馬の冬の過ごしかた①
今回は馬の冬の過ごしかた①です!
【馬と冬】
馬は基本的に暑いほうが苦手なので、夏のほうがバテやすい傾向があります。
けれども、冬は冬でお腹を壊す『疝痛』の可能性が出てくるため、こちらも厄介!
冬には、普通の乗馬クラブでは馬に服を着せます。
馬着、もしくは馬衣と呼ばれるものです。
上から被して各所の金具で留め、冬の寒さを防ぐ防寒着ですね。
馬の胸の前を金具で留め、尻尾を紐で通し、お腹の下でクロスするように緩いベルトをつけます。
これらの目的はもちろん防寒ですが、これとともにもうひとつ。
寒ければ毛が伸びてきます。もっふもふです。
でもこれ、乗馬クラブ的にはよくないことなんです。
どうしてか?
夏の間はお湯や水で全身を洗ってあげることができますが、冬はほとんどできません。
馬は放牧すれば砂場でゴロゴロとローリングと呼ばれる行為をします。放牧はストレス発散のために、適度に必要なのでかかせません。
でも、これを毛の長い状態でやったら?
毛の中に砂が入り込んで、ブラシをするだけでは取りきれません。フケだって溜まります。だって生き物だもの。
毛が長ければ長いほどこれらの問題が発生します。
冬場は寒いし、毛が長ければそれだけ乾くまで時間がかかるし、ホットガンなどの大型暖房器具を当ててかわす場合でも燃料をめっちゃ食いますし、そもそも洗ってる最中が寒い。馬も人間も寒い。死んじゃう。
人を乗せて仕事をする以上、冬場でも汗をかくこともあるでしょう。じゃあその汗を寒空で乾かすとなったら、毛が長いとやっぱり長い間寒さにさらされます。
毛が長くなることにはこれだけのデメリットがあるのです。
故に、寒くなってくると私達は馬に服を着せます。
まず人間で言うTシャツや布の服レベルの薄めのものを『薄馬衣』と呼びます。
さらに寒くなったら、同じ薄馬衣でも、フリースのあたたかいものに入れ替えます。
さらにさらに寒くなったら、中綿が少しだけ入った『中間馬着』を。
さらにさらにさらに寒くなって真冬になったらもっこもこの『厚馬衣』を。
もーーーっと寒いなら『薄馬衣の上に厚馬衣』(上の画像)を着せたり、厚馬衣を着せるにしては寒さが微妙だなあと悩むときは『薄馬衣と中間馬着の組み合わせ』(下の画像)にするなど、いろいろとコーデするのです。
最近では人間のコートにありそうな可愛らしい馬着も多く存在するので、冬場に乗馬クラブに行くといろんな服を着ている馬が見られて楽しいと思います。
今回はここまで。
次は冬のお話を続けてPart2。
毛が伸びてきちゃったら?
→バリカンで毛を刈りますってお話です。