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第32話:落下した少女の最期は……。

 刑事ドラマなどでは、高所から落下した死体は頭から血を流した状態で描かれるが、それはあくまで便宜上であり、実際はそうではない。


 人間の身体は意外と壊れやすく、例えば、10階程度の高さから落ちれば、死体は落下と共にバラバラに砕け散るし、立ったまま落下すると、先に着陸した脚の骨が、内臓を貫いて死ぬという。


「大丈夫か……?(じゅん)()……?」


 いざという時のために備えて、おっぱい饅頭を食べていた籾時板(もみしだいた)が早く回復し、()()()()()()()()()()()()()()()()()肩を貸す。


「あ……、う……」


 純多の『『貧乳派』の救世主』としての能力は、手で触れた相手の能力を消し去ることができる|(&バストサイズを自由に下げられる)のだが、()()()()()()()()()()()()()()()

 触れた物体の質量や速度・威力を下げることもできなければ、威力を吸収する俎板(まないた)・盾・鉄板の生成、触れた物を何でも掘削するスコップの生成もできない。身体能力も上がらないので、本当に中肉中背の、ごく普通の男子高校生のスペックで戦うしかないのだ。


「どうする……?ポリンの亡骸、見るか……?ポリンの最期を……、看取ってやるのが、せめてもの手向(たむ)けだと思う……、けどな」


 地上では人が集まっているのか、喧噪が屋上まで聞こえてくる。


 混濁した意識がようやくはっきりしてきた純多は首を横に振ると、よろよろとベンチの一つに腰を降ろす。


「……無理もないな」


 籾時板も一緒になって隣に座る。


「あんなことされたら、誰だってトラウマになるさ。いろんな人間を看取ってきたオレでも、あれは応えるものがあったぜい」

「くそっ……、こんな終わり方しなくたって、いいのに……っ!!」


 薬の効果ではなく涙で歪む視界の中、開いた右手を見つめる。


「何が『救世主』だ?!何が伝説に語られる存在だ?!そんな大層な肩書きを持っていたって、目の前で困っている女の子一人救えないようじゃ、意味がないじゃないか?!俺の能力は、一体何のためにあるってんだよ!!」


 目の前にいた人間が突然、しかも、永遠にいなくなることが、こんなにも虚しいものなのか。

 鬼頭の言っていた、「生きることも仕事だ」という言葉の意味を、否応なく感じてしまう。


 少しの間二人が無言になると、


「一体何があった?!」


 委員会により放課後まで残っていた鬼頭(きとう)が、息を切らしながら校舎へと続く階段の扉を開ける。



☆★☆★☆



「そんなことがあったのか。だが、棟倉(むねくら)よ。君は一つ、重要な勘違いをしているぞ」


 腰まで伸びた長いポニーテールを揺らしながら、鬼頭は腕を組む。


「何が間違っているというんです?」


 鬼頭の能力により解毒したため、呂律(ろれつ)も回るし幻覚作用もない。隣に座る端整な顔立ちの女子高生を見つめながら、純多が疑問符を口にする。


 が、その後、鬼頭に返された言葉は衝撃的だった。


「ポリン、とか言ったか?()()()()()()()()()()()

「「…………は?」」


 これには、籾時板も純粋に驚いたようだ。狐に抓まれたような表情をしている。


「どういう……、ことだ……?」

「彼女はバラバラになってもいないし、死んでもいない。フェンスの前に立って、下を覗いてみろ」


 小走りで走ってフェンスの前で止まると、そこには、


「お、やっと気づいたな」

「まぁ、あの高さから落ちたら、死んだと思うのが普通よね。無理もないか」


「ポリン様LOVE♡」と書かれた横断幕を持った三人の男女が、こちらの様子に気づいて声を張り上げ、手を振っているところだった。


 一人は、特徴的な陣羽織を羽織った少女。

 一人は、イソギンチャクのように腰回りにサイリウムを突き刺した少年。

 そして、特徴的な鉢巻きを風に戦がせている少年。


 そこにいたのは、誰よりもポリンを愛し、ポリンを守ることに命を懸けることを誓った三人組だった。


「どうやったかは知らんが、彼らは君たちの会話の一部始終を聴いていたらしい。そして、彼女が落ちる地点を予測して、横に広げた横断幕を広げてクッション代わりとしたそうだ。……まぁ、落ちた当の本人は死んだと思っているのか、今は気を失っているがな」


 フェンスに背中を預けながら、鬼頭が地上で起こっていたあらましを説明する。


「こういうことがあると、不要物も時には役に立つものだな。風紀委員として取り締まりたいところだが、今回は見逃してやると共に、あの奇妙奇天烈な三人が持つ物品を許可してやろうかな?」

「じゃあ……、つまり……?」

「まだ実感が湧かないか?」


 スコップを手中で弄びながら、少女は口を開く。


「本人にとって救いか(あだ)かは分からないけど、彼女は生きている。落下時に誰かにぶつかって怪我をさせたようなこともなかったし、話したいことがあるならば、彼女が目覚めた後に、たっぷりと話すがいい」

 新年あけましておめでとうございます!そして、今年もよろしくお願いします!!


 折角なので、お正月関係の話を一つ。


 新年の初めに見る初夢ですが、実は、12月31日から1月1日の間に見たものとする説と、1月1日から1月2日の間に見たものとする説の、二種類の説があるとのこと。

 しかし、どちらを初夢とするのかは明確な定義がないため、自分にとって都合のいい方を初夢にすることができます。

 12月31日から1月1日の間に悪い夢を見ちゃったそこのアナタ。もう一回寝直しましょう!


 新年早々藤井にお年玉をくれる人は是非、感想・評価・応援・投げ銭を!!

 あと、ブックマークもお忘れずに!!

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