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Re:Maria Rose  作者: 以星 大悟(旧・咖喱家 )
第5章 風雲!?イリアンソス学園!
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27話 夏休みが明けたから本気出すⅥ

 と、言うのが夏休みが明けてからの一連の流れだ。

 それからギルガメッシュ商会の協力を得て新しいマリーのパン屋の拠点を確保、そこで惣菜パンを製造して樹石フィルムで個包装し、樹石製の箱に詰めて最初はギルガメッシュ商会の系列店で。

 オリヴェル小父様に協力してもらって都市役所でも販売を始めて話題を集め、イリアンソス各地で移動販売をして、製造体制を整えたら今度は本命である学園での販売。

 つまり今日はマリーのパン屋新装開店の日!という事だからクライン君とラディーチェ君と一緒に食堂へ。今日に備えてとある人に、宣伝を兼ねてお客様第一号を頼んでおいた、あとネスタ兄さんも高等部の士官科の人達に宣伝してくれているから、初日から大忙しの予定なのだ。


 ちなみにクライン君達には衣食住の住を担当してもらっている。

 マリーのパン屋が学園内で人気を博したら、次はフォートナムで軽食を本格的に売り出す予定で、そうなると今度は住が必要になって来る。ただしそれが生きるのはもう少し先。

 食の向上に対する学園側の対応次第だ。

 なので今は食堂へ向けて移動中。

 本当なら授業を受けないといけないけど、午前中はアルフォード先生が裏から手をまわしてくれて、出席しなくても問題にならないようにしてくれている。だから無断欠席ではない、なので内申には全く影響しないから安心だ。


「なあ…殿下をあんな風に下っ端みたいに扱っていいのか?」

「え?うん、問題ないよ」


 食堂に到着するなりクライン君はマリーのパン屋で、これ見よがしに宣伝を始めているエドゥアルド殿下を見て、そう呟いたけど中等部がこんなにゴタゴタしているのはセドリック殿下に責任がある訳だから、ここは叔父として責任を取ってもらわないと!

 そして客寄せパンダは話題性のある人、つまりエドゥアルド殿下が適任だ。

 うん、まったく問題じゃない。


「これは美味い!なんていう名前なのかな?」

「ええと、西部名物のコッペパンを使ったクロケットパンです。それとそちらは西部名物のメンチカツを使ったメンチカツパンです」

「そうか!いやー実に美味い!ならこれと、それと、あと…これもだ!」

「ありがとうございます!」


 それどころかもっと宣伝してもらわないと!

 何事も出だしが肝心なのだ。

 ここで躓いたら全てが台無しになってしまう。

 殿下にはこれでもか!っていうくらい宣伝してもらわないと。

 だけど……さっきからネスタ兄さんと話しているあの、筋骨隆々の男性……何度見ても慣れない。メロンパン…サンライズに大きな可能性を見出したロドニーさんは、あの日の試食会以来、見る見る活力を取り戻して、今ではボディービルダー顔負けの健康中年になっていた。


「どうだネスタ坊?長時間発酵させたふっくら生地とサクサクのクッキー生地の組み合わせは?」

「絶品だ!賞賛の言葉以外を口に出来ない程の美味しさだ!」


 ネスタ兄さんはロドニーさんの作ったサンライズがとても気に入ったらしくて、後から来た士官科の先輩達にロドニーさんと一緒に、どれ程の美味しさなのか語っている。

 ボクも試作中に試食させてもらったけど、すごく美味しかった。

 それ以外の言葉はもはや蛇足、下手な賞賛の言葉は品位を落とすだけだと思ってしまう美味しさで、実は五つ程取り置きをしてもらっている。牛乳をたっぷりと入れた紅茶と、すごく合うのだ。


「おいおい、何かすげー勢いで売れて行ってるぞ?俺達の分無くなるんじゃないのか?」

「隣にアルベールがいるから早く並ばないとヤバいね、急げクライン!」

「おうさ!」


 おーい、君達?ボクを何だと思っているんだい?

 いくらボクでも食べ尽くしたりしないよ。

 それどころか、


「いらっしゃいませ、お勧めはロドニーさん謹製のサンライズですよ!個数限定、都市役所では奪い合いも起こる大評判の逸品ですよ!」


 人手が足りないから逆にお手伝いだ。

 お駄賃はもちろん取り置きしてもらっているサンライズ。

 ボクも一応お母さん似、世間一般でいう美少女、もといい美少年。

 良い客寄せパンダなのだ。


「アルベール君だ!じゃあ私はアルベール君お勧めのサンライズ!」

「ええ私も私も!」


 ふふふ、どんどんお買い上げください!

 そしてこの味じゃないと満足できない体になってください!……それだと変な物が入ってる時の台詞だ。まあでも、この味に皆が病みつきになってくれるのが目的だから良いか!

 さあどんどん売るぞ。



♦♦♦♦



 あれから激戦に次ぐ激戦。

 あっという間に売り切れ、大急ぎで追加の惣菜パンをマリーのパン屋本店に受け取りに行き、戻ったらまたすぐに売り切れて取りに行きを繰り返した。

 皆、美味しい味に飢えていて最早ゾンビ状態。

 当初の予定の数倍は売れ、明日からは製造量を今日の倍にしないといけなくなり。今の人員だと人手が不足していると、ギルガメッシュ商会から人を派遣してもらう事態に!だけど…エステルさんもロドニーさんもとても良い表情だった。

 初めて出会ったときは悲壮感に満ちていたけど今は、嬉しい悲鳴を上げながら笑顔で、日々の忙しなさが楽しくて仕方がないって表情をしている。

 本当に良かった。


 だけど……これだとフォートナムの新装開店時はどんな騒動が起こるんだろう?

 色々と新メニューを取り揃えて新しく人を雇っているけど、マリーのパン屋での騒ぎを考えると人員が足りないかもしれない。ううん……人材教育は一日そこらでは出来ないから、新しく雇った人達がちゃんと一人で歩けるようになるまで、ボクが頑張ろう!

 これでもボクはメイド道の有段者!初段だけど…それでも有段者だ。

 大丈夫。

 何も怖い事なんて無い。

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