ねこさんだって、お菓子がほしい!
むしゃくしゃして書いた。
今も後悔している。
おかしをくれなきゃ いたずらするぞ!
町中を変わった格好をした人たちが行き交っています。みんな体が小さくて、お面を着けたり頭にいろいろな被り物をしたりして、めいめい色とりどりの服を着ています。杖を持っていたり、かぼちゃをくり抜いて作ったランプを持っていたりする人もいます。
ある家の前で、目や口の形に皮を切られたかぼちゃの頭をした人と、ドクロ頭でフードつきのぼろっちいコートを纏った人が二人で並んで立っていました。
こんこんとノックをしてドアの前で待っていました。パーティーでしょうか。がちゃり、とノブが回され扉が開かれます。がっちりした体つきの男の人が出てきました。
するとなんて事でしょう!
おかしをくれなきゃ いたずらするぞ!
そう言って二人は、出てきた人をおどしています。小さい体なのに自分よりも大きな大人に向かって、そう言ったのです!
おや、可愛いお化けだね!
だけどここは私の大切な家族が暮らす大事な家。
いたずらされてはかなわない。
これをあげるから、どうか勘弁しておくれ。
出てきた大人はそう言って小さな袋に包まれた何かを手渡しました。
なかは美味しいクッキーだよ。
私の奥さんと娘が焼いてくれた、あまーいかぼちゃを使ったクッキーさ。
お口に合うといいのだが。
包みを手渡されたかぼちゃとガイコツは言いました。
ふん! 本当はいたずらされてこまった顔が見たかったのに!
だけどこいつは美味そうだ。
いたずらするのは止してやる!
そう言ってドアから離れて、手を振って向こうに行きました。お菓子をあげたおじさんも二人に向かって手を振り見送りました。
今日はハロウィンです。
亡くなった人の魂が家族に会いに天国からやってくる日だと言われています。
天国に行った人たちがやってくるだけならいいのですが、それにまぎれてお化けたちもやってくると言うのですから困ったものです。
お化けたちはこぞっていたずら好きで、人が困る姿を見るのが楽しくて仕方ない連中です。
他愛もないいたずらから大事な物を壊してしまう事まで、いろいろな悪さをはたらきます。
彼らお化けには、何が人間にとって大事な物なのか分かりません。
彼らがするいたずらのほとんどが他愛のない物だとしても、本当に時々たいへんないたずらになってしまうものだってあるのです。
とあるお化けが、とある工場にあった機械の歯車を一つくすねたことがありました。
そのお化けにとって、くるくると回っている歯車の動きが面白くて、一つ欲しくなっただけなのですが、その歯車が一つなくなったことで機械が正しく動かなくなって、工場全体を壊してしまった事がありました。けが人もたくさん出てしまいました。
当の犯人のお化けは悪い事をしたなんて感じませんでしたので、自首したりしませんでした。それどころか、自分が歯車をくすねたことでこんな事になったなんて知りもしません。結局人間たちはそのお化けを捕まえる事ができないまま、事件は時効が成立してしまいました。
これはほんの一例ですが、このお化けにかぎらず、そんな事になるなんて彼らは考えもしません。ほんのちょっとしたいたずらで人々はとても困ってしまうことがありえます。
だから人々は、お化けにお菓子をあげておもてなしして、いたずらされないようにと考えたのです。
小さな路地の裏を、かぼちゃとガイコツが歩いていました。さっき体つきの大きなおじさんからクッキーをもらったお化けたちです。するとなんて事でしょう! 顔に両手を当て、頭を取り外してしまったのです!
「やあ、うまくいったぞ」
「うん! 次はジョーンズおじさんのところに行こう!」
「そうだな! あそこのステラおばさんの焼いてくれるパイはすごくおいしいぞ!」
「急がなきゃ! みんな知ってるから無くなっちゃう!」
「毎日がこうだと良いのにな!」
「本当に! おかしをくれなきゃいたずらするぞ! って言うだけだしな!」
かぼちゃとガイコツの頭の下には子供の顔がありました。そばかすとチリチリした短い髪の毛で青い瞳の男の子と、黒い滑らかで柔らかそうな髪をした茶色い瞳の男の子です。
お化けの格好をした人間の子供です。
なんて事でしょう。お化けの格好をして、おもてなしを受けていたのです!
これは詐欺と言われても仕方ない事ではないでしょうか。本当はお化けがもらうはずだったお菓子を、お化けではないこの子達がもらっていったのです!
ところが、彼らだけではありません。どうやら町中にいるおかしな格好をした人たちは、おおよそみんな人間の子供たちのようです。中には本当にお化けもいるみたいでした。その人には足が無く、ふわふわと空中に浮かんでいるのです。その人もお菓子をもらっています。
どうやらハロウィンの時は、お化けも人間の子供も分け隔てなくおもてなしを受けることができるようでした。ただし人間の子供はお化けの格好をしていないとお菓子をもらえないようです。
かぼちゃとガイコツのマスクをもう一度つけて、二人の男の子は駆けていきました。
その二人の様子を見ていた者がいます。
くりくりとした目をキラキラと輝かせて、良い物を見た! とでも言いたそうな感じです。
尻尾をぷんぷんと振って、乗っていた木箱からぴょんと飛び降りて路地をてこてこと駆けていきます。
「にいちゃん、にいちゃん! いいことをしったよ!」
路地をぬけ、垣根をくぐり、扉を押しあけ、階段を駆け上り、ベッドの上に飛び乗りました。
「何だい、そうぞうしい。ご飯の時間はまだだよ」
「ちがうよ、そうじゃないよ! おかしがもらえるんだよ!」
「今日のおかしならママがもうくれただろう?」
「ママもくれるけど! まちの人みんながくれるんだ!」
「なんだって? うそをついちゃいけないよ」
「うそじゃないよ! にんげんのこどもたちも、おばけもみんな! しらない人からももらってるんだ!」
「本当かい? ぼくたちはママとパパからしかもらえないのに。それが本当ならぼくもほしいぞ」
「でしょう! これからいこう!」
そう言って二人はベッドから飛び降りました。小さな手足で音も立てず、すたっと床に下り立ちます。
薄いけれど頭の割に大きな耳をぴんっと立てて、おひげも真横にすっと伸びています。
二人とも尻尾が長く、手足もすらりとしています。
大きくて円らなお目目がきらきらとしていて、小さいけれど通った鼻筋、楽しみでしょうがないとでも言いたそうに笑ったようになっているお口がとてもかわいらしいです。
そう、二人はねこでした。とても賢いねこさんです。
にいちゃんと呼ばれた方は茶トラに白が入った毛並で、お菓子がもらえると情報を持ってきたのは三毛でした。三毛ですから、女の子です。男の子だからか、お兄ちゃんの方が体がおおきいです。
二人はお家を抜けだして、夕暮れの町にくりだしていきました。
二人で並んで歩いていきます。これからどうやってお菓子をもらうかの作戦会議をしながら歩いています。
「ねこは魔女の使い魔だったりするから、きっとこのままでも良いだろう」
「にいちゃん、つかいま、ってなに?」
「魔女のお手伝いをするお化けの仲間さ」
「へー。ボクたちママのおてつだいをするから、ママはまじょなんだね!」
「ママは人間だよ。僕たちは魔女の使い魔のフリをするんだ」
「でもそれじゃあ、ボクたちが「つかいま」だってわかってもらえないかもしれないよ? にいちゃんはおとなりのミルキーちゃんとよくまちがえられるじゃない」
「ミルキーちゃんは女の子だよ。それに僕と口元が全然違う」
この兄妹ねこさんは、二人とも良く似たお顔をしていました。二人ともお口の先あたりが茶色で特徴的でした。
「もしかしたら、にんげんにはボクたちねこのおとこのこと、おんなのこのちがいがわからないんじゃないかな?」
「うーん、こんなにはっきりしてるのに。それじゃあ町の人達も、演技だけじゃ使い魔と普通のねこの違いがわからないかもしれない。どうしたらいいだろう?」
お兄ちゃんねこはその場で立ち止まって腰を下ろしました。右の前足をぺろぺろと舐めて、ぐしぐしと顔をふくように毛づくろいをします。考え事をする時、いつもこうするのです。三毛の子が寄ってきて、ほっぺや耳、首の後ろの方をぺろぺろと舐めてきました。そしてこう耳打ちしました。
「にいちゃん、ボクまえに、ご本でみたことがあるよ。まじょのおばあさん、さんかくのぼうしをかぶってたんだ。きっとそれをかぶれば、ボクたちも「つかいま」のようにみえるはずだよ!」
「お前、天才だな! それでいこう!」
ちょうど町はハロウィンの飾りがそこらじゅうにされています。二人がかぶるにちょうど良さそうなとんがり帽子があったので、それをもらって頭にのせました。黒い帽子の先にはふわふわで白いぽんぽんが付いていました。道行く人々が帽子をかぶった二人を目にして微笑みます。
「やあ、どうやら使い魔にみえるようだぞ」
「やったねえ、にいちゃん!」
注目を集め始めた事に気が付き、変装がうまくいったと感じているようです。実際は大勢の人が萌え殺されているだけでした。
二人に向けてスマートフォンを向ける人がいました。ぴろりん、と音がしたので写真を撮ったのでしょう。盗撮は肖像権を侵害する行為なのですが、二人は何をされたのかわからないのでそのまま通り過ぎていきます。つぎつぎと町人を萌え殺していく二人は、まるで生贄としてささげる魂を取ってくるように魔女から命令された死神にしか見えなかったことでしょう。
お店の並ぶ通りを抜けて、住宅が立ち並ぶところにやってきました。大分日も落ちて暗くなってきています。ハロウィンの飾りをしてあるお家に目を付けて、ドアをこんこんとノックしました。
がちゃりとノブが回って扉が開きます。出てきたのは体の大きな男の人でした。
ですが目の前には誰もいません。
おかしいな、と思って扉をしめようとした時、足元で何かがゆらりと動いたのが見えました。目線を下すと、とんがり帽子をかぶったねこが二人、ちょこんと腰を下ろして見上げています。
おじさんもノックアウトです。魂が抜けていくのを感じていました。
「おかしをくれなきゃいたずらするぞ!」
「何だい、それは」
「にいちゃん、こういわないといけないんだって。まほーのことばだよ。おかしをくれなきゃいたずらするぞ!」
そうか、と言って、にいちゃんも繰り返して言いました。
もうおじさんは耐えられませんでした。くらくらとする頭を押さえながら、壁に手を当てて体を支えています。お菓子が欲しくてたまらない三毛ちゃんが立ち上がっておじさんの足にすりすりと顔と体をこすりつけていきます。
「ねえねえ、おかしをくれなきゃ、いたずらするぞ?」
おじさんはもう色々と限界でした。わかった、と言ってお家の中に入るように言いました。
ところが。
「さあ、思う存分いたずらしていくといい」
わけがわかりません。きょとんとした二人を促してリビングにつれていき、ソファーに乗せたりしました。おじさんの家族もかわいい二人のねこさんを見て、きゃいきゃいと喜んでいます。
とりあえずぱりぱりとソファーで爪をとぎ、テーブルの上でゴロゴロと転げまわったりしました。
棚の奥に入ってみたり、開いている段ボール箱に飛び込んでガジガジとかじったりしました。
見ず知らずの二人に本当にいたずらされていると言うのに喜んでいます。
わけがわかりません。
「えっと、もう帰ります」
「おや、そうかい。残念だ」
一通りお家で遊ばせてもらった後、どうにも居た堪れなくなった二人はこの家を出る事にしました。いろいろいたずらされたら、普通に考えればさっさと出て行ってほしいはずです。なのにこの家族は心底名残惜しそうにしています。
よくわからないまま、二人はこのお家の人にさよならをいって出ていきました。いたずらされたのにお見送りまでしてくれました。
頭にはてなマークを浮かべながら二人は歩いていきます。辺りはすっかり暗くなっていて、人通りもあまりありません。
「おかし、もらえなかったね」
「そう言えば。何だったんだろう」
「つぎのおうちではもらえるかもしれないよ! あのおうちにいってみようよ」
気を取りなおして突撃です。杖も持っていた方がいいだろうかと言うことで、飾りをまたひとつお借りしました。しかし手にしたのは杖ではなく、おしゃもじでした。なぜこんなものが飾られているのかわかりません。
おしゃもじを見たことのない二人はそれを短い杖だと思って装備しました。
「おかしをくれなきゃ、いたずらするぞー!」
次のターゲットとなったお家の人に、新たな装備を手にして、居丈高に宣告します。その姿を見たのは小柄なおばさんでした。どこかで見たことがある突撃スタイルに噴出寸前です。ぎりぎりで耐えきったおばさんを心配そうに見つめていると、優しい手つきで背中を撫でられました。思わずゴロゴロのどが鳴ってしまいます。
するとお家に招き入れられました。ちょうどご飯が終わったところだったようです。さあ、ようやくお菓子がもらえるぞ、と二人がワクワクしていると、
「さあ、どうぞいたずらをしておゆき」
わけがわかりません。二人がぽかんとしていると、娘さんが毛糸玉を持ってきて、二人の目の前に転がしました。三毛ちゃんが飛びつき、前足で捕まえてかじりつきました。後ろ足でキックしていると、前足とお口のロックから毛糸玉が外れて転がっていきます。
今度はにいちゃんが追いかけ始めました。前足で払うと、転がっていった毛糸玉を反対の手ですくい上げるように打ち上げます。立ち上がってぱしぱしとお手玉していると、三毛ちゃんがジャンプしてキャッチしていきました。取られたにいちゃんはその場で自分のお腹のあたりをペロペロなめました。
三毛ちゃんに遊び道具を譲ってあげるときにいつも見せる仕草です。
自分はてこてこと移動して、テーブルの下に潜り込みました。そこを通りがかったこのお家の人のスリッパに飛びつきました。お家の人はビックリしていましたが、怒ったりしません。
また一通り遊んだあと、二人は帰ることにしました。さんざん知らないお宅で遊ばせてもらった上にお菓子までおねだりするのは悪いな、と思って何ももらわず出ていきました。お家の家族の人たちはみんなとても嬉しそうに見送ってくれました。
「わけがわからないぞ。どうなってるんだ?」
「にいちゃん、ボクうそついてないよ。おかしもらえるってきいたんだよ、ほんとだよ」
「大丈夫さ、お前が嘘をついたなんて思っちゃいない」
不安そうにしている三毛ちゃんのおでこをやさしくなめて、にいちゃんが言いました。今度こそ大丈夫、と三毛ちゃんに言い聞かせもう一軒にアタックを試みます。だけど結果はおんなじで、遊ばせてもらったのですがお菓子はもらえませんでした。
思ったようにならなくて、二人は悲しくなってみゃあみゃあ泣き始めてしまいました。
「おやおや、かわいいねこさん達や。いったいどうしたと言うんだい?」
通りがかったおじいさんが心配して声をかけてきました。二人は事情を話しました。
「あっはっは。何だ、そうだったのか。町の人は君達にイジワルをしたわけじゃないんだよ。昔っからこの町ではね、ねこがいたずらしたものを大切にすると、悪いモノからその家をねこの姿をした聖霊が守ってくださると信じられているのさ。ねこさんから、お菓子を出すかイタズラされるか選びなさいと言われたら、誰もがいたずらを選ぶだろう。それに二人のようにかわいい子達がかわいい格好をしていたら、聖霊が来てくれたと信じてしまうんじゃないかな? 時期が悪かったねぇ」
「そ、それじゃあボクたちはおかしをもらえないの?」
がっかりしたような二人の頭を撫でながら、おじいさんは知恵を貸してくれました。
「そうだね、それじゃあ、こう言ってごらん」
またあるお家の扉の前で、とんがり帽子をかぶっておしゃもじを装備した二人のねこさんが鎮座していました。
にいちゃんはさらに漆黒のマントを羽織り、ハロウィンの雰囲気を抜群に漂わせています。
三毛ちゃんはしっぽの先に小さなかぼちゃで作られたジャック・オ・ランタンをひっかけています。茶トラをベースに、きれいに黒色が入ったかわいいしっぽが、さらにチャーミングになっています。
マントもランタンも、あのおじいさんがくれたものでした。
今度こそうまくいきますように、と祈りをかけながら、にいちゃんがこんこんと扉をノックしました。
ガチャリと音を立ててノブが回り、中から人が出てきました。
その人が足元を見て、雰囲気満点の二人のねこさんに気がつくと、そのねこさん達は立ち上がってこう言いました。
「こんばんは! あなたのお家を悪いモノから守ってあげます。帰るときには、少しでいいのでお菓子をください!」
その日の晩、二人の帰りはすごく遅くなってしまいました。お家に帰ってきたときはすっかり周りのお家の明かりは消えて、寝静まっていました。
ですが二人のお家はまだ明かりがついていて、ママもパパも起きているようです。たくさんのお菓子を持っていたので、上手に扉から入ることができません。ドアを尻尾でノックして、ただいまと声をかけました。
「二人とも! いったいどこに行っていたの! ママ達心配していたのよ!」
出迎えてくれたのは人間の女の人でした。奥から男の人も出てきました。
「おや? どうしたんだ? ずいぶんかわいい格好をしているじゃないか。それに何かたくさん持っているね」
「パパ、あのね! ボクたちいっぱいがんばってきたんだよ!」
二人は一生懸命、こんな格好をしているわけから、何があったのか、どうして遅くなったのかを説明しました。それを聞いたパパとママは、まあ呆れた、と言った後でよく頑張ってきたねとほめてくれました。だけど最後に、町の人たちにお詫びしてこないと、と言ったのを二人のねこはちゃんと聞いてました。心配させた上に迷惑をかけてしまったと、二人はしゅんとしてしまいました。
そんな二人を見てパパが、気にしなくていいぞ、と撫でてくれました。
「えっとね、お願いがあるんだけど」
パパとママの愛を感じ、嬉しいんだけど申し訳なくってたまりません。二人とももじもじしながら言いよどんでいます。せーの、と息を合わせたかけ声とともに、お願い事を言いました。
「あなたのお家を、悪いモノから守ってあげます! その代わり、ボクたちをこれからも大事にしてください!」
お家についたら二人で言おうね、と練習した言葉でした。
なんだ、そんなことか、とパパは笑って言いました。
「言われなくても大事にするわよ。あなたたちは大切な私達の子なんだから」
やさしく二人を抱き上げて、ママが答えました。嬉しくなった二人はママの顔をペロペロとなめました。小さく柔らかい触れ心地にママも幸せそうです。
「だけどこんなに帰りが遅くなるのはこれっきりにしてちょうだい。あなた達がいなくなってしまうのは寂しくてしょうがないのだから」
ふたりは声をそろえて、ごめんなさい、と言いました。
イベントにすべりこみセーフ!
夕方から5時間で仕上げた即興です。