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渉内・渉外

王国の王族の数は極めて少ない。

理由の一つに王位継承権を持っていた者を毒婦が皆暗殺してしまったという事が挙げられる。

もう一つの理由に現国王の「側室をあまり持ちたくない。側室を二人持つかわりにその内一人は自分で選ばせて欲しい」と言って無理矢理ネメシスの母親を側室にしてしまった事が挙げられる。

正妻であったヘラの母親は病弱で一人しか子供を産まないで亡くなってしまった。

ネメシスの母親は子供を産む事すら周囲に反対されていた。

アポロンの母親になぜ一人しか子供がいないのか?噂ではあまり子作りに国王が積極的ではなかったらしいが。

血脈が絶えないようにいろいろな案が考えられた。

・女王の配偶者を養子とし、側室として王族の子女を側室にする。

問題は「王族の子女がいない事。いや、一人だけいるが毒婦の血を引いている」

・アポロンの子供を養子にする。もしくはアポロンの子供を女王の配偶者の側室にする。

問題は「アポロンはまだ独身である事。アポロンが惚れて結婚しようとしている女が噂では毒婦の血を引いている事」


沢山子供を産んで、王族を盛り立てていかなければならないヘラが病弱な正妻の血を引いている事も問題視された。しかし「そんなに血が重要か?」という国王の一言で周りは何も言えなくなってしまった。

とにかく周囲の連中は「ネメシスの子、アポロンの子には毒婦の血が流れている事になる。なんとかしてヘラの子供に王位を継がせたい。そのためには早くヘラに結婚相手を見つけないといけない。勇者なんてどうだろう?体の頑丈さは折り紙付きだし、いままで国王の護衛につく事が多かった。これからは女王の護衛につく事が増え二人っきりになる事が増えるだろう、愛が芽生えるなんて事はないだろうか?いや、芽生えて欲しい」とコソコソと話をした。

周囲の人々が「ヘラと勇者を何とかくっつけよう」としていた時、ヘラは「グレースと勇者を何とかくっつけよう」と画策していた。


国王は残った残務を行わなくてはならないし、ヘラは女王としての帝王学を学ばなくてはならない。

女王になると決まって、すぐに女王になるわけではないのだ。

それぞれが色々な準備をしなくてはいけない。

色々な準備の中に体制の変更がある。

国王は退いたあと院政を敷かなくてはならない。影から暗躍するという意味ではなく、完全に引き渡す前に引継ぎ期間があるのだ。

もちろん体制の変更があるのは国王だけでなくヘラもである。

王女の時と女王では従う従者だけでも数も変わって来る。

ヘラが王女時代に政治を行っていれば秘書替わりの宰相がいたかもしれない。

だが今まで政治に関わっていなかった者が突然国の最高権力者になるのだ。

その変化は劇的な物となる。

その一つに侍女の増員があげられる。

ヘラは増える侍女の一人にグレースを入れようと考えていた。


内部の準備も忙しいが、対外的に「王が変わりますよ」と言って回らないといけない。

とりあえずお披露目は近場から、という事になる。その中に国境を接している学園国家があった。



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