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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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パーティの美人女魔術師が俺にデレデレ過ぎる!だが、悪いが俺はその想いに応えることはできない。

作者: 紗月
掲載日:2026/05/23

 「リーネ、お前、アレンのことが好きなんだろう?」


 バルドのいきなりの言葉に俺は思わず吹き出しそうになった。

 鍋をかき混ぜるリーネの手が止まり、みるみる顔が真っ赤になっていく。

 そして、小さく頷いた。


 バルドは日焼けした肌に屈強な体つき、革鎧を愛用する蛮族風の戦士だ。

 2メートル近い身長で、同じくらいの大きさの斧を軽々と振り回す。


 料理当番をしているリーネは魔術士で、長い黒髪に栗色の瞳をした美人だ。

 人見知りで、パーティに入ったばかりの頃はほとんど口をきいてくれなかった。

 早く馴染めるようにと必死で話しかけたのは、今となってはいい思い出だ。

 バルドが「せっかく仲間にするなら美人がいい」と言い出したのがきっかけだったが、リーネは魔術の腕も料理の腕も超一流だった。


 「私…、アレンのことが好き…。そう大好き!」


 「即答だね、リーネ。ここまで素直だと、逆に清々しいよ」


 突然の告白に、俺は恥ずかしさのあまり突っ伏した。

 その隣で、弓使いのセラがくすりと笑う。


 彼女はエルフだった。

 金髪碧眼で、エルフの中でもさらに彫刻のような美しさを誇る。

 彼女を仲間に引き入れたのは、もちろんバルドだ。

 バルドはセラのことが好きなんだと思う。

 セラがどう思っているかは知らないが…。


 「まあ、アレンが好きだってのは、見てればすぐわかるがな」


 「ふふ、そうね…。でも、多分、アレンは知らなかったと思うけど…」

 

 セラがこちらを見て、いたずらっぽく笑う。

 

 今は依頼を終えて王都へと戻る途中の森で野営をしている。

 みな、焚き火を囲んで談笑中というわけだ。


 その中、料理当番のリーネがせっせと食事の支度をしている。


 「私がパーティに入った時には、すでにアレンのことが好きだったみたいだけど?」


 セラの衝撃的な発言に、俺は思わず顔を上げた。

 半年前にはすでに……?


 「そうなんだよ。全然、俺には振り向いてくれそうにないから、セラをパーティに加えたんだよ」


 「はあ?それはどういう意味?」


 セラが怒ったふりでバルドに絡むが、冗談だと分かっているようだ。

 

 そんな二人をリーネは微笑ましく見ていたが、少し寂しそうな笑みを浮かべた後、再び鍋をかき混ぜ始めた。


 突然の告白に俺はどうしていいのかわからなかった。

 いや、ほんと、心の準備もできていない時に、そういうことを言うのはやめてほしい。

 もうリーネの顔をまともに見ることができないかもしれない。


 「アレンは、どうなんだろうね?」


 「決まってるだろ、最初から気にいってたさ」


 バルドのいやらしい笑みに、リーネは耳まで真っ赤になった。


 「最初に冒険者ギルドで見かけた時から、アレンはずっとリーネのことを見てたからな」


 ぎゃふん!バルドさん、それは言わない約束でしょ!


 「だから、俺がパーティに入らないか?って声をかけたんだよ」

 

 バルドがふんぞり返る。

 くそ、殴ってやりたい。恥ずかしいじゃないか!


 「そう、だったら、うれしいな…」


 リーネは顔を真っ赤にしながら、木製の深皿に料理をよそい、みんなに渡していく。


 「熱いから気をつけて」

 

 「月草のポタージュか…」とバルドが呟く。


 「アレンが好きな料理ばかり作るのはいい加減やめよ?」

 

 セラが苦笑する。


 「はい、アレン」


 リーネが俺に深皿を差し出す。

 だが、俺が受け取る前に、悲しそうな顔をして俺の前に置いた。


 セラが変なことを言うから気を悪くしたようだ。


 そして、リーネは俺の顔をまっすぐ見ると大粒の涙を流し始めた。


 ど、どうしたんだ、リーネ。

 昼間のヒドラとの戦闘でどこか怪我をしたのか?

 怪我なら、僧侶の俺が…。


 「アレン…」


 リーネが震える声で呟く。


 「どうして…どうして、私なんかを庇って死んでしまったの!?」


 そのまま泣き崩れてしまった。


 「リーネが助かったんだから、アレンはきっと後悔してないさ」


 バルドが優しく肩に手を置く。




 そうだった…。


 俺はヒドラとの戦闘で死んだのだった。


 何度、首を切り落としても再生するヒドラに手こずったが、切った切り口を炎の魔法で焼けば再生しないことにリーネが気づき、形勢は逆転したかと思っていた。しかし、それは油断だった。


 残った最後の首が炎の魔法の使い手であるリーネを狙った。


 「あぶない!」


 リーネを突き飛ばし、代わりに俺がヒドラに体を真っ二つにされた。

 

 

 

 泣きじゃくるリーネが、ふと顔を上げる。

 その視線は、まっすぐ俺のほうを向いていた。

 見えているはずはないと思う。

 

 それでも彼女は微笑んで言った。


 「…ありがとう」


 ああ、俺もみんなが助かってよかったよ…。



「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるのっ……!」


と思ったら


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