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お詫びの才能



「なんだ!この本は!」


 たしかに本には俺が貰った才能の名前が書いてあった。だが、どんな力なのか全く書いてない。厳密に言えば書いてあるのだが、内容が雑すぎるのだ。


 俺が貰った一つ目の才能は「神眼」というものだ。

 説明は「目がよく見えるようになる」だ。いや、分かんねーよ。もっと他にないのかよ。神眼って名前で目がよくなるだけだったら、名前詐欺だぞ。


 二つ目は「魔法剣」という才能。

 説明は「剣に色々付与ができる。」だ。まあ、さっきに比べればマシだが、魔法って小説の中とかの力だ。手から火を出したりするやつ。それの剣ってイマイチ感覚が分からないな。


 書いてある感じだと、分からない部分は自分で試せってことなのか?まあ、どっちにしろ明日までに、ある程度使いこなせるようにしないとな。


 俺はさっそく1人で才能の練習を始めた。



 翌日の昼、俺はレズールとの戦いに向かった。


 昨日で何となく使えるようになったが、完璧ではない。戦いの中で上手く使えないと俺は負けるだろう。そしたら俺はあいつの奴隷になる。それだけはごめんだ!


 戦いの場所に行くと、既にレズールは待っていた。


「お、逃げずに来たみたいだね。その心だけは認めてあげるよ。ま、どうせ負けるけどね」


「うるせーよ。絶対にお前を倒す」


「言っていい冗談とダメな冗談があるんだぞ?お前のはダメな方だ。分かったか?ウィル」


 俺はレズールを睨みつけて、


「御託はいい。さっさと始めるぞ」


「せいぜい楽しませてくれよ?」


 俺とレズールは向かい合い、そして、ほぼ同時に動き出す。


 剣と剣がぶつかり合う。力は互角だ。だが、こいつには才能がある。


 すると、急にレズールの力が強くなり、俺は軽々と弾き飛ばされた。


「おいおい、その程度で俺に戦いを挑んできたのか?」


 レズールの才能は「制御(リミッター)」。自分の力を自由に調節できる。


 普通、人間は100%の力は出すことができない。せいぜい80%が限界だ。だが、この才能は自分の力の100%を出すことができる。もちろん反動はあるが、それすらも調節することができる。使い方を学べば、相当強くなれる。


 さすがに普通じゃ勝てないな。...そろそろ使うか。


 俺はまず「神眼」を使う。この才能はどうやら自分が見たいものが()()()見えるようになるらしい。今、俺が見始めたのはレズールの動きの少し未来だ。


 これを見れば、奴が次にどう動くのか分かるので、どれだけ速くなろうが対処できる。


 レズールはどんどん攻めてくるが、その攻撃は一切俺には当たらない。


「なぜだ!なぜ当たらない!」


「さー、何でだろうな」


「ぐっ、てめえっ!!」


 レズールは動きを速くするが、意味はない。俺には次に奴がどう動くのか、丸分かりだからな。


 そして次に俺は反撃の一撃をお見舞いする。


「がはっ!!」


 それはレズールの胸に直撃する。まあ、浅めに斬ったので、これで終わりではないはずだ。


「くそっ!!どんな手を使ったのかは知らないが、お前はこれで終わりだ」


 どうやらレズールは100%を使うつもりのようだ。

 なら、俺ももう一つの手を使うまでだ。



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