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Feeling×Hopes  作者: toki no yu
prologue
4/9

member 4

 

「疲れた……足痛いし」


 更衣室の自分のロッカーに右手をつき、全体重を乗せる。

 首、胸、お腹と、こそばゆく滴る汗を服で拭おうとするも、むしろ汗がついてしまう。


 この感じじゃユニフォーム放課後使えないな、絶対臭い。


 なんとか右手を離しふらふらしつつロッカーを開ける。

 中には乱雑に放り込まれた制服。


 最悪だ、ハンガーにすらかけてないしシワよってそう……。


 右手でつまみ上げると汗で湿っていたのもたたって、予想通りあちこちにシワよっていた。


「うわっ……」


 つい声が漏れる。

 気分がガタ下がりだ。


 せめてとロッカー内の卓球用バックをあさって制汗剤を取り出すと、体に吹き掛ける。


 少しはマシになってくれればいいんだけど…。


「あっ、制汗剤かしてくれない?なんか忘れたぽい」


 制汗剤の吹きかける音を聞いてか、後ろ側からバックを漁りつつ彩月がくれくれと手を向ける。


「別にいいけど」


「サンキュ」


 ぽいっと制汗剤を投げると少し外れたところにいくも、彩月はパッと手を伸ばして落とさず掴んだ。

 そんな様子を見ていたら、何か違和感を感じた。


 ん?何だろうこの変な感じ。


 暫く彩月を眺めていると、違和感の正体に気づいてしまう。

 これは伝えるべきだと思うも、逆にそれは、彩月に伝えない方がいいかもしれない事情であった。


 うーん、もうHLホームルームまで時間ないし言っても意味ないか。


 服を着替えながら思考する。


 ま、少しはなんとかなるかな。言っておこう。


 決断を下すと、いつの間にやら着替えを終えた彩月に、「彩月、ちょっといい?」と声をかける。


「ん?何」


 やっぱり全体的に出てるな。

 似合ってるとは思うけど……彩月は嫌だろうし言おう。


「癖っ毛、でてるよ」


「え?」


「くねくね。私は似合ってると思うけど、彩月嫌でしょ?」


「˝え˝?」


 彩月が目をかっぴらくと、急いでバックの横ポケットから手鏡を取り出した。

 そして見て魂が抜けたように、白く固まる。


 そんなに嫌なの……


「150cmの容姿と合わさって、絵に書いたようにかわいいと思うけど?」


「そんなわけないじゃん!あーもう、もう少し早く言ってよね!」


「あはは、さっきまで気づかなくって」


 苦笑を浮かべて、さっき少し思いついた対処策を言ってみる。あんまりいい手ではないけど、応急処置になるだろうし。


「ワックスかそうか?でも髪痛むかも」


「痛もうがいいよ!かして!」


「そんな扱い方してるから癖っ毛になるんじゃないの……」


 とは言いつつも、ワックスを差し出す。

 彩月は奪い取るように私からワックスを貰い受けた。

 苦笑のままに時間を確認。


 まだ当分余裕そうだ。

 暫く雑談でもしてようか。


 明るく光に照らされた部屋の中、制汗剤の匂いが漂う中、私は彩月と話し続けた。

 くだらない話を。


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