第四十三走「何事もなく、成功しました」
〇前回までのあらすじ
グルタを執拗に狙うごろつき達を捕えるため、捕縛作戦を決行したコニー。逃げスキルを巧みに活用してごろつき達を翻弄したコニーは、ごろつき達から武具を取り上げる事に成功する。途中、子供達が入り込む予想外の事態が起きるが、これも辛うじて事なきを得る。コニーのごろつき捕縛作戦も折り返しに入り、ごろつき達を追い詰めに入る。
ごろつき達に襲われそうになった子供達の安全を確保した僕は、教会の隅からごろつき達の様子を窺っていた。
「くそっ……何が起きやがった!? あの生意気な冒険者のガキはともかく、ちっこいガキ共まで消えやがって……!」
元冒険者のごろつきが怒号を上げながら、僕と子供達を探して教会前の植木を荒らし回っている。他のごろつき達もまだ近くにいると思っているらしく、近くの木陰や教会の外に目を通している。
「……」
このまま教会の外を探し続けてくれればいいけど、もし教会に入られたらグルタさんや子供達にも危害が及びかねない。グルタさん達を危険に晒す訳にはいかないと思った僕は、意を決して隠形を解除してごろつき達の前に姿を晒す。
「て、てめぇ……! また出やがったな!?」
「今まで一体何処に……ってか、あのガキ共は何処だ!?」
「さっきから消えたり出て来たり……いい加減にしろよ!」
僕が視界に入ると同時に、ごろつき達は間髪入れず僕へ向けて様々な罵倒を浴びせる。
「……」
さっきみたいな想定外の事態がまた起きるかもしれないし、ごろつき達の言葉に振り回される訳にはいかない。ここからは余計な会話はせず、集中力を切らさない様に捕縛作戦の事だけを考えよう。
「取り敢えず……そいつを返しやがれ!」
僕が抱えている武具を狙って、ごろつきが一人先陣を切って手を伸ばす。不意打ちのつもりだったみたいだけど、捻りのない直線的な動きだったので躱すのは簡単だった。
「チッ……てめぇ、何がしてぇんだ!?」
ひたすら逃げ回る僕に、ごろつき達も疑いを持ち始める。できればごろつき達には僕に集中していて欲しいんだけど、どうにかごろつき達の注意を引けないだろうか。
「あっ……!」
考え事をしながらごろつき達から逃げていると、うっかり手を滑らせて、ごろつきから盗った武具を一つ落としてしまう。
「ヘッ、バカが! やっと隙を見せたな!」
慌てて拾いに戻ろうとする僕より早く、ごろつきが落ちた武具を拾い上げてしまった。
「さぁ、残りの武具も返しやがれ!」
武具を一つ取り戻して勢いづいたのか、ごろつき達が息を揃えて一斉に襲い掛かる。
「わっと……!」
ごろつきが一人武具を手にした事で危険度が増し、先ほどよりも逃げる難易度が上がってしまった。それでもまだごろつき達は僕の動きに追いつけず、状況的にはあまり変わりはなかった。
「この……早く返しやがれ……!」
「くそっ、まだ逃げんのかよ……!」
「こいつ、いつまで逃げる気だ……!」
なおも諦めず追いすがるごろつき達だけど、教会に来た時より明らかに動きが鈍い。我を忘れて気がついてないけど、ごろつき達は僕との追いかけっこで相当消耗しているみたいだ。
「……帰還!」
僕は頃合いを見計らい、ごろつき達が一斉に飛び掛かる瞬間に合わせて、もう一度教会内に逃げ込んだ。これでごろつき達がまた僕を探し回ってくれれば、時間を稼ぎつつごろつき達の体力回復が臨めるはずだ。今のところはうまくごろつき達の注意を僕だけに向けさせて、ごろつき達を引き止められている。これをどれだけ続けられるかが、この作戦の中で一番重要で大変な所だ。
「コニーさん……! 今度はどうしました?」
「あっ……ち、ちょっとごろつき達から逃げて来てて……」
僕が教会内に戻ると、グルタさんは子供達と何かの遊びをしている最中だった。
「ねーねー、おねえさん。これでどぉ?」
「はいはい……あら、いいじゃないですか!」
「そう? やったぁ!」
子供の一人が見せつける様に掲げた白い塊を見て、グルタさんは少し大袈裟なくらいに褒める。何かを見せている子供の方も、こちらまで嬉しくなるくらいの笑顔を見せる。
「おねえさん、こっちもみて!」
「わたしのも!」
「はいはい、一人ずつお願いしますね」
子供達が各々個性的な形をした白い塊を握りしめ、競う様にグルタさんに自慢する。グルタさんは少し困った様子で子供達を宥めるけど、何処か嬉しそうにも見える。
「グルタさん、これは……?」
何をしているのかに気になった僕は、邪魔にならない様にグルタさんの後ろから小さく声を掛ける。
「蝋を使った工作です。匙で蝋を削ったり、飾りを蝋につけて、様々な飾り物を作ってもらっているんです。今は子供達の退屈凌ぎが一番の目的ですが、作ってもらった蝋の飾り物は、後に控えている教会での催し物に使わせてもらうつもりです」
「そうですか……」
子供達が手にしている飾り物を見ながら、僕はグルタさんの考えの深さに感服した。子供達の相手をするだけじゃなく、それを教会の仕事にまで活用する事まで考えてるなんて。
「あっ、さっきのおにぃちゃん!」
「っ……!?」
子供の一人が大声を上げて僕を指差し、子供達の注目が僕に集まる。さっき子供達を無理矢理連れて来てしまった事を思い出し、不用意に出てきてしまった事を後悔する。ようやく落ち着きを取り戻した子供達の前に僕がいたら、ここまでのグルタさんの努力が無駄になってしまう。
「ねぇねぇ、さっきのやつってなにー?」
どうしようかと思っていたら、子供の一人が近寄って来て裾を掴んで、顔を見上げて質問をしてきた。
「……えっ?」
怯えたり騒いだりするかと思っていたのに、予想とかけ離れた行動をする子供に、僕は何の事か分からず頭が追いつかなかった。
「あれだよ、ここにつれてきた……びゅんってするやつ!」
「いっしゅんでこわいひとがきえたの、どうやったの?」
釣られる様に他の子供達が話す内容を聞いて、脱兎が発動した時の帰還の事だと理解する。あの時の子供達は困惑していたけど、僕が思っていたほど怖いとは思わなかったのだろうか。
「あれ、ぎゅんってしておもしろかった!」
「あれが『ぎふと』ってやつなの?」
「ぼくたちにもできる?」
「ねぇ、もっかいやってみてよ!」
「え……えぇっと……」
あっという間に子供達に囲まれて逃げ場を失ってしまった僕は、四方から飛び交う質問や要望に困惑する。こんなに人に囲まれた事がなかった僕には、どうしたらいいのか分からなかった。
「ほら、お兄ちゃんが困ってるでしょ? お兄ちゃんはこれから、外にいる怖い人をやっつけるんだから、邪魔しちゃ駄目よ」
見かねたグルタさんが助け舟を出して、子供達を穏便に僕から引き離してくれた。でも僕はごろつきを倒す訳じゃないと言いたかったけど、子供達の前で言うとややこしくなりそうだったので口を噤んだ。
「……っ!」
子供達から解放された僕は、懐から感じた違和感に手を伸ばす。懐から取り出したそれは、淡い光を放ちながら微かに震えていた。
「コニーさん、それは……!」
僕が懐から取り出したものを見て、グルタさんも状況を察したみたいだ。これが光と振動を放つという事は、ごろつき捕縛作戦がいよいよ大詰めになった合図だ。
「……それじゃ、行って来ます!」
あともうひと踏ん張りの所まできて、僕は一際気合を入れてごろつき達のいる教会前へと走り出す。
「くそが! あのガキ、一体何が目的だ!? ちょろちょろ逃げ回りやがって! 今度姿を見せたら、ただじゃおかねぇぞ!」
木陰からごろつき達の様子を窺っていると、痺れを切らした元冒険者のごろつきが斧を振り上げていた。どうやら僕がいない間に、武具を一番実力のある元冒険者のごろつきに渡したみたいだ。
「……出やがったな……!」
隠形を解除して姿を見せると、元冒険者のごろつきは静かに募らせた怒りを露にする。その表情からは怒りよりも、底知れない恐怖を感じさせる薄気味悪さがあった。
「もう容赦しねぇ……。ここまで好き勝手やってくれたんだ……てめぇの身がどうなろうと、文句は言わねぇよな……?」
凄まじい圧力を掛けながら、元冒険者のごろつきはゆっくり構えると、強く踏み込んで僕との間合いを詰める。その動きは今までの怒りに任せる様な素振りどころか、油断も隙もない本気の踏み込みだった。
「らぁっ!」
「っ……!」
高らかな雄叫びと共に放たれた元冒険者のごろつきの渾身の一振りを、僕は紙一重の間合いで躱す。これまでにない殺意のこもった攻撃に、僕もすかさずごろつき達から距離を取る。
「てめぇらは横から仕掛けろ。間違っても、今度は逃がすなよ」
「あ、あぁ……」
「お、おう……」
元冒険者のごろつきが放つ気迫に、仲間であるはずのごろつき達も気圧されていた。それだけ圧倒的な実力者だというのが、戦う事すらできない僕にも伝わってくる。
「……さぁ、今度こそ逃がさねぇぞ」
再びゆっくりとした動きで斧を構えると、元冒険者のごろつきは他のごろつき達と共に僕へと襲い掛かった。
◇◇◇◇◇◇
あれからしばらく時間が経ち、どうにかごろつき達の猛攻を凌ぎ続けている。僕が持っている残りの武具を狙い続けているおかげで、随分時間稼ぎがうまくいってる。
「くそっ……いつまで逃げる気だ!」
いい加減うんざりといった様子で、元冒険者のごろつきが大声で叫ぶ。元冒険者のごろつきも本気なだけに、僕にかすり傷一つつけられない事に憤りを感じているのかもしれない。
「はぁ……ふぅ……」
ただ僕の方も、長い事武具を振り回すごろつき達から逃げ回っていたせいか、緊張感も相まって疲れが出始めた。流石に一度離脱して、休憩を入れないと厳しいだろうか。
「お前達、そこまでだ!」
しかしそんな膠着状態を打ち破る様に、遠くから頼もしい声が響いてきた。
「「「なっ……!?」」」
声に振り返ったごろつき達は、一様に驚きの表情を見せる。ごろつき達が驚くのも無理はない。そこには今までごろつきが避けてきた、兵団の人達が大挙して来ているのだから。
「どういう事だ!? 兵団が来るなんて、まだ連絡が……っ!」
元冒険者のごろつきが驚きのあまり、うっかり口を滑らせそうになる。兵団の動きを外から知らせてもらっている事は、誰にも知られない様に雇い主から言われているのだろう。
「教会からの通報は何度も受けて来たが……ついに尻尾を見せたな。今日こそは大人しく捕まってもらうぞ!」
今までずっと通報だけ受けて、ごろつき達の顔すら見られなかった兵団達は、ようやくごろつき達を捕まえられると奮起していた。
「ちょっ……や、やめろ!」
「くそぉ、ふざけんな……!」
兵団の人達の手によって、ごろつき達が次々を押さえられていく。兵団が犯罪者を捕えるのは初めて見るけど、やはり普段から鍛えられているだけあって手際がいい。
「チッ……こんな所で捕まるかよ!」
「ぐああぁぁっ!」
しかし元冒険者のごろつきだけは、兵団の人達を腕っぷしで退けている。やはりあのごろつきだけは、一筋縄ではいかなさそうだ。何かできないかと考えるけど、戦闘となってしまうと戦えない僕にはどうしようもなかった。
「全く……お前ら治安部隊がこんな様じゃ、今後のフロンの安全が心配になるぞ」
「が、ガイダール……!」
少し遅れて登場したガイダールさんに、元冒険者のごろつきは目に見えて動揺していた。一度完膚なきまでに倒されているから、元冒険者のごろつきでも恐怖するのは当然だった。
「本来なら治安部隊にやらせておくもんだが、元Cランク冒険者が相手じゃ分が悪いんでな。そういう事だから……さっさと捕まりな」
「ぶっ……!」
ガイダールさんは元冒険者のごろつきが抵抗の意思を見せるよりも早く、一瞬で距離を詰めて顔面を掴んで地面に叩きつけた。元冒険者のごろつきはそのままあっけなく、声を上げる間もなく気を失っていた。
「……ガイダールさん、ご協力有難うございました!」
元冒険者のごろつきにやられていた兵団の人が、感謝の気持ちを伝えようとガイダールさんの下に駆け寄る。ごろつき達の武具を全部奪っておければ、兵団の人達に苦労させる事も怪我を負わせる事もなかったんだけど、思ったより元気そうで少し安心した。
「それはいいが……こんな調子じゃ先が思いやられるぞ。今度うちで鍛えられる様に、上官に話通しておくか?」
「えっ!? えっと、その……け、検討させて頂きます……!」
おそらく全面的に厚意のつもりで話しているガイダールさんだけど、兵団の人は困りながらもその場はやんわりと誤魔化した。ガイダールさんの訓練の厳しさを知っているからこその反応だろうけど、周りの兵団の人達も話を聞いて表情を曇らせている。短期間ガイダールさんの下で訓練を受けていた僕が知っているくらいだから、フロンの兵団の間でもガイダールさんの訓練の厳しさは知られているみたいだ。
「ガイダールさん、助かりました! おかげで兵団の被害も少なく、ごろつき達を捕まえられました!」
「おう、コニー」
僕も感謝を伝えようと、ガイダールさんの下へ駆け寄る。あれだけ腕の立つごろつきを一撃で黙らせたというのに、ガイダールさんはあっさりとした態度でいる。
「しっかし、お前もうまくやったもんだな。今まで兵団に一度も顔を見せなかった連中を、どうやって引きずり出したんだか……」
「それはですね……単純な話なんですが、これのおかげなんです」
ガイダールさんが不思議そうにしているので、僕も作戦の種明かしをしようと、懐から今回の作戦で重要となった道具を取り出す。
「こいつは……?」
「な……何でお前がそれ持ってんだよ!?」
ガイダールさんが何か尋ねる前に、横から見ていたごろつきの一人が声を上げる。
「ほら、大人しくしろ!」
「ぐっ……!」
ごろつきを縛り上げていた兵団の人が、暴れるごろつきを地面に押さえつける。僕がこれを持っていた事に、余程驚いたみたいだ。
「何だ……?」
ごろつきの動揺っぷりに、ガイダールさんも何事かと顔をしかめる。
「えっと……これ、実はごろつきが持っていた通信魔石なんです。ごろつき達はこの通信魔石から来る信号で、兵団の動きを把握していたんです」
僕は改めて、手に持った通信魔石を掲げながら説明を始める。
「ごろつき達がこの魔石を頼りに兵団の動きを把握しているなら、この魔石をどうにかできないかと思ったのが、今回の作戦を考えるきっかけになったんです。もしごろつき達にこの魔石がなければ、兵団の人達に捕まえてもらえると思ったので……」
僕は作戦の説明を進めながら、また少しだけ情けない気持ちになる。どうやってごろつき達を捕まえるかと作戦を考えた時、結局僕一人の力ではごろつき達を捕まえられないという結論になって、その時も自分の非力さに情けなくなった事を思い出す。それでもグルタさんを助けたい一心で、最終的に兵団の人達にごろつき達を捕まえてもらう作戦になったんだ。
「それで通信魔石を無力化する方法を色々考えたんですけど、魔石そのものを奪う方法が一番確実だと思いました。でも魔石を奪われた事に気づかれたらいけないので、魔石と一緒に武具を奪って誤魔化す事にしました。ついでに武具を奪っておけば、ごろつき達の戦力も落ちて、兵団の人達の負担も減らせると思ったので……」
「そうか……色々と考えたな」
グルタさんと相談しながら一生懸命考えた作戦を聞いて、ガイダールさんは関心した様子で頷く。時間をかけて考えた作戦が評価されたみたいで、少し嬉しくなる。
「魔石と武具さえ奪えれば、後は兵団の人達が来るまでごろつき達を引き留めるだけなので、それからはひたすら時間を稼ぐために逃げ回りました。ごろつき達の武具は、僕には扱えないので邪魔になるだけだったんですが、少しでもごろつき達の気を引くために敢えて持ったまま逃げ回りました」
「そこでコニーの逃げスキルを活用した訳か。時間稼ぎに使うってのは、また面白い使い方だな」
「そ、そうですか……?」
ガイダールさんから意外な評価をされて、僕は何か作戦の立て方を間違えたかと反省しそうになる。でもガイダールさんが愉快そうに笑っているのを見ると、作戦の内容が悪かったとかじゃなさそうだ。
「そういえば……ガイダールさんはどうしてここに?」
作戦の内容をあらかた説明してから、ふとガイダールさんがいる事の違和感に気がついた。ガイダールさんは訓練とかの基地内での仕事が主で、領内の治安部隊とは違う所属のはずなのに、どうして治安部隊について来たんだろう。
「あぁ、そうだったな。お前がごろつき達を捕まえるって聞いたんで、ついでに話しておく事があってな」
「ついでに……って、一体何ですか?」
「ごろつき達について調べていた件で、外からの情報が入ったんだ。大した情報じなないが、伝えておいた方がいいかと思ってな」
「な、何か分かったんですか!?」
ガイダールさんから思いがけない話が飛び出して、ごろつき達から逃げ回っていた時の疲れや緊張が吹っ飛んだ。
「まぁ……詳しい事は、兵団基地で聞かせてやるよ」
「は、はいっ!」
ガイダールさんに話を後回しにされて、僕は自分が興奮気味だった事に気づいて逸る気持ちを抑える。もうごろつき達は捕まったんだから、ここで焦る必要はないんだ。
「コニーさん……!」
ガイダールさんと話していると、教会の中にいるはずのグルタさんが駆け寄って来ていた。
「グルタさん!? どうしてここに……!?」
「兵団の方々が教会内の安全確認で入って来て、外はもう安全と聞いたので出てきました。子供達も一度襲われかけましたから、念の為兵団の方々に保護してもらっています」
「そ、そうでしたか……」
教会から飛び出してどうしたのかと思ったけど、グルタさんも外の様子が気になっていたみたいだ。避難させた子供達も大丈夫そうだし、ひとまずごろつき達の件は無事に片付きそうだ。
「それで……何の話をしていたのですか? 先ほどコニーさんが、ただならない声を上げていましたが……」
「えっ!?」
グルタさんに叫び声を聞かれていた事に、僕はつい驚いてしまった。しかも思った以上に格好悪い声だったみたいで、恥ずかしさに汗が止まらなくなる。
「え、えっとですね……」
どうにか気を紛らわそうと、僕はガイダールさんから聞いた話をそのままグルタさんに話した。
「そうですか……。ガイダールさん、私もご一緒してよろしいですか?」
話を聞いて直ぐに同行を申し出るなんて、やはりグルタさんもごろつき達の事が気にかかるんだろう。
「ん? ……あぁ、あんたなら別に構わねぇよ」
ガイダールさんも当事者であるグルタさんなら、問題ないと判断したみたいだ。
「それじゃ、二人共ついて来い」
「「はい……!」」
一体どんな情報が聞けるのかと、僕とグルタさんは緊張の中、ガイダールさんに連れられ兵団基地へと向かった。
〇おまけ「兵団の各部隊とその役割」
兵団の職務は、武力による領内の治安維持が主であるが、その職務を全うするために様々な部隊や部門で構成されている。
・治安部隊:主に領内に常駐して、領内で発生する犯罪などに対応する部隊。
・防衛部隊:主に領内と外界の境界に常駐して、外界からの外敵に対応する部隊。
・遊撃部隊:決められた所属を持たず、状況に応じて臨機応変に治安維持に努める部隊。
・管理統制部門:上記の部隊を纏め上げ、兵団全体の管理や統制を行う。
ちなみに、ガイダールは上記の管理統制部門の所属で、兵団教育機関の教官の役職に就いている。




