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幕間 堕天使は未来のために最後の竜を応援する。


短いので、本日より2本目の更新になります。

よろしくどうぞ!

 




 アリスとエイスが舞台から降りる理由──。

 それは、二匹に告げた通りでもあるが……本当の理由はもう一つある。


 それは……ここから先は〝アルフォンスが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から〟である。


 アルフォンスがこの世界の女神に操られたことによって……この世界最後の竜の復讐が彼のためのモノではなく、亜人達全員のモノになりかけた。

 それはカルディアが興味を抱いた復讐じゃない。彼女が興味を抱いたのは、アルフォンスが〝自分のために〟始めた復讐だ。他人のための復讐なんかじゃない。

 ゆえに、ホンニンに自覚があるかどうかは分からないが……女神の一件からカルディアは、アルフォンス()自分の意思で、復讐を進めることを重要視するようになった。

 だからこそ、アリスはここを引き際だと判断した。



 …………実のところ、アリスとエイスが最後まで手伝ってもこの復讐は()()()()

 しかし、それは最良の終わり(ベストエンド)ではなく、不完全な終わり(ベターエンド)だ。

 不完全な終わり(ベターエンド)で復讐を終えてしまったら。そこから先に進めない。カルディアとアルフォンスの()()が、永遠に変わらなくなる(決まってしまう)

 つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それは駄目だ。アリスが辿り着きたいのは愛しいエイスの子を産む未来。未来というのは無限の可能性を秘めているモノだというのに、エイスの子供を産む未来は無限の中にただ一つだけ。砂漠の中から一粒の砂を見つけ出すぐらいに難しいモノなのだ。

 しかし、それでも諦めるという選択肢はない。アリスは絶対に彼の子を産みたいのだ。…………彼を縛り付ける楔を増やしたいのだ。


 だってアリスはエイスのことを、ありと凡ゆる世界の何よりも。

 彼のためならば世界を滅ぼすこともいとわないほどに、愛しているのだから──……。


 だから、アリスは自分のためにここで手を引く。アリス達がいない方がこの復讐が良い終わり方をして、その先の未来にも良い影響を及ぼすのだから、ここで復讐劇から降りた方が良いに決まっているだろう?

 だから──。


(アリス達がいなくても、頑張ってくださいね? アルフォンス様。今回の復讐を通り過ぎた先──最良の未来に辿り着くために。誰もが満足する未来のために)



 そう、堕天使は心の中で異界の竜に鼓舞を送るのだった。





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