表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/18

馬の冬の過ごしかた①

 今回は馬の冬の過ごしかた①です!


【馬と冬】


 馬は基本的に暑いほうが苦手なので、夏のほうがバテやすい傾向があります。


 けれども、冬は冬でお腹を壊す『疝痛(せんつう)』の可能性が出てくるため、こちらも厄介!


 冬には、普通の乗馬クラブでは馬に服を着せます。


 馬着(ばちゃく)、もしくは馬衣(ばい)と呼ばれるものです。


 上から被して各所の金具で留め、冬の寒さを防ぐ防寒着ですね。

 馬の胸の前を金具で留め、尻尾を紐で通し、お腹の下でクロスするように緩いベルトをつけます。


 これらの目的はもちろん防寒ですが、これとともにもうひとつ。


 寒ければ毛が伸びてきます。もっふもふです。

 でもこれ、乗馬クラブ的にはよくないことなんです。


 どうしてか?


 夏の間はお湯や水で全身を洗ってあげることができますが、冬はほとんどできません。


 馬は放牧すれば砂場でゴロゴロとローリングと呼ばれる行為をします。放牧はストレス発散のために、適度に必要なのでかかせません。


 でも、これを毛の長い状態でやったら?


 毛の中に砂が入り込んで、ブラシをするだけでは取りきれません。フケだって溜まります。だって生き物だもの。


 毛が長ければ長いほどこれらの問題が発生します。


 冬場は寒いし、毛が長ければそれだけ乾くまで時間がかかるし、ホットガンなどの大型暖房器具を当ててかわす場合でも燃料をめっちゃ食いますし、そもそも洗ってる最中が寒い。馬も人間も寒い。死んじゃう。


 人を乗せて仕事をする以上、冬場でも汗をかくこともあるでしょう。じゃあその汗を寒空で乾かすとなったら、毛が長いとやっぱり長い間寒さにさらされます。


 毛が長くなることにはこれだけのデメリットがあるのです。


 故に、寒くなってくると私達は馬に服を着せます。


 まず人間で言うTシャツや布の服レベルの薄めのものを『薄馬衣(うすばい)』と呼びます。


挿絵(By みてみん)


 さらに寒くなったら、同じ薄馬衣(うすばい)でも、フリースのあたたかいものに入れ替えます。


 さらにさらに寒くなったら、中綿が少しだけ入った『中間馬着(ちゅうかんばちゃく)』を。


挿絵(By みてみん)


 さらにさらにさらに寒くなって真冬になったらもっこもこの『厚馬衣(あつばい)』を。


挿絵(By みてみん)


 もーーーっと寒いなら『薄馬衣の上に厚馬衣』(上の画像)を着せたり、厚馬衣を着せるにしては寒さが微妙だなあと悩むときは『薄馬衣と中間馬着の組み合わせ』(下の画像)にするなど、いろいろとコーデするのです。


挿絵(By みてみん)


 最近では人間のコートにありそうな可愛らしい馬着も多く存在するので、冬場に乗馬クラブに行くといろんな服を着ている馬が見られて楽しいと思います。


挿絵(By みてみん)


 今回はここまで。

 次は冬のお話を続けてPart2。


 毛が伸びてきちゃったら?

 →バリカンで毛を刈りますってお話です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  馬を自作でも書いているので、こういう作品があって、助かりました。ありがとうございます。  昔から馬が好きなのですが、さらに馬を深く知れて良かったです。これからも応援しています。
2021/10/30 16:21 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ