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いざいざ! 参りましょう!

『さて……それでは向かいますけど。 その男性って一体どこに住んでいらっしゃるんですか?』

『ええとねぇ……確か王都近くの村で土いじりをしてるって言ってたような……』

『あぁ。 王都じゃないんなら好都合ですね』

『……好都合?』

『あぁいや。 こちらの話です』


 アーチェさんと出会って一晩を経た私たちはいざ出発と荷物をまとめました。

 ちなみに校長さんには「まだ時間がかかりそうなので気長に待っていてくださーい」とセシリアに送ってもらいました。

 ふっふっふっー! まぁどーせ気づかれないでしょうねー。 こんなに離れている訳ですし。 今回のお仕事も王都には寄らないっぽいですし。


『じゃあアーチェさんも私たちの箒に……』

『……よっと! それじゃあ行きましょうか! ……? どうしたの〜?』

『…………いえ』


 箒に乗ってもらおうと手をさし伸ばした私ですが……アーチェさんが自分の箒ですいーっと私よりも上手に浮かんだのを見て、そっと手を戻しました。


『セシリア。 操縦変わって』

『……え? いやいや。 行きは私がやったんだから今回はアリスが……』

『やって!!』

『……!? わ……分かったよ』


 セシリアには悪いですが……私にだってなけなしのプライドがあるんです! 世界的にも有名な魔法大学で勉強をしていた……あ、今は卒業したんでした。 そう飛び級卒業したという誇りがね!

 ですからそう易々と恥をかくつもりはありません!


『ありがとうセシリア。 あと頼んでおいて勝手だけど……頼むからスピードは出しすぎないで』

『ふふっ。 了解したよ』

『それじゃあアーチェさん! 行きましょー!』


 大きな声を出すと共に元気を取り直した私。

 それ以来はセシリアの安全運転もあって終始安全運転で進んでいくのでした。


 ★★★★★


「ふぃー! おーいジーナ! 一旦休憩にしとこーぜ?」

「え? もう辞めちゃうの? まだ出来るわよ!」


 王都から近いとある集落にて一組の男女が微笑ましく農業に取り組んでいた。

 汗を拭いながら休憩をとることを提案した青年……カムラには一つの秘密があった。 それは……近くにいる自分の交際相手ジーナに黙って……一人のエルフとも関係を結んでいるということだった。

(ジーナには悪いが……あの子の料理はめちゃくちゃ美味かったからなぁ……)

 カムラが思い出すのは森の中での一時。 カタコトの人類の言語を使って必死に料理を振る舞ってくれた一人のエルフの美少女の姿であった。

(はぁ……また会いたいなぁ。 どうにかならないか……)


 はぁ……とため息を吐くカムラはこの時知らなかった。

 そのエルフの美少女……アーチェが自分の元に向かってきていることに。 そして……これからこののどかな雰囲気が修羅場へと変化してしまうことに。

今日の更新はこれでおしまいです!

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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