表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/23

初めての精霊魔法とインスタンスエリア

「そ、そうか、魔法か!」


今まで忘れていたが、俺の初期スキルには精霊魔法があった。

精霊魔法は精霊に頼んで魔法を発動するとチューちゃんが言っていた。

すかさず俺はユーカの背後から出てゴブリンへと手のひらを向ける。

そして手のひらから魔法の定番、炎の玉が発射されるイメージをして、叫んだ。


「精霊よ、炎を発射せよ!」


数秒後……何も起きないと悟った俺は急いでユーカのの陰に隠れた。

足元の地面に刺さった矢が怖かった。


「な、何をしておるのじゃ!? 」


「クギィギィッ」


ユーカの目線が冷たい。ゴブリンにも笑われた気がする。

チューちゃんの説明では魔法補助スキルはいらないって言っていたんだが、発動しなかった……恨むぞ。


ピコーン


ー精霊魔法の行使? を確認。チュートリアルを表示します。また精霊魔法への親和性を確認。アシストされますー


恨みに答えたのか……精霊魔法に関しての説明文が俺の視界に表示された。運営GJ!


ー精霊魔法それは精霊を行使する魔法。精霊は万物に宿る。精霊魔法を極めたものは精霊と語り合い、友になる事もできる。事象の発現には通常、魔力感知等他種スキルが必要だがエルフは生まれながらにして精霊魔法への親和性がある。一説では精霊は神と同じ存在であり、精霊を行使する精霊魔法を異端とする者もいる。ー


「へー。そんな設定があるのか……。そういえば直感スキルはこの森に神はいないとか言ってたけど大丈夫だよな……」


「ぶつくさ言ってないで、お兄、いくらゴブリンが怖くても私を盾にして悔しくないの⁉︎ さっさと何とかしなさい! ゴブリンが近づいてきてるのよ⁉︎ それとも何、私に全部任せるつもり⁉︎ 」


設定に見惚れているとユーカが発破をかけてきた。

ロールも忘れてるし、そろそろ限界らしい。

確かに、ゴブリンの方を見ると1匹が矢を放ち他の2匹が近づいてきていた。

だがもう大丈夫だぞ!


「おう、 もう大丈夫だ! アシストされるらしいからな」


再度、ユーカの陰から出てゴブリンに手のひらを向ける。


「精霊よ、炎を!」


何も起きない……。

今度は近づいてくるゴブリン達に笑われた気がした。


〜近くに具現化を行う精霊がいません〜


ああ、しまった……そうだった。

森に炎を起こせる精霊なんているはずないよな……。


「はぁ〜、ダメダメじゃな! 仕方ない、こうなったら妾の真の姿を見せる時が来たかのう⁉︎ 」


ユーカは俺のダメダメ加減に、ドラゴニュート固有のスキル、龍化を使う気になったみたいだ。

でも、それは変身に時間がかかる。

今、使っても変身中に殺られてしまうだろう。


「いいや、練習終了だ。ユーカ、逃げる準備をしておけ!」


「おぉ、元からそのつもりじゃ。はよせんか! 今はしょーもないコントの時間じゃないんじゃぞ!」


おう、ユーカ、バッチリ決めてやるぜ。

三度目の正直だ。

俺はゴブリンに手のひらを向ける。

ロールもしっかりと決める。


「森の精霊よ、あの3匹のゴブリンを足止めせよ! 」


ここにあるのは火じゃなく森だった。

どっちかというと木の精霊か?

そんなことを考えていると一気に俺の視界左上の青いバーが削れていく。

全MPを精霊にもっていかれた。

その分効果は絶大だった。


「クギィ……ギィ!ギィ!」


「おお! すごいのう!」


気づくと、ゴブリン達は木々の枝や根で雁字搦めになり、身動きが取れなくなっていた。

これが魔法か、素晴らしい。


「スタコラさっさじゃ! にげるんだよぉ! 妾の忍びよ、ついてくるのじゃ」


魔法に感動していたがユーカの声でハッとした、よくみるとゴブリン達は徐々に枝を引きちぎりつつあった。

俺たちは走った。


「はぁはぁはぁ……。逃げ切ったな」


2人同時に息を切らせた俺たちは、徒歩に切り替え進んだ。マップを確認すると、どうやら街とは正反対へと猛ダッシュをしてしまったらしい。


「奥の方に来ちゃったな……」


「そうじゃな……。まあせっかくだし死に戻りで街に戻るまで探索じゃな! 」


そう言うと思ったよ。


「そうか……言い忘れたけどデスペナはトイチで返済な」


「な、何じゃトォォォ! 」


森にユーカの絶叫が響きわたった……。

ゴブリンに気づかれたらどうするんだ! とも思ったが、俺はユーカのあまりの驚きように笑ってしまった。


「くっ、はっはっは。 冗談だ。」


「そ、そうか。びっくりしたのじゃ。」


あまりに驚き方が面白かったから許してしまった。

雑草を薬草だと思ったり、ゴブリンに追いかけられるわ、散々な目にあったが、なんだかんだ楽しい。


そうして歩いていると……


「ん? なんじゃ……お、おお!」


急に立ち止まったユーカに俺は敵か、と辺りを見回す。

奥まで進んできたので、足元は草が生い茂っていて動きにくい状態だ。

草を掻き分けてユーカへ近づいていく。


「どうしたんだ? ユーカ」


〜近くに何かがある〜


「何かってなんだよ……」


ユーカの少し後に直感スキルも教えてくれたが使いもんにならん。


「お兄、 下!」


ユーカが指さした場所は少し先の地面だった。

ユーカに近寄って行くと草に隠れて石板が地面に埋まっていた。

近寄ると、またもチュートリアルが表示された。

とりあえず、わかったことをまとめると


これは色々なエリアに点在しているインスタンスエリアへの石板で、転移先は通常ランダムで盗賊の根城とか、ゴブリンの村とかの近くに転移する。転移の仕方はパーティ全員が石板に触れ、転移と叫ぶこと。基本インスタンスエリアは練習のようなもので慣れてきたらフィールド内ダンジョンの方をお勧めすること。帰還時は登録したリスタート地点かここに、来る時と同じように転移できる。ただし、転移は敵に見つかっていない状態じゃないとできない。


こんな感じ、確か、公式サイトでは盗賊の根城で某ダンボールで有名なゲームみたいなステルスプレイが動画として上がっていた。

ちなみにインスタンスエリアというものは各パーティ事に作られる個別エリアで、通常フィールドの様にモンスターの取り合いとかがないというエリアだ。

俺としては早くフィールド内のダンジョンの方に潜ってみたい。

一体どこにあるんだろうか……。ギルドでクエスト出てたりするかな? ダンジョンの間引きとか……


「お兄、早く行くよ!」


「おう」


「「転移!」」


言わずもがなで俺たちは石板に触れ、転移した。






「おぉ……!」


「綺麗じゃな……」


転移先を確認するためにマップ機能を開くとエリア名にはこう書かれていた。




ー薬草の群生地ー




だんだん主人公は強くなっていきます。


次回 薬草の群生地と……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ