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魔法剣



 レズールの力がどんどん上がっていくのが分かる。


「くらえーっっ!!!」


 奴の剣が俺へと振り下ろされる。


 その時、俺はもう一つの才能を使う。


「魔法剣・風」


 俺の剣に風が纏う。そして、レズールの剣が俺に届く前に奴の体を斬り裂く。


「がっっ!!な、なぜだ……」


 レズールはその場に倒れる。どうやら俺は勝てたみたいだ。


「ふーっ」


 初戦にしては上出来だな。だが、やはりレズールは強かった。正直、「神眼」だけでは厳しかった。奴の才能「制御(リミッター)」は身体能力もだが、体の丈夫さも上がる。だから、奴の攻撃を見切ることは出来ても有効打を与えられない。となれば、持久戦になるのだが、そうなると俺は負けていただろう。


 結果的には「魔法剣」も貰えて良かった。

 この才能は自然の力などを剣に付与する能力みたいだ。さっきは風の力を剣に付与した。


 まだまだ発展できる才能なので、これからも研究していきたいと思っている。


 レズールは気絶したまま起きないので、そのまま放っておいて俺はその場を後にした。



 教室に戻った俺にダンテが話しかけてきた。


「ウィル君、あいつと戦ったんだって!?別にそんなことしなくてもいいのに……僕なんかのために君が傷つく必要はないよ!」


「何言ってるんだ。お前は俺の大事な友達だ。友達がやられたのに黙って見てるわけにはいかないだろ?それにあいつには勝ったから大丈夫だ」


「そんな...。え?勝ったの?」


「ああ。勝ったよ」


「す、すごいよ!あのレズールに勝つなんて!どうやって勝ったの!?」


 うーん。なんて言おう。神様に会ったとも言えないし。

 俺が悩んでいると、


「言えないのか……でも、ありがとう!とっても嬉しいよ!」


 ダンテは何かを察してくれたみたいだ。正直、とても有り難い。俺の才能は特別なものらしいから、無闇には言えない。たとえ友達でも。


 その後、何人かの人も俺に声をかけてくれた。いつも俺に気をかけてくれる人たちだ。


「ウィル君!あのレズールに勝ったの!?やっぱりやる時はやる人なんだね!」


 この子はレミィ。入学当初に同級生に絡まれていたのを助けた時から、ずっとそばにいてくれている。最初はなんで俺なんかに、と思っていたが、俺がいじめられるようになってからでも隣にいてくれた。それがどんなに有り難かったことか。


「ああ……レミィ。いつもありがとな」


「そんなの、全然いいよ……」


 彼女は頬を赤らめながら、そう言った。


 その時、どこかから視線を感じた。すぐに振り返るが、誰もいない。



 何か嫌な感じがした。





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