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第2話スキルツリー

「さて、この下がどうなっているかが問題なんだよな……」


 スカートをたくし上げ、そこから覗く大人パンツとニーハイに挟まれたムチッとしたふとももを見つめながらそんな言葉を漏らした。


 ……TS関連の作品は嫌いではないし、寧ろ好きな部類だ。


 だが、いざ自分がなってみると、色々思うところがある。『よっしゃあ!!これでエロい事し放題だぜ!!』『この身体は俺のものなんだから何したって勝手だろう!!』などとはしゃげるかと思ったが、実際なってみると戸惑いとか、どうしようと言う思いの方が強い。


 思うにTS作品の醍醐味はその状況に放り込まれあたふたする主人公を愛でるところにあるのだろう。そこに感情移入とかするのも楽しみ方としては正しいが……マジでなると不安とかでいっぱいだ。


 特に今はまだ大丈夫だが、トイレとか。


 あとできる事ならこの大人パンツはどうにかしたい。


 そりゃ、一瞬は年齢にあわないませたパンツ履いてる女の子とかエロッ!とか思ったものの、その女の子が自分自身だと思うと何とも言えない恥ずかしさのようなモノが込み上げてくる。


 とは言え脱ぎ捨てる訳にもいかないし、なにより、こんなアホな事を考えている訳にもいかない。


 俺は一先ず思考を切り替え、自分自身の身体と向き合うことにした。


 人それを問題の先送りと言う。


 万年ヒラ戦闘員の得意技だ……というと、何ともしょーもない話だが、少なくとも今この時には役立っているので良しとしておこう。


 という訳で、まずはスキルの検証からだ。


 組織再興の夢を果たすためにも、まずは自分自身の安全を担保できなければ話にならない。


 自分もよく分かっていない力の検証というと、雲をつかむような話になるが、幸いスキルツリーから能力の説明は読む事ができるし、どういう理屈なのか、使ってもない力の使い方も何となくだが把握できている。


 これも【サポートUI】の効果なのだろうか?


 なんとも恐ろしい話だが、首領にチカラをもらって怪人化させてもらった先輩とか……後輩とか……も、異形の姿になったりした奴もいた割には最初から器用に動いてたし、新たな身体を得る、新たな法則の中に身を置くというのはそういう事なの物しれないな。


 一先ずは、その便利さだけを享受して置こう。そう意識を切り替え能力を一つ一つ確認していく。


 とは言え解放しているもの、解放可能なものを合わせれば、その数は膨大だ。有用性もそうだが、優先度も踏まえて色々判断していく必要がある。


 というわけで、まずは魔法少女のスキルから。


【魔力適正<闇>】、闇の魔力を操る事を可能にする能力であり、ツリーを登った先にある【闇魔術<第一階梯>】を解放する事で、いくつかの決まった形の魔術をセミオートで発動させられるようになるらしい。


 魔法少女として戦うための軸となる能力である。


 スキルポイントを入手する方法が現状では不明な以上、安易に決めることは出来ないが……有用性、解放する優先度、はもっとも高いと言える物の一つだろう。


【固有兵装:初級】、これは念じることで自分だけの特殊効果持ちの兵装を生み出すことが出来る能力のようだ。


 試しに発動させてみると、魔術の効果を高める杖の役割も持った真っ黒な短剣が手の中にいきなり出現した。


 手から離しても消えないが、同時に二本生成する事は不可能なようで、二個目を出そうとすると最初の一本は霧散し消えてしまう。


 ちなみに次の段階を解放するには条件が足りていないようで、鍵マークとなっていた。


 とはいえ、武器というだけで現段階でも有用性はトップクラスのものだ。


 あと魔法少女のスキルで目ぼしいものだと、魔力を消費し続けることで身体能力を爆発的に高める【身体強化】。頭、胴、腕、足の防ぐ一式と任意量の素材、魔力を込める事で効果付きの魔法少女の礼装(ドレス)を作り出す【礼装化】等という物もあった。


 特に身体強化はこの貧弱な体格を補うためにも有用そうだが、魔術によるアウトレンジから一方的に攻めるスタイルで行くなら、微妙に腐る可能性もあるため、優先度はやや劣る感じだろうか?


 礼装化は面白そうではあるが、優先する意味は無い為、とりあえず保留。


 こう、なんかイヤな予感もするし……。



 次に悪の首領のスキル。


 まず未開放である【魔導理論】【科学技術】について。


 このスキルは魔導理論、化学技術から双方に巨大なスキルツリーが形成されている構図となっており、魔導理論をとれば魔術的なアプローチで、化学技術なら科学技術的なアプローチで自身を強化したり、配下を強化したり、有用な道具をつくったりできるようになる……言わば前提的な能力のようだ。


 組織を再興するうえで、必ず必要になるが、自身の強化に直結するわけでは無いのが悩みどころである。


 で、次に【支配】と【搾取】。


 支配は屈服させた(自らの力で生命力の8割を削った)者か、忠誠を本心から誓ってきた者を対象に発動できるもので、自らの配下とする事ができるようになる能力らしい。


 力づくで従わせるか、カリスマで従わせるか、実に悪の首領っぽい能力である。


 対して搾取は配下とした者が獲得した経験などを一定割合徴収できる物になっている。


 支配と別の軸になっているものの、リンクしてる部分もおおきい。ツリーを進めば双方の能力を前提とする能力とかも出てきそうだ。


 これもかなり有用そうだが、ツリーを進める緊急性はひくい。


 総じて首領の能力は大器晩成のような感じだ。


 まあ、戦えればいい魔法少女とちがい、首領の役目は組織運営だからな。総括的な内容になるのも仕方がない。


 他に有用そうなものだと、【威圧】なんかがいい感じだ。


 任意で発動できるタイプの能力で、魔力を少し消費する代わりに、相手を威圧し萎縮させる事ができる能力らしい。


 どれだけの効き目があるかはわからないが、こと戦いに置いて意図的に相手に隙を作らせる能力の有用性は紛いなりにも戦いに身を置いてきた者からすればよくわかる。


 更には交渉事を優位にすすめる能力にも発展していくようなので、組織を立ち上げるうえでも有用そうだ。そもそも組織はトップの貫録あってのものである。


 そこが弱い俺にとって、外付けでそこを補強してくれるというのは何ともありがたい。


 緊急性はないが、余裕がでたら是非とも取りたいものの一つである。


 それで次に、戦闘員だが……体術を初め、剣術や槍術など、戦いに関するものがメインとなるスキルのようだ。


 ツリーを進めていけば、有用そうなものも出てくるだろうが、魔法少女や首領と比べると派手な魅力的はない。いやまあ、その二つからしたら何段も格が劣るので仕方がない。


 強いて言うなら、体術を強化する【上級体術】や固有兵装を使う時に生きそうな【短剣術】が狙い所かもしれない。


 最後に汎用技能。


 これはカテゴライズするほどでない能力の詰め合わせのスキルで情報量が膨大なので、一先ずあきらめた。


 説明をみるまでもなく能力名から連想する効果に隔たりがほとんどないのも特徴だ。


 ただ、【しらべる】だけは目を見張るものがある。


 魔力を消費することで、対象の情報を少しだけ読み取るというもので、ツリーは【しらべる<自然>】【しらべる<生命>】【しらべる<モンスター>】とつづく。


 異世界もののお約束、【鑑定】の前段階の前段階みたいな感じの能力だ。


 っていうか、やっぱり居るのかモンスター……。個別にカテゴライズされている以上、それなりにこの世界で幅をきかせているのだろう。となると戦闘系の能力の優先度がやや高く見積もる必要もあるだろうか。


 この近辺に出るとは限らないが、そういった脅威が身近にある世界なら平均の戦闘力も高くなる。


 積極的に揉めたいとは思わないが、相手の出方次第では否応もない可能性もある。



 それを踏まえて、一先ず3ポイントのスキルの使用先もきめてしまう事にしよう。


 周囲を探索してからでも遅くは無いかもしれないが、準備不足で詰みましたという可能性も捨てきれないため、それを避ける為でもある。



 ちなみにサポートUIはスキルツリーごと存在しない上に説明もないブラックボックス状態だった。


 この辺がもう少しわかっていればと思わなくもないが、無いものねだりをしても仕方がない。


 そして、俺が出した結論は……。


「さて、この下がどうなっているかが問題なんだよな……」


 スカートをたくし上げ、そこから覗く大人パンツとニーハイに挟まれたムチッとしたふとももを見つめながらそんな言葉を漏らした。


 ……TS関連の作品は嫌いではないし、寧ろ好きな部類だ。


 だが、いざ自分がなってみると、色々思うところがある。『よっしゃあ!!これでエロい事し放題だぜ!!』『この身体は俺のものなんだから何したって勝手だろう!!』などとはしゃげるかと思ったが、実際なってみると戸惑いとか、どうしようと言う思いの方が強い。


 思うにTS作品の醍醐味はその状況に放り込まれあたふたする主人公を愛でるところにあるのだろう。そこに感情移入とかするのも楽しみ方としては正しいが……マジでなると不安とかでいっぱいだ。


 特に今はまだ大丈夫だが、トイレとか。


 あとできる事ならこの大人パンツはどうにかしたい。


 そりゃ、一瞬は年齢にあわないませたパンツ履いてる女の子とかエロッ!とか思ったものの、その女の子が自分自身だと思うと何とも言えない恥ずかしさのようなモノが込み上げてくる。


 とは言え脱ぎ捨てる訳にもいかないし、なにより、こんなアホな事を考えている訳にもいかない。


 俺は一先ず思考を切り替え、自分自身の身体と向き合うことにした。


 人それを問題の先送りと言う。


 万年ヒラ戦闘員の得意技だ……というと、何ともしょーもない話だが、少なくとも今この時には役立っているので良しとしておこう。


 という訳で、まずはスキルの検証からだ。


 組織再興の夢を果たすためにも、まずは自分自身の安全を担保できなければ話にならない。


 自分もよく分かっていない力の検証というと、雲をつかむような話になるが、幸いスキルツリーから能力の説明は読む事ができるし、どういう理屈なのか、使ってもない力の使い方も何となくだが把握できている。


 これも【サポートUI】の効果なのだろうか?


 なんとも恐ろしい話だが、首領にチカラをもらって怪人化させてもらった先輩とか……後輩とか……も、異形の姿になったりした奴もいた割には最初から器用に動いてたし、新たな身体を得る、新たな法則の中に身を置くというのはそういう事なの物しれないな。


 一先ずは、その便利さだけを享受して置こう。そう意識を切り替え能力を一つ一つ確認していく。


 とは言え解放しているもの、解放可能なものを合わせれば、その数は膨大だ。有用性もそうだが、優先度も踏まえて色々判断していく必要がある。


 というわけで、まずは魔法少女のスキルから。


【魔力適正<闇>】、闇の魔力を操る事を可能にする能力であり、ツリーを登った先にある【闇魔術<第一階梯>】を解放する事で、いくつかの決まった形の魔術をセミオートで発動させられるようになるらしい。


 魔法少女として戦うための軸となる能力である。


 スキルポイントを入手する方法が現状では不明な以上、安易に決めることは出来ないが……有用性、解放する優先度、はもっとも高いと言える物の一つだろう。


【固有兵装:初級】、これは念じることで自分だけの特殊効果持ちの兵装を生み出すことが出来る能力のようだ。


 試しに発動させてみると、魔術の効果を高める杖の役割も持った真っ黒な短剣が手の中にいきなり出現した。


 手から離しても消えないが、同時に二本生成する事は不可能なようで、二個目を出そうとすると最初の一本は霧散し消えてしまう。


 ちなみに次の段階を解放するには条件が足りていないようで、鍵マークとなっていた。


 とはいえ、武器というだけで現段階でも有用性はトップクラスのものだ。


 あと魔法少女のスキルで目ぼしいものだと、魔力を消費し続けることで身体能力を爆発的に高める【身体強化】。頭、胴、腕、足の防ぐ一式と任意量の素材、魔力を込める事で効果付きの魔法少女の礼装(ドレス)を作り出す【礼装化】等という物もあった。


 特に身体強化はこの貧弱な体格を補うためにも有用そうだが、魔術によるアウトレンジから一方的に攻めるスタイルで行くなら、微妙に腐る可能性もあるため、優先度はやや劣る感じだろうか?


 礼装化は面白そうではあるが、優先する意味は無い為、とりあえず保留。


 こう、なんかイヤな予感もするし……。



 次に悪の首領のスキル。


 まず未開放である【魔導理論】【科学技術】について。


 このスキルは魔導理論、化学技術から双方に巨大なスキルツリーが形成されている構図となっており、魔導理論をとれば魔術的なアプローチで、化学技術なら科学技術的なアプローチで自身を強化したり、配下を強化したり、有用な道具をつくったりできるようになる……言わば前提的な能力のようだ。


 組織を再興するうえで、必ず必要になるが、自身の強化に直結するわけでは無いのが悩みどころである。


 で、次に【支配】と【搾取】。


 支配は屈服させた(自らの力で生命力の8割を削った)者か、忠誠を本心から誓ってきた者を対象に発動できるもので、自らの配下とする事ができるようになる能力らしい。


 力づくで従わせるか、カリスマで従わせるか、実に悪の首領っぽい能力である。


 対して搾取は配下とした者が獲得した経験などを一定割合徴収できる物になっている。


 支配と別の軸になっているものの、リンクしてる部分もおおきい。ツリーを進めば双方の能力を前提とする能力とかも出てきそうだ。


 これもかなり有用そうだが、ツリーを進める緊急性はひくい。


 総じて首領の能力は大器晩成のような感じだ。


 まあ、戦えればいい魔法少女とちがい、首領の役目は組織運営だからな。総括的な内容になるのも仕方がない。


 他に有用そうなものだと、【威圧】なんかがいい感じだ。


 任意で発動できるタイプの能力で、魔力を少し消費する代わりに、相手を威圧し萎縮させる事ができる能力らしい。


 どれだけの効き目があるかはわからないが、こと戦いに置いて意図的に相手に隙を作らせる能力の有用性は紛いなりにも戦いに身を置いてきた者からすればよくわかる。


 更には交渉事を優位にすすめる能力にも発展していくようなので、組織を立ち上げるうえでも有用そうだ。そもそも組織はトップの貫録あってのものである。


 そこが弱い俺にとって、外付けでそこを補強してくれるというのは何ともありがたい。


 緊急性はないが、余裕がでたら是非とも取りたいものの一つである。


 それで次に、戦闘員だが……体術を初め、剣術や槍術など、戦いに関するものがメインとなるスキルのようだ。


 ツリーを進めていけば、有用そうなものも出てくるだろうが、魔法少女や首領と比べると派手な魅力的はない。いやまあ、その二つからしたら何段も格が劣るので仕方がない。


 強いて言うなら、体術を強化する【上級体術】や固有兵装を使う時に生きそうな【短剣術】が狙い所かもしれない。


 最後に汎用技能。


 これはカテゴライズするほどでない能力の詰め合わせのスキルで情報量が膨大なので、一先ずあきらめた。


 説明をみるまでもなく能力名から連想する効果に隔たりがほとんどないのも特徴だ。


 ただ、【しらべる】だけは目を見張るものがある。


 魔力を消費することで、対象の情報を少しだけ読み取るというもので、ツリーは【しらべる<自然>】【しらべる<生命>】【しらべる<モンスター>】とつづく。


 異世界もののお約束、【鑑定】の前段階の前段階みたいな感じの能力だ。


 っていうか、やっぱり居るのかモンスター……。個別にカテゴライズされている以上、それなりにこの世界で幅をきかせているのだろう。となると戦闘系の能力の優先度がやや高く見積もる必要もあるだろうか。


 この近辺に出るとは限らないが、そういった脅威が身近にある世界なら平均の戦闘力も高くなる。


 積極的に揉めたいとは思わないが、相手の出方次第では否応もない可能性もある。



 それを踏まえて、一先ず3ポイントのスキルの使用先もきめてしまう事にしよう。


 周囲を探索してからでも遅くは無いかもしれないが、準備不足で詰みましたという可能性も捨てきれないため、それを避ける為でもある。



 ちなみにサポートUIはスキルツリーごと存在しない上に説明もないブラックボックス状態だった。


 この辺がもう少しわかっていればと思わなくもないが、無いものねだりをしても仕方がない。


 そして、俺が出した結論は……。



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