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校長さん……あなた子どもですか

「……随分とダイナミックな登場ねアリスさん」

「小さな頃からダイナミックが売りでしたので」

「……褒めてないわよ」


 存じておりますとも。 ちょっとばかしの仕返しです。

 小さく舌を出しておどけてみますが……睨みつけられたので素知らぬ顔をします。


「それはそうとして! 校長さん。 何か私たちに依頼があるんですよね?」

「えぇ。 それについてなんだけど……」

「その話の前に。 ひとつ待ってもらってもいいかな校長?」

「……?」


 それまで校長室に置かれたよく分からないトロフィーやら肖像やらを興味深げに眺めていたセシリアがおもむろに手を挙げました。

 ええと……どうしたんでしょうか?


「いやぁ……別に大したことではないさ。 ただ……どうして私たちが()()()()ことになっているんだい?」

「……え?」


 予想外の発言。

 私は慌てて背後の校長さんを振り返りました。

 いやいやまさかそんなはずが……。


「べっ……別に? そーんな訳ないもーん? ほ……本当だから!」

「「……」」


 校長さんのあまりの嘘ベタさに絶句する私とセシリア。

 口調変わってますし……。


「……それで? なんでそんな事を?」

「わっ……私は別に嘘なんか……」

「いや大丈夫だ。 もう弁明は必要ないから……」

「……くっ。 分かったわよ」


 観念したような表情を浮かべた後、ぽつりぽつりと話を始めた校長さん。


「ええとつまり……。 退学させた後に思いの外有名になってしまったから『飛び級卒業』という扱いに変えた、ということですか?」


 その話をまとめると……こんな感じになりました。


「……まぁ貴女達も人気者になれたわけだから大丈夫でしょう? それを悪いと思って今回は依頼したわけだし」

「セシリアが聞かなかったら答えなかったくせに?」

「うっ……うるさーい! あんまり騒ぐようなら……ボコすわよ!?」

「いやちょっと!? 落ち着いてください校長さん!?」


 いきなり杖を取り出して暴れだした校長さん。

 一目散に私はセシリアの背後へと逃げましたが……かつて名を馳せた実力者の魔法使いである校長さん相手はいつものようにはいかなさそうです。


「「お……落ち着いて!!!!」」


 暴れ散らかす校長さんを必死で宥める私とセシリアなのでした。

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