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幕間 芽生え始めたモノ

 




 後から来た二人を重宝するアルフォンスに憤りを覚えるようになったのは、いつからだろう?

 自分達の方が先に、彼の配下に加わったというのに……何故、彼らばかり優遇するのか。

 それが分からなくて、悔しくて、妬ましくて。腹立たしい。

 力が足りない? そんなことはない。だってこんなにも魔法が使えるようになった。武器が使えるようになった。

 知識が足りない? 確かに……今まで学ぶ機会がなかったけれど。決して馬鹿ではない。

 なら、何がいけない? 自分達は何も悪いところはない。それどころか他の奴らよりも遥かに優れた種なのに。


 それなのに下等な奴らに優しくしてやる彼が理解できない。

 自分達よりも劣る奴らを重宝してやってる意味が分からない。


 けれど、それを打ち明けると家族から怒られた。

 〝ふざけたことを考えるな!〟と今までにないぐらい叱られた。


(絶対……間違ったことは何も言っていないのに……)


 だから余計に、怒りは増していく……。



 アルフォンスはまだ気づいていない。

 身内の中に確かに、膿が生じ始めていることに。


 それに気づいているカルディアもアリスも、それを告げない。

 だって彼らを巻き込むことを決めたのはアルフォンスなのだから。彼自身が気づかなくてはいけないことだから。


 この抱え込んだ爆弾が破裂するのはもう少し先の話。


 今はまだ、反乱の因子は……芽生え始めたばかりであった。





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