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百年遅れの英雄譚  作者: すっとこどっこい
第二章 少年時代(魔竜討伐編)
15/49

百年遅れの理由

「ごめんなさい、取り乱して」

「いや、いいけど」


 十分以上泣き続けて、ようやく落ち着いたケラシーヤは、シフを解放して椅子に座るよう促した。

 ケラシーヤ自身もシフの向かいに座り、あらためて会話が始まった。


「それで、なぜ遅れたの?」

「それが解れば苦労しねえよ」

「百年の間に、依頼された傭兵団立ち上げて、ミール……ゾイルが団長やって。楽しかったわよ。あなたがいないことを除いては。みんなもう寿命で死んでしまったけれどね」

「そっか。その後はずっとリラー、いやケラシーヤが団長やってんの?」

「いいえ。二代目は継いだけど十年もしないうちに引退したわ。その後は、いわゆる名誉会長っていうか顧問役を続けている感じね。一時期、後継者がいないときに代理で団長したときもあったわ」


 そういえば、とリラーはシフの顔をじっくりと観察する。


「シフくん、前世より格好良くなってる? 顔もそうだけど、精悍さがあるというか」

「それを言うならお前も……いや、お前は前世でも今と変わらないくらいだったな……」

「それはどうも。あ、呼び方なんだけど、ケラシーヤって呼びにくいでしょう? 略称っていうか、そういうのでケイって呼んでちょうだい」

「ケイ? うん、解った」


 シフが了承すると、ケラシーヤは満面の笑みを浮かべる。どきりと胸が騒ぐのを抑えながら、シフは話題を変える。


「そういや、傭兵団って儲かるんだな。こんな立派な建物だし、応接室もここも、高そうな絵や置物がいっぱいだ」

「そりゃ、百年もやってればね。それに、上下水道の提案を中心に、特に衛生面で色々と国に評価されたし」

「なるほどなあ。やることはやってるわけだ」

「この町でお手洗いが水洗なのも、私たちのおかげなのよ」


 ふふん、とケラシーヤが自慢げに胸を張る。先ほど抱きしめられた感触を思い出して、少し頬を赤くしながらシフが相づちを打つ。


「そりゃ凄いな。それで、俺に何か手伝えることない?」

「えっと、今困ってるのって、魔竜の対処くらいなのよね。だからシフくんに頼んでどうにかできる問題じゃないっていうか」

「討伐隊とか組まねえの?」

「あいつの攻撃をまともに受けられるの、私だけだからねえ。挑みようがないわ」

「俺も手伝うって」


 ケラシーヤは、シフの言葉に首を振る。


「無理。解ってるでしょう、この世界はゲームと違うんだから、経験を積んでいかないと強くなんてなれないわ。シフくんの年齢でそんなに強いわけないじゃないの」


 シフはどこまで話すか考えながら、口を開く。


「それがさ、俺、異様に強いぜ。これがゲームならバグキャラか、ってくらい」

「えっと?」


 何を言っているのだという顔のケラシーヤに、シフは自嘲するような笑みを浮かべる。


「俺さ、弱いところから徐々に強くなるのが好きなんだよな。いきなり強い武器渡されて、雑魚を蹴散らしても何も面白くないじゃん」

「いやまあ、それは解るけれど。そんなに?」

「ケイの横に並んで、足を引っ張らないくらいには強いと思うぜ」


 腕を組んで考え込んだケラシーヤの反応を待つ。

 数分後、考えがまとまったのか、ゆっくりと語り出した。


「今、私の強さは、ゲームでリッチに挑んだときよりも上なくらいなの。炎の精霊に干渉して魔竜のブレスを私一人に収束させたり、ディバインの抵抗力にものを言わせてそのブレスをはじいたりね。魔法での遠距離戦だけなら、魔竜とも良い勝負ができると思うわ」


 シフは、ケラシーヤがそこまで強いとは思っていなかったので、素直に驚く。


「それは凄いな」

「近距離戦は駄目だから、実際に魔竜とは戦えないんだけどね。シフくんはライデンだった頃、というよりゲームと比べてどれくらいと思ってる?」


 言われて、シフは考え込む。単純な腕力だと比べものにならないだろう。スキルもかなり使えるようになっているし、敏捷性も負けてはいない。


「単純な攻撃面では、明らかにリッチ戦の時より高い。ただ、魔法への抵抗に関してはどうかな。あまり魔法を使う魔物はいないからなぁ」


 ゴブリンの魔法くらいなら意にも介さないが、比較対象が弱すぎる。


「これから話すのは仮説なんだけど」


 ケラシーヤは質問しておきながら、シフからの返答には興味なさそうに聞き流して、別の話を始める。


「転生は、記憶が戻る前に死んだら、再度赤ん坊に宿るみたいなの。ゼロがそんな感じで、私たちより四つ年下で現れたわ。あなたも遅れて来るだろうと思っていたのに全然来ないから、ライデンの記憶が戻ってから死んだのだろうと思っていたの」


 でも、百年遅れではあるがちゃんと転生している。


「ゼロはね、現れた時すでにそれなりの腕前で、私たちと遜色がないほどだったわ。転生し損なった人の分、素質が上乗せされたんじゃないかって話になるくらいにね。だから、あなたも何度も転生した可能性があるわ」

「ふうん。そういや、さっきの男もゼロだったね。彼は何者なの?」


 宿まで来た男もゼロと名乗っていたので、シフはずっと気になっていた。


「あの子? ゼロとブラックちゃんの子孫。厳密には、三代目かな。代々、家を継ぐときに、男ならゼロ、女ならブラックと名乗るように二人で取り決めちゃったの」


 ケラシーヤは顔を伏せて、少し寂しそうに付け足す。


「一人で残る私に、ちょっとでも気が紛れるように、って思ったのでしょうね」

「へえ。って、ゼロとブラック? あの二人、そんな仲だっけ?」

「ブラックちゃんはともかく、ゼロはずっと一筋だったわよ」


 そうか、と相づちを打ちつつ、シフはそわそわと立ち上がりかけたり、腕を組んだりしている。聞きたいことがあるのだが、聞きづらい。


「どうしたの? お手洗いなら、出て右に行った突き当たりよ」

「違ぇよ。あのさ。怒らないでくれよ。ケイは結婚してないの?」

「……」


 ケラシーヤは無言で笑顔を浮かべる。無理矢理浮かべたような、能面のような笑みといえばいいだろうか。目が全然笑っていない。

 何か地雷踏んだか? と謝りかけたシフだったが、ケラシーヤはふうっとため息をついてぼそりと呟いた。


「ずっと独り身。あ、サクヤちゃんやゾイルについては、言った方が良い?」

「そっか、ごめん。サクちゃんたちについては、後から知るのも嫌だし、教えてくれ」

「落ち込まないようにね。ゾイルが告白して、サクヤちゃんが受け入れて、結婚したわ。子どももいるし、今も六歌仙に所属してる。というか、すでに会ってるわね」

「え、もしかして、受付してくれた猫の子?」


 シフの言葉に、ケラシーヤが吹き出す。


「ふふ、猫の子って。本人に言ったら怒るわよ。ワイルドキャット。そう、彼女がサクヤちゃんたちのひ孫ね。あら、あまり驚いていないのね」

「んー、マスターがサクちゃんを好いてたのは何となく解ってたから。ただ、お前もマスターが好きだと思っていたから……」


 今度は先ほどの笑みと違い、あからさまな怒気をはらんだ顔つきになる。同時に、ボウッとケラシーヤの顔の横に火の塊が浮かび上がった。


「ちょい待て。それ、火の精霊?」

「大丈夫、ちょっとお仕置きするだけ。そう。百年遅れで、今更のこのこやってきて、人の気も知らないで。それで、私がゾイルを好きとか阿呆な勘違いして。人の気も知らないで……」

「落ち着け。お前さっき魔竜と対峙できるって言ってたじゃん、死ぬって。まじ死ぬって」


 慌ててシフがなだめにかかるが、ケラシーヤの動きは止まらない。そして、ケラシーヤから、魔法が飛んだ。


「食らいなさい!」


 炎の塊が、シフにぶつかる。


「うわっ!」


 シフが炎に包まれる。それとほぼ同時に、ケラシーヤは水の精霊を呼び出した。

 シフはそれに気付かず、何も被害を受けていない自らの身体を見下ろしながらつぶやく。


「死んでない……というか、火傷もしてない?」

「本人は当然、服も燃えないか。おそらく『火の加護』ね」


 ケラシーヤは憑き物が落ちたかのような顔付きで水の精霊を消して、冷静に分析を行う。

 そこまで切り替えが早くないシフは、ケラシーヤの態度に面食らっている。


「百年の間、ずっと記憶が戻る前の幼児期に死ぬっていうのは、ほとんどあり得ないのよ。今は魔竜が暴れているけれど、魔竜が暴れる前は平和だったし」

「なんでそんなに冷静なんだよ。人に攻撃魔法ぶっ放しておいてさ……」


 シフがぼやいた途端、ケラシーヤが目をすっと細める。


「何か、言った?」

「なんでもありません」


 よろしいと教師のように頷いて、ケラシーヤは話を続ける。こういう時は逆らわない方が良い。


「普通は人族に属性の加護なんて付かないわ。もちろん、亜人も含めてね」

「でも俺が『火の加護』ってのを持ってるって、なんで解るんだ?」

「普通ね、魔法だろうが何だろうが、火をぶつけられたら抵抗できても服が燃えるのよ。わざわざ服がある場所にぶつけたのに、何ともない。炎耐性があるような服じゃないわよね?」

「見ての通り、ぼろい布の服だよ」


 それが証拠、と言い切ったケラシーヤ。結局、何が言いたいのかシフにはさっぱり解らない。


「つまり、何が言いたいんだ?」

「仮説その二。人族以外に転生しちゃった可能性。火を受け付けないって事実からも、それしか考えられないけどね。ちょうど今から二十年前、当時十七才くらいだった第三次転生組が、ぽつぽつと現れだしたの。当然、六歌仙が受け皿だから、そのまま受け入れたわ。人格に問題ないかだけ確認して」


 何も問題がなかったと続ける。


「じゃあいいじゃん。有能なんだろ、転生組ってのは」

「そうね。だから、彼らの中から次の団長を選ぶと思ってたわ。でも、名を上げてきた頃、だいたい五年経過したくらいだったかしら。何を思ったのか、彼らは子竜討伐なんて計画を立てて、勝手に殺してしまったの」

「別に魔竜の子なら、殺しても良かったんじゃねえの?」


 シフが疑問に思うと、ケラシーヤは大きく頭を横に振って否定する。

 若干遠い目をしているのは、過去を思い出しているのだろう。


「まさか。当時は魔竜なんて呼ばれてなかったわ。聖竜ゲオルギオス。知性あふれる頭脳で、このあたり一帯を統べていた空の王。この地域でイビルの存在が薄かったのも、あの竜のおかげね」

「そんな話は、聞いたことないな」

「そう? よほど田舎だったのね。あん、怒らないの」


 シフがぎゅっと拳を握ったのが解ったのだろう、ケラシーヤはひらひらと手のひらを振って、小さく笑う。


「そんなゲオルギオスも、子を持つ親だったというわけね。子竜が殺されて、イビルに堕ちた。怒り狂って王都は潰すわ、彼ら第三次転生組を絶滅させるわ、大惨事ね」


 第三次だけに、と続ける。いやそれ全然笑えないとシフは内心で突っ込む。


「そんな駄洒落を言ってる場合か、馬鹿」

「だって、過去の話だもの。目の前で起きてたら必死で女王陛下を守ったわ」


 きらりと目尻に再び涙が浮かぶ。


「悪かったよ。それで、竜が暴れて国が荒れて?」

「ん。だから、それが十五年前。あなた、今何才?」

「……十五」


 ケラシーヤは勝ち誇った笑みで豊かな胸の下で腕を組む。


「以上、仮説終了よ。他に質問は?」

「んー。解ったような、解らんような」


 目の前のケラシーヤから、少し視線を変えて、天井を眺める。


「何が解らない?」

「なんで俺だけ、そんな変なのに転生したんだ?」

「そんなの知らないわよ」


 それはそうだろう。ケラシーヤは、可能性を示唆したに過ぎない。

 シフもまた腕を組んで、考えに没頭する。仮にケラシーヤの説が本当だとして、それだけ過剰な戦闘能力を持って平穏に生きるのは難しい気がする。


「ん?」


 こんこん、と扉が叩かれ、外から声がかかる。


「ケラシーヤ様、お客人のお連れ様が……」

「入りなさい」


 扉が開き、先ほどのゼロと一緒にトリが入ってくる。


「トリ、何かやらかしたのか?」

「違ぇよ。あまりにも遅いから、何してんのかと思ってさ」


 どうやらトリを不安にさせたらしい。知り合いがシフ以外には誰もいないのだ。考えてみると、長く放ったらかしにしてしまっていた。


「おう、悪かったな。話は一通り終わったから帰るか」


 立ち上がったシフに、ケラシーヤが待ったをかける。


「ちょっと、待ちなさいな。そこの彼女も、一緒に食事にしましょう。朝から何も食べてないでしょう?」


 言われて初めて、朝起きてから何も食べていないと思い出す。すでに太陽は頂点に近い。


「それは助かる。美味いもん出してくれよ」

「任せなさい」


 ケラシーヤは言って目配せをする。ゼロも心得たもので、黙って下がっていった。

 残った三人のうち、まともに挨拶をしていなかった二人が口を開く。


「初めまして。私はケラシーヤ。シフくんとは、そうね。魂の共鳴者、とでも言うのかしらねえ?」

「知らねえよ。なんだよ、それ」

「格好良くない?」


 掛け合いが始まるのを止めるように、トリも口を開く。


「よろしく、エルフの姉ちゃん。俺はトリ。見ての通り、ただの小娘だけどな。シフの兄貴には、死にそうなところを助けてもらってからずっと一緒に旅してる。俺は今後、兄貴のために生きるっつっても過言じゃないな、うん」


 すっと目を細めて笑うケラシーヤ。子ども特有、と言うには邪気が混じってそうな笑みを浮かべるトリ。

 何か悪いことしただろうかと、間に立たされていたたまれない気分になったシフは、取りなすように笑いながら空気を変えようとする。


「まあ、挨拶も済んだところで、座ったら? それとトリ、お前の人生はお前のもんだからな。勝手に俺に乗っけるんじゃねえ」


 むうと唸るトリに、ゆっくりと言い聞かす。


「せっかく生きてんだから、好きに生きろよ。もちろん好きに生きるって言っても、悪事を働くのは論外だぞ。解ってると思うけどな。お前だって、拾ってから一ヶ月近く旅していてさ、色々と見てきただろう? 何かやりたいことねえの?」

「やりたいこと、って言われてもなぁ」


 良い話をしたせいか、ケラシーヤの張り詰めた空気も緩む。してやったりと思っていたシフに、トリから再び攻撃が入った。


「そうだな、兄貴の嫁さん、とか?」


 トリは言いながら、見ている先はケラシーヤだ。口には嫌な笑みを浮かべている。ケラシーヤの反応を見て楽しんでいるのだろうが、そういう遊びは別の機会にしてもらいたいと、シフは切実に思う。


「へえ。良かったわねシフくん可愛い子に惚れられて。ちょっと後で、訓練室に行こうか。大丈夫。私の得意技は火の精霊だけじゃないのよ」


 ケラシーヤが氷のような笑みを浮かべて、シフの肩を掴む。凄まじく力が入っているようで、非常に痛い。


「ちょ、待て。痛い。まじ痛い」


 身をよじって逃げようとするが、ケラシーヤは離さない。

 そんなことをしていると扉が開いて、ゼロに連れられた侍女が食事を持ってきた。


「お待たせしました。ケラシーヤ様、おふざけはその辺で」

「はいはい」

「返事は一回ですよ」


 はいと素直に返して、並べられた食事を楽しむ。言われていた通り、高級食材が並ぶ。旅の途中では口にできなかった海の幸がふんだんに使われている。


「海って、ここから遠いよな」

「そうね。元々王都は海沿いだったのだけれど、ここからは遠いわね」

「なんで海老とか蛸がこんなに新鮮なの?」

「冷凍保存」

「そんなの出来んだ」

「色々と再現してるわよ。魔法と特殊金属を組み合わせると、凄く便利。空気を逃がさない金属と氷結魔法の相性は最高ね。圧力鍋も再現してるわよ。今は空に浮かぶ金属を制作中。まだ無理だけどね」

「凄えな、飛行機も作れんじゃん」

「無理。試し乗りなんてしていたら、魔竜に狩られるわ」


 そういえば、とケラシーヤはトリに目を向ける。


「さっきのお嫁さんはともかく、もし働きたいなら傭兵団の雑用で雇ってあげるわよ。シフくんの知り合いだからって優遇しないし、冷遇もしないけど、それでも良ければ、どう?」


 いきなりの話題に、トリの目が丸くなる。ちらりとシフに目を向けて、好きにしろと言われて、頷く。


「ケラシーヤさん、よろしく頼むわ」

「よろしい。では、まず言葉遣いからね。女の子がそんな乱暴な言葉を使ってちゃ駄目よ。それに周りがみんな目上の人になるんだから、敬語も学びなさい」

「えぇー」


 いきなり厳しく当たってくるケラシーヤにトリは文句を言う。しかし、ケラシーヤは取り合わずにびしびしと決めていった。


「午前中はお仕事してもらうわ。食事の準備だけで非常に忙しいからね。午後からは三時間が座学、二時間が運動ね。ここで働く以上は最低限の戦闘技術がなきゃね。魔法の適正は後で見るから、もし魔力があれば運動と魔法学、好きな方を選ばせてあげるわ」


 うわぁと嫌そうな顔を作るトリと対照的に、シフは目を輝かせる。


「魔法の適正? それって俺も見てもらえるの?」

「シフくん? んー、いらないでしょ?」

「いやいや、せっかくこっち来たんだからさ、使えないより使える方がいいじゃん。教えてくれよ」

「しょうがないわねえ。じゃあ、後でこっそり調べてあげるわ」

「こっそり?」


 首を傾げたシフに、ケラシーヤがため息まじりで言葉を返す。


「私は、シフくんが竜の転生だと思ってるの。竜で魔力が低いはずがないじゃないの」

「ああ、そういうことか」

「他に人がいる場所で調べられないわよ。ただ、人間の魔法が使えるかどうかは解らないけれどね」


 ケラシーヤが嫌な付け足しをして、シフは少しだけ顔を曇らせる。


「大丈夫、きっと使えるわ。ただし魔力が高かろうが何だろうが、魔法の実力はかけた時間がものを言うの。剣ほどに使えるようには、なかなかいかない。修練に相当な時間が必要よ」

「ああ、大丈夫。そんなに力を入れるつもりはないから。いざという時の隠し技程度で充分」

「そ。それならいいけど」


 そんな和やかな会話で、相当な量があった料理が平らげられて、昼食会はお開きとなった。


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