パーティの美人女魔術師が俺にデレデレ過ぎる!だが、悪いが俺はその想いに応えることはできない。
「リーネ、お前、アレンのことが好きなんだろう?」
バルドのいきなりの言葉に俺は思わず吹き出しそうになった。
鍋をかき混ぜるリーネの手が止まり、みるみる顔が真っ赤になっていく。
そして、小さく頷いた。
バルドは日焼けした肌に屈強な体つき、革鎧を愛用する蛮族風の戦士だ。
2メートル近い身長で、同じくらいの大きさの斧を軽々と振り回す。
料理当番をしているリーネは魔術士で、長い黒髪に栗色の瞳をした美人だ。
人見知りで、パーティに入ったばかりの頃はほとんど口をきいてくれなかった。
早く馴染めるようにと必死で話しかけたのは、今となってはいい思い出だ。
バルドが「せっかく仲間にするなら美人がいい」と言い出したのがきっかけだったが、リーネは魔術の腕も料理の腕も超一流だった。
「私…、アレンのことが好き…。そう大好き!」
「即答だね、リーネ。ここまで素直だと、逆に清々しいよ」
突然の告白に、俺は恥ずかしさのあまり突っ伏した。
その隣で、弓使いのセラがくすりと笑う。
彼女はエルフだった。
金髪碧眼で、エルフの中でもさらに彫刻のような美しさを誇る。
彼女を仲間に引き入れたのは、もちろんバルドだ。
バルドはセラのことが好きなんだと思う。
セラがどう思っているかは知らないが…。
「まあ、アレンが好きだってのは、見てればすぐわかるがな」
「ふふ、そうね…。でも、多分、アレンは知らなかったと思うけど…」
セラがこちらを見て、いたずらっぽく笑う。
今は依頼を終えて王都へと戻る途中の森で野営をしている。
みな、焚き火を囲んで談笑中というわけだ。
その中、料理当番のリーネがせっせと食事の支度をしている。
「私がパーティに入った時には、すでにアレンのことが好きだったみたいだけど?」
セラの衝撃的な発言に、俺は思わず顔を上げた。
半年前にはすでに……?
「そうなんだよ。全然、俺には振り向いてくれそうにないから、セラをパーティに加えたんだよ」
「はあ?それはどういう意味?」
セラが怒ったふりでバルドに絡むが、冗談だと分かっているようだ。
そんな二人をリーネは微笑ましく見ていたが、少し寂しそうな笑みを浮かべた後、再び鍋をかき混ぜ始めた。
突然の告白に俺はどうしていいのかわからなかった。
いや、ほんと、心の準備もできていない時に、そういうことを言うのはやめてほしい。
もうリーネの顔をまともに見ることができないかもしれない。
「アレンは、どうなんだろうね?」
「決まってるだろ、最初から気にいってたさ」
バルドのいやらしい笑みに、リーネは耳まで真っ赤になった。
「最初に冒険者ギルドで見かけた時から、アレンはずっとリーネのことを見てたからな」
ぎゃふん!バルドさん、それは言わない約束でしょ!
「だから、俺がパーティに入らないか?って声をかけたんだよ」
バルドがふんぞり返る。
くそ、殴ってやりたい。恥ずかしいじゃないか!
「そう、だったら、うれしいな…」
リーネは顔を真っ赤にしながら、木製の深皿に料理をよそい、みんなに渡していく。
「熱いから気をつけて」
「月草のポタージュか…」とバルドが呟く。
「アレンが好きな料理ばかり作るのはいい加減やめよ?」
セラが苦笑する。
「はい、アレン」
リーネが俺に深皿を差し出す。
だが、俺が受け取る前に、悲しそうな顔をして俺の前に置いた。
セラが変なことを言うから気を悪くしたようだ。
そして、リーネは俺の顔をまっすぐ見ると大粒の涙を流し始めた。
ど、どうしたんだ、リーネ。
昼間のヒドラとの戦闘でどこか怪我をしたのか?
怪我なら、僧侶の俺が…。
「アレン…」
リーネが震える声で呟く。
「どうして…どうして、私なんかを庇って死んでしまったの!?」
そのまま泣き崩れてしまった。
「リーネが助かったんだから、アレンはきっと後悔してないさ」
バルドが優しく肩に手を置く。
そうだった…。
俺はヒドラとの戦闘で死んだのだった。
何度、首を切り落としても再生するヒドラに手こずったが、切った切り口を炎の魔法で焼けば再生しないことにリーネが気づき、形勢は逆転したかと思っていた。しかし、それは油断だった。
残った最後の首が炎の魔法の使い手であるリーネを狙った。
「あぶない!」
リーネを突き飛ばし、代わりに俺がヒドラに体を真っ二つにされた。
泣きじゃくるリーネが、ふと顔を上げる。
その視線は、まっすぐ俺のほうを向いていた。
見えているはずはないと思う。
それでも彼女は微笑んで言った。
「…ありがとう」
ああ、俺もみんなが助かってよかったよ…。
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後どうなるのっ……!」
と思ったら
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。




