俺はレミィを探して……ようやく見つけた。
「レミィ!」
「あ、ウィル君。どうしたの?」
「そのー、朝は悪かったな」
「ううん、いいよ。私は上の学校を目指すから」
そう言ったレミィの顔はどこか暗い感じがした。
「その、俺も同じ学校を目指してもいいか?」
「……え?今、なんて?」
「俺もレミィと同じ学校を目指す。そして、その学校でトップになる。これはもう決めたことだ」
レミィは少しポカンとした表情を浮かべた後、急に笑い出した。
「ふふっ、あはははは!」
「なに笑ってんだよ」
「ごめん、ちょっと面白くって。……絶対に一緒の学校に行こうね」
「ああ、頑張ろうな」
俺たちは同じ学校に行くことを約束した。
それから一ヶ月後、俺たちは卒業した。そして、二週間後には俺たちが入学しようとしている七星学園の入試が始まる。
俺たちはそれまで修行に明け暮れた。七星学園の入試では才能は使わないので、俺にとっては好都合な内容である。
やはり剣術のみなら、俺はレミィよりも強かったので、主に稽古をつけてあげた。どうやらラナも七星学園に行くらしいので、修行は一緒にやった。
そして二週間後、俺たちは七星学園へと向かった。
◇
「ここが七星学園かー。大きいね」
「そうだな。さすが、名門校なだけある」
「よし、二人とも頑張るよ」
「うん!」
「おう」
七星学園の入試は受験番号ごとにグループが分かれており、そのグループで入学の定員を争う方式となっている。
俺とラナが同じグループで、レミィだけ別のグループだった。
「私だけ別かぁ……」
「ま、まあ定員を争わなくていいからな。その点に関しては別々の方が良かったんじゃないか?」
「そ、そうだよ、レミィ。それにレミィなら大丈夫だって」
俺とラナが慌ててフォローをする。
「そっか……それもそうだね!私頑張るから、二人とも頑張ってね!!」
「ああ」
「もちろん!」
俺たちはそれぞれの入試会場に向かった。
◇
入試会場には約100名ほどの人がいた。これがあと5グループもある。定員は全部で200人なので、大体1グループで60人ちょっと落ちる計算だ。1グループで半分以上落ちることになる。
入試会場に着き、少し待っていると二人の男女がやってきた。おそらく試験官だろう。
「では、これより七星学園新年度入学試験を実施する。受験者は受験番号で並ぶように」
俺の受験番号はこのグループで一番最後だ。なので、一番最後に受験を受けることになるだろう。なかなか緊張するが、いつも通りにやれば問題ないはずだ。
さっそく受験が開始し、最初の受験者が始めようとしていた。どうやら受験内容は男の試験官と模擬戦を行うことみたいだ。
「さあ、いつでも始めていいぞ」
「い、いきます!」
受験者の男子は勢いよく向かっていった。さすが七星学園を受けるだけあって、なかなかの実力だ。だが、それ以上に驚いたのは試験官の方だ。受験者の猛攻をものともせず、全て受け流し、その場から一歩も動いていないのだ。
そして試験官が受験者の剣を弾き飛ばし、試験は終わった。
「よし、次!」
そして、どんどん試験は進み、無事ラナも終わった。
「うーん、どうだったかなー」
「あくまで俺目線だが、他の受験者よりも良かったと思うぞ」
「そう?ウィルがそう言ってくれるなら安心だね」
ラナと話していると、
「よし、それじゃあ次の者、出てこい!」
「ん、呼ばれた。行ってくるわ」
「頑張ってね」
とうとう俺の番が回ってきた。