イーハトーブ
今日は恋人の二十三回忌でした
今でも昨日のことのように夢を見ることがあります
供養の意味でも詩を書いてみました
ここは イーハトーブ
淡い桃の花が舞い
桜の木が華やぎ
可憐な林檎の花が 舞い降る
そして頬を薄紅色に染め
花のように明るく 輝く君
深緑の草花や樹々
しっとりと濡れて 葉が揺れる
そして濡れた瞳で
僕を見つめる君
真っ青に光り輝く空
朝露の中 光り輝く 朝顔たち
そして太陽いっぱいに
ひろがる向日葵のように 輝く君
燃えあがるような色に輝く 山々
ひんやりと冷たく 凛とする空気
そして僕の手を 暖める君
氷のように冷たく
北国からの鳥たちの 歌声が
サイレンのように 野山に響き渡る
氷のように冷たく
昏く虚空を見つめる君
僕の手を暖める 温もりは
淡い雪や 淡い桜色の花びらのように
手のひらから 零れ落ちる
桜色の花々が舞う
ここは イーハトーブ