ゴメスさん
「すごい音ね、お待たせしたわ!」
ゴメスさんがやってきた。
エイルちゃんも一緒だった。
近くの席に着くとゴメスさんはエイルちゃんを自分の膝に乗せて語り出した。
「妾も乗せたいのじゃ……」
これ見た目事案だぞ。
「私もね、ゴブリンキングと戦って来たのよ」
俺らの言葉は聞かれなかったらしい。
「ほほう」
「始めはいつだったかしら、単なる冒険者だった私がキングと戦い始めたのは……」
そこから語られた物語はマクソンさんのストーリーとかぶるところはあったが、重く悲しい話だった。
ゴメスさんは魔法使いとして名が売れ始めたある日のこと、ギルドで請け負ったクエストの途中で立ち寄ったある村でキングと出会う。
そしてなすすべもなく敗北、唯一助けられたエイルと共に逃げのびた。
それ以降キングに狙われているらしい。
「そのせいかしらね、ジョンの事に責任を感じたのは」
「責任?」
ユーカが問う。
「そう、ジョンのいる町に昔私は住んでいたのよ。それを知られてキングがあの街を襲ったの。もうあの町には住んでなかったのに。今は安全なこの街でこうして暮らしているけどね」
「ふむぅ」
「キングの目的はなんなのじゃ? わざわざゴメスさんを襲うなんて」
「わからないわ。エイルを狙ったのか私を狙ったのか、神出鬼没で目的がわかっていたらキングを罠にはめて倒しているところよ」
「そうです!そうです! その為にゴメスお母さんに鍛えてもらってるんですから!」
エイルちゃんもそう言う。
「うぅー! 健気なのじゃ。何か出来ることがあれば言って欲しいのじゃー!」
「ついでにお金になるクエストを……」
「金金金、妾の忍びは恥を知らぬのか!」
「まぁまぁ、わかったわ。ありがとう。そうね、お兄さんにはこれを頼もうかしら。ユーカちゃんにはこっちね」
そう言ってユーカには街での聞き込みクエストが、俺には盗賊のアジトへの潜入クエストが提示されたのだった。
「別行動とはのう。隠しイベントの弊害かのう」
ギルドを出たとたんユーカはそう言った。
「うーん、そうだな。まぁお兄ちゃんが儲けてくるからユーカの方も頼んだな」
「もちろんなのじゃ! これを持っていくがよい」
ーユーカよりアイテムが送られてきましたー
リボルバーを一丁と弾を受け取った。
「はは、有り難く」
「うむ」
ニンマリと笑いながらユーカは去っていった。
こうして俺たちは別行動をする事になった。




