馬を扱うための道具達「手入れ道具編」
◆馬を扱うための道具◆
お手入れ→体を洗ったりブラッシングしたりする行為のこと。
よく使う・必ず使う道具類を今回はご紹介。
・鉄爪
馬に関わる場合、必ず使用します。
馬の蹄の裏は、たとえばお椀を下に向けたような形状に近くて、地面を歩いたり砂場を歩いたり、あるいは馬房内でリラックスしている場合でも蹄の裏にゴミが詰まってしまいます。
そのゴミは土だったり、あるいは馬房に敷いているおが屑だったりしますが、これを掻き出すための道具がこれです。
かぎ爪状になっている鉄の爪ついた道具なので、詰まった泥汚れなどを水で流しながらこれを使って取り外し、多くの場合一緒についている小さなブラシで擦って綺麗にしてやるのです。
馬の蹄は長く手入れしていないと「腐って」しまうので、必ず運動後、1日1度程度は手入れを施してあげる必要があります。
この「腐る」というのは、蹄の裏がふやけて、湿った状態に長時間晒されたことによる悪臭を放ち、ぶよぶよになってしまう状態のことです。人間でいうと水虫などに近いでしょうか。地面に立って体重を支え、生活している以上、清潔に保つことは必須です。
不衛生なままでは、そのうち蹄が柔らかく、腐りきって足の骨が蹄を突き抜けて下がってきちゃうかも……?ちなみに上記に近い状態になる病気は存在します。怖いね。
・ゴムブラシ(プラスチックブラシ)
ゴム、あるいはプラスチックでできたブラシです。
馬の皮膚に対して円を描くように押しつけてぐるぐると使用していき、毛の下のフケや汚れを浮かします。
また、放牧の際に盛大にゴロンゴロンしてカッピカピにこびれついた泥汚れなんかをこれでくだいて落とします。
さらにほどよく硬くてマッサージ効果もあるので、凝りやすい首筋や肩などを強めにこれでブラッシングしてやると、気持ちよくなって馬のほうから体を押しつけて「もっともっと!」とせがむことも。
基本的には毛のブラシだけで取れない、毛の下の汚れを取る&マッサージのために使用するため、必ず仕上げブラシより先に使用します。
・根ブラシ
仕上げブラシよりも長く、そこそこ硬くて荒いブラシです。乾いた泥がついた状態や、砂だらけの状態をまず先にこれで軽く払ってやってから、上記のゴムブラシ→仕上げブラシと道具を変えて手入れをするのが基本です。
・毛ブラシ(仕上げブラシ)
一番柔らかいブラシです。そりゃ仕上げですもの。
根ブラシで砂をパパッと払って、ゴム・プラブラシで汚れを浮かせて、そして仕上げブラシで浮いた汚れを取り去り、ピカピカにする。だいたいのお手入れはそういう流れになります。
同じ毛ブラシでも柔らかさは様々なものがあり、夏の毛が薄い時期や、顔に使用する際にはより柔らかいものを使用します。
・金属のクシ(ブラシ)
たてがみや尻尾に使うクシやブラシです。
硬めのものならば人間が使うブラシでも十分効果は発揮したりします。
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・水ブラシ
水に湿らせてたてがみや尻尾に使用し、頑固なシミや汚れを落とす用のものです。正直そっちにはあまり使わず、シャワーで洗うときに全身をお湯で流しながらブラシして汚れを落とす際のほうが活躍します。
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・汗こき
全身を洗った際に、ビチャビチャになった馬の皮膚に当て、ぐっと軽く力を込めながら毛の流れに沿って滑らせることで水気を落とす道具です。
見た目はそのまんま鉄の輪っかみたいなもの。これでまず水気を落とさないと、タオルがすぐにビチャビチャになってしまいますからね。
・タオル
必須。
お湯で濡らして硬く絞ったタオルで顔を拭いたり、体を拭いたりする小タオル。それから全身を洗った際に水気を拭き取る大きなタオル。
特に全身を洗った際は早急に汗こきで水を落とし、大きなタオルで冷やしやすいお腹などを重点的に乾かします。
・蹄油
必須。
馬の蹄を洗ったあと、乾かしてから蹄に塗る油です。
マニキュアのようなもの……というよりも、ハンドクリームに近いかもしれません。常に汚れにさらされる地面につく蹄なので、保護・コーティングの目的で主に使います。
保湿効果もありますが、逆に蹄が湿りすぎないようにもします。夏は湿気もあるので塗らなくていいこともありますが、冬は必須です。
人間の指先と同様に、馬の蹄も乾燥しすぎるとひび割れてしまいます。人間でさえ痛いのに,常に地面についていなければならない蹄が割れたらどれだけ痛いか……なんとなく「痛いだろう」ってことは分かりますよね?
そのために、蹄に蹄油を塗ります。
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今回はここまで。
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次回は「馬の基本権利・馬への近づきかた」です。
馬に乗るための道具類はまた、騎乗についての記載のときに書かせていただきます。
やっぱり夜9時から10時くらいまでに更新。