a believer of you
「―――イイわね」
「ああ。」
「じゃあ、行くわよ?」
「ああ。」
「ふふ。やっと、やっと私たちは………………トリになれる!」
「―――ああ。」
青い 逆さまの海
流れるように 綿菓子の船は流れる
眼科に広がる 下世話な世界
さよならを。 最後にさよならを。
もう二度と汚いあの世見たくないし
最後に見る気にもなれないのよ―――と彼女が仰った。
その言葉。 全て鵜呑みで飲み干そう。
君の言うとおりに だけど僕の意思で
この矛盾 決して矛盾ではない
だって、だって僕は
“ 君 信 者 ” 。
空しかもう見えない
背中からのダイブ ちょっぴり勇気がいった
だけどほら 重力に抗い過ぎて、浮力も敵わず
君の愛しく有難い声 風に雑雑と消されてゆく もう二度と聞こえない。
それでも悔いなし
君の笑顔だけで 僕は生きて行ける
ん? 違うな、 コホン
君の笑顔だけが 僕の存在証明書 「だった。」
その君がトリになりたいと言うのならば
それはそっくりそのまま僕の願いへとなる 当たり前だ
ビルの窓 よく磨き上げられて キラキラリ
太陽遠ざかっていく
日差しだけ 窓に反射 キラキラリ
眩し過ぎたね、へへ
最後の最後まで
この青い空に見送ってもらうの なんて幸せなんでしょう
これこそトリの特権なのかしら―――と彼女は口パクで仰った。
そーっすね―――僕、申し上げる
届かぬのなら もう口パク意味なし 想いも役立たず
君の咲かせた 赤い大輪
僕、恐れ多いことだけど 君に上書き
口も利かぬ君の代わりに 僕は最後の一声
空にサヨナラを。 夢見た小鳥にサヨナラを。
実らぬ恋慕 引きずり続けた奴に サヨナラを。
……恋人ごっこ 恥ずかしくて出来ずに
ふざけた幼稚な宗教ごっこやり遂げた 初心な二人へオヤスミを――――――