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スケジュール管理は大事ですね

「校長さーん。 ただいま帰還致しましたー!」

「……えらく時間がかかったわね?」

「えへへ。 以外にも踊りの練習に手間取ってしまいましてねぇ」


 本当は別の依頼を受けていたからなんですけど。

 尤も、そんなことを口にした日にはどうなるか分かったものでは無いので黙っておきますが。

 そんな私を先程からじーっと眺めてくる校長さん。 ふっふっふっ……どうやら疑っているようですが残念ですね。 現場に居合わせなかった校長さんがその真実を知るはずがないのです。


「ねぇアリスさん。 もう一度聞くけれど……本当に練習が長引いただけなのよね?」

「も……勿論ですともっ! 逆に伺いますけど何か? もしかして疑っているのですか?」


 私の必死の弁明を聞いて「はぁ……」と小さく嘆息した校長さん。

 むむむ……何やら嫌な予感がしますねぇ……。いやいややっぱりバレるはずが……。


「実はね……サロメさんから報告を受けたのよ」

「ほ……報告? 一体何を……」

「貴女が別の依頼を受けたから帰りが遅くなるかもしれない、という報告をね」

「なっ……なんですとっ!?」


 その言葉に大きく目を見開く私。

 失念してましたっ!!! 確かにしっかりしているサロメさんならばそういう事をしそうですもの……。

 しっかりと釘を指しておくべきでしたのに!

 わなわなと震える私に「ふっ」と勝ち誇ったような笑みを浮かべて校長さんが続けます。


「私も考えたわ。 誰にだって事情はあるもの。 だからもし正直に話してくれたら許してあげよう、ってね。 でも貴女はそれをちょろまかそうとしたのだから……()()()()()()は必要よね?」

「ひぇぇぇぇ!?」


 校長さんの言葉に、私は蛇に睨まれた蛙のようにブルブルと身体を震わせていて……それはもう酷い有様でした。


「ふっふっふっ……もう許さないわよ?」

「ゴクリ。 そ……それで一体どのような罰を……」

「ふふっ。 さてどうしようかしらねぇ……」

「ご慈悲を……!」


 もはやプライドをかなぐり捨てて土下座する私。

 後ろにいたセシリアは「やれやれ」と言わんばかりに嘆息していました。 いや……あなたが受けた依頼なんですけどね!?


「まぁ……それはそうとして。 踊りの方はマスターできたのね?」

「それは勿論ですとも! 何ならここで踊ってみせましょうか?」

「うーん。 ……まぁいいわ! それは明日のメインイベントな訳だし。 楽しみに取っておくとしましょう」

「……ん? すいません校長さん。 今なんと?」

「……? いや……だから。 明日の百年祭での踊りを楽しみにしておくわ」

「はいぃぃぃぃ!? 百年祭って明日にあるんですかぁ!?」


 まさかまさかの出来事。

 もう少し先だと思っていた百年祭は……明日に執り行われる予定なのでした。

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