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馬の冬の過ごしかた②

 今回は馬の冬の過ごしかた②です!


 と言っても、前回のようにあんまり多くを語るわけではないんですよね。


 食べ物や、馬用のサプリメントを与えるような特別なことが満載の夏バテ対策とはちょっと違うのです。


 人間も夏は塩飴を舐めたりスポドリ飲んだりと対策が必要になりますが、冬はあったかいものを飲食して着込めばオッケーって感じですからね!


 冬には前回語ったように、馬には服を着せることになるのですが……毛が伸びたら『毛刈り』を行います。


 ……うん、冬で寒くなるのに、どうしてあったかくするために生えてきた毛を刈っちゃうの?って思いますよね。


 これにもちゃんと理屈があります。


【馬の毛刈り】


 夏にももちろん行うことがありますが、冬にも毛刈りを行います。


 Q.寒いのになぜ???

 A.寒いからです。


 これだけですとワケワカランって感じですよね!分かる!!


 じゃあこう言ってみればよく分かるでしょう。


 馬には運動が不可避です。


 そして、雨の日などでも小雨ならば運動が必要とみなされる場合もありますし、そもそも試合などに出る場合はやっぱり汗をかきます。


 冬に汗をかいたら?

 寒いね???


 馬。それも濡れた大きな体を冷やさずにあっためて、毛を乾かす手間って……どれだけかかると思います?


 つまりはそういうことですね。


 ①毛が長くなると濡れたときなかなか乾かず、乾くまでに確実にお腹が冷える。

 ②乾かすのにヒーターなどの道具を用いる場合、費用がめちゃくちゃかかるうえに時間もかかる。


 そして、人間や犬猫と同じように毛が長いとお手入れも大変です。


 ここで三つ目。


 ③お湯で洗わずにブラッシングと濡れタオルで拭くだけのお手入れをすると、どうしても毛の中のフケをなかなか取り除けない。


 →要するに、洗う以外の選択肢で清潔に保つのが難しくなってくる。


 毛が長いと、洗えたとしても長い毛皮の下。内側まで綺麗になっているかどうかはまた別です。


 犬猫もそうですが、動物の毛皮。特に冬毛はだいたい二段構造になっています。長い毛と、その間を埋めるようにあって皮膚を守る短い産毛です。


 洗えない寒さ。

 洗えたとしても本当に産毛の中の皮膚まで洗えているかどうかは分かりにくい。


 洗えていたとしても、皮膚のところまでお湯を浸透させてちゃんと洗えるまでに時間がかかる。すなわち体が濡れている時間が長くなる。


 費用と手間がかかるくせに、その手間をかけてちゃんと清潔に保てるかというと疑問が残るような結果になりがちです。


 毛が長いとシャンプーをした際、泡が全部落ちきっていないとかえって皮膚にダメージが行きますし毛が長くていいことは「カッコいい・カワイイ」という見た目の好き嫌いくらいしかありません。


 たてがみが長い馬は美しくカッコいいですが、髪が長いということは手入れも大変ということになりまして……。


 手入れが中途半端になると馬が「かゆーーーい!!」と壁などに首をゴリゴリ押しつけて頑張って掻こうとしてしまうようなことになります。


 これでたてがみがぶちぶち千切れたら、せっかく美しいたてがみを整えていても本末転倒になります。


 ファンタジーなどで主人公が馬に対して長いたてがみにこだわっているとするならきっと裏で、しっかりと「自分で」お手入れして、「自分で」馬のかゆみなどのケアをして、めっちゃ手間をかけて可愛がっているということになるのでしょう。


 この辺、「自分の飯は五分で簡単に作るだけだけど、こいつの手入れには二時間くらいかけてるよ」みたいにたったの一文で済ませられる描写として採用できます。


 主人公が細かくペット枠の馬を愛するような人ならば、優しいよ!!ってところだけを強調するのではなく、そういった「ちゃんと世話をしている描写」を入れると良いでしょう。


 たった一文を追加するだけでしっかりとした「リアリティ」を描写できるなら、たとえ読み飛ばされようとこだわってみると良いでしょう。


 さて、この毛刈りですが……バリカンでやります。


 苦手な馬もいますが、わりと平気な馬もいるので物語で描写する際には、二時間くらい立ったままで……。


 馬「まだ終わんないのー?」みたいな視線を向ける。

 主「もうちょっと待って!」と焦る。


 みたいな場面がリアルであります。


 羊の毛刈りと同じような感じですが、馬は立ったまま、背中の鞍を乗せる部分以外をなるべく刈っていきます。


 顔もできる子なら、ゆっくりと丁寧にやってあげると良いでしょう。


 たまに毛質がくるくるした天然パーマ気味の子がいて、そういう子はバリカンの歯が噛みやすく刈りにくいので、剛毛状態の足の部分などは刈らず、体と首の部分だけ刈るという選択肢も生まれます。


 鞍を乗せる部分を残すのは、単純に鞍ズレを起こして怪我をするのを防ぐためです。


 足の毛を残す場合も同様ですが、毛が残っていると、その分その場所は守られやすいのです。足の毛が残っていれば、転んだときも毛が擦れてなくなるだけで、その中身まで怪我をすることは減ります。あえて毛を残して刈るのも選択肢のひとつです。


 本日はここまで!


 次回は、いよいよ馬に乗るための道具。鞍や頭絡、ハミについて画像をまじえつつお話しようと思います!


 今後ともよろしく!!

父が入院したりなんだりあったので今週は更新お休みです。

次の更新は16か17日。

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