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蹄鉄の役割・つける理由

 ◆蹄鉄ってなんでつけるの?◆


 自然界の馬は蹄鉄を必要としません。

 しかし、人間の手によって飼育されている馬は蹄鉄を必要とします。それはなぜか?


 生育環境と運動量がまったく違うからです。


 野良猫が爪切りを必要としないように、自然界で生きている動物は適度に歩いたり走ったりして爪が削れていきますが、家で飼われる猫は爪切りが必要となることでしょう。


 それと似たような理由で、馬は自然界で緩やかに削れていく蹄を、人間の管理下ではもっとたくさん運動し、蹄が削れていってしまうため、蹄が削れすぎないように人間が保護してあげる必要が出てくるのです。


 要するに、蹄が削れすぎないようにする保護の機能。


 また、もう一つの理由は人間のスニーカーで想像すると分かりやすいでしょう。


 スニーカーの靴底を想像してください。履き慣れた靴は、履いている人物の歩きかたの癖によって様々な削れかたをしていきますよね?


 内股の人だったり、外股で歩く人だったり、歩きかたの癖というのは千差万別です。


 それにより、長く履いた靴下の親指の部分ばっかり穴が空く人と、小指の部分ばっかり穴が空く人がいたりして、重心、足の力の込め具合が細かく違うことが分かります。


 馬もそれは一緒なのです。

 歩きかたに癖があり、運動によって削れる蹄の具合も変わります。削れかたが悪ければ、まっすぐに歩けませんし、どちらかに偏って歩いていってしまったり、調子が出なかったり、最悪爪が削れすぎて痛い!なんてことにもなってしまいます。


 これを防ぐためにあるのが、蹄鉄です。

 蹄鉄を馬につける「装蹄師(そうていし)」は、そんな馬の癖を把握して、蹄の底を丁寧に水平になるように削り、馬の蹄の大きさに合わせるように蹄鉄を熱して打ち、調整します。


 蹄は一ヶ月で約9ミリほど伸び、その伸びかた、形も馬によって異なります。


 一般的に、馬の蹄鉄は一ヶ月に一度外して蹄を削り、新たな蹄鉄をつけるというサイクルを繰り返します。


 馬の蹄にも、寝ている……「平たい」蹄と、おわんを下に向けて置いたときのように「立っている」ものがあります。


 これも馬の個性のひとつですが、蹄が平たく、寝ている馬は、ダイレクトに地面の振動が蹄に影響しやすいので、蹄を痛めやすいという特徴があります。


 頑丈な靴を履いているのと、薄いサンダルを履いているようなものです。薄いサンダルを履いて飛んで跳ねたりして運動したら足が痛くなりますよね? そういうことです。


 以上のように、蹄鉄というのは飼育されている馬にとって必要不可欠なもの。


 ファンタジー世界においては、この蹄鉄をどうするかも課題になることでしょう。


 自由気ままに旅をするにしても、蹄鉄を変えられる職人「装蹄師」を連れ歩くわけにもいきませんし、ある程度旅人に技術があったとしても、道具は必要になるでしょう。


 まあ、ファンタジーには便利な魔法がありますから、そのあたりのオリジナリティあふれる設定を作ってみるのも良いかもしれません。


 今回はここまでです。

 次回は、馬を扱う際の道具。それも、お手入れ道具についてのお話をしていきます。


 それでは、また明日の夜も会いましょう!

明日夜9時〜10時程度。

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