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馬の食べるもの・食べられないもの・嗜好品

【馬の食事】


 なにを与えるかはクラブやトレセンなどの場所によって異なりますが、馬が草食であることは忘れてはならないことです。


 そして以前解説した通りに、馬の胃はとても小さいため、一度に多くの食事を与えるよりも、少しずついつでも食べられるようにしておくか、より栄養の濃い穀物などの『濃厚飼料(のうこうしりょう)』と、草を乾かした乾草などの『粗飼料(そしりょう)』を使い分けて与えることが重要になります。


 ・粗飼料

 馬の飼料のうち、繊維が多くかさのあるものを粗飼料と呼びます。要するに草です。


 新鮮な牧草、乾草、またはサイレージやヘイキューブという草を固めたものなどが分類されます。


 細かい名称は調べれば出るのでそちらで。

 ファンタジーで出したい場合は「なんとかグラス」みたいな名前にしておけばとりあえず雰囲気はバッチリになるはずです。


 なお、馬は新鮮な草を食べるとき、若芽などの柔らかい草を好みます。イネ科の乾草も多いですが、個人的な所感で言うとマメ科の植物を利用した栄養の濃い乾草のほうが馬の好感は高い気がしていますね。クローバーとか結構好みます。


 濃厚飼料については多いので次回で。


 給餌の原則


 ・飼料のあげる量を変えたり、新しい銘柄に変える際には少しずつ変えていくこと。


 →消化器系の順応が目的。いきなり変えるとお腹痛くなったりするよ。


 ・運動量を増やすからといった理由で給餌を増やすのではなく、体重が減ったときに給餌を増やします。


 ・上記で記したとおりに、馬の給餌は濃厚飼料と粗飼料の組み合わせを一日に何度か与えるか、一日の大半をなんらかの食事ができるように少しずつ与えていくのが一番です。


 ただし、濃厚と粗飼料を同時に与えているとお腹の弱い子の疝痛の恐れが出てきます。


 濃厚は濃厚で、粗飼料は粗飼料で細かく時間を分けて与えておくと、かなり安定して疝痛(腹痛)が減ることでしょう。


 ・体積ではなく、重さで給餌をすること。

 →特に乾草は見た目が多くても重量が軽い場合があるので、しっかり重量で計り、与えなければなりません。


 ・給餌直後に運動はしないこと。

 →馬は運動中に筋肉へ血がより多く巡るようになっています。それはすなわち、消化器系にまわす分が減少しているということですので、給餌直後に運動をすると下手したら不完全な消化を引き起こし、疝痛に繋がりかねません。一時間くらいは間を空けたほうが良いでしょう。


 ・栄養要求量や計算

 →次回の②で!


【馬が食べられないもの】


 キャベツ

 ほうれん草

 ブロッコリー

 カリフラワー

 ケール

 ネギ類

 たまねぎ

 ナス

 チョコレート

 チーズ

 パン


 など。


 また、一番簡単に言うとこうです。

 アブラナ科はNG。


 なぜなら、アブラナ科をたくさん食べると腸内にガスがめちゃくちゃ溜まりやすくなるからです。

 馬にもヤギにも、草食動物は基本体内にガスが黙ってしまうのはヤバいのです。


 キャベツがダメっていうのは結構意外なところがありますよね。


 今度は逆に、【馬にあげても良いもの】


 ニンジン

 りんご

 バナナ

 スイカ

 メロン

 えんどう豆

 さつまいも

 ぶどう

 桃

 柑橘類

 パイナップル

 いちご

 ベリー系

 梨

 マンゴー

 ペパーミント


 など。


 特に馬は甘いものを好むのでバナナとかめっちゃ好きです。


 あとは、運動後のご褒美などに「氷砂糖」「角砂糖」など甘いもの。黒飴などの甘いものなどをあげると喜びます。


 運動後に即ご褒美を与え、ぬるま湯(お腹を冷やさないためにぬるま湯が安定)を与えるなどするのが良い。


 飲み物は粉でアクエリアスやポカリなどを溶かして与えると、とっても食いつきが良い。特に夏は馬もバテるのでアクエリを混ぜてあげるお客さんなども結構いたりします。


 あとは、海外の映画などでアイスキャンディーをあげている描写などもあったりしますね。


 私も、お客さんから差し入れでスイカや梨などをもらったときは、半分ほど食べて種をとってから馬にあげるということをしています。特にスイカは、馬が皮まで美味しく食べてくれるので果肉を多めに残してあげて一緒に食べますね。


 他の夏バテ対策についても次回かなぁ。


 上記の砂糖やニンジン、リンゴなどの好物も競走馬時代はもらったことがなかったりすることもあるので、引退した子を引き取ってすぐなどは、最初与えようとしても警戒して食べてもらえないこともまあまああります。


 そういうときは、根気よく何度も与えるチャレンジしてみるか、人間のほうが目の前で食べてみせたりして警戒心をといてあげる必要があったり。


 今回はこれまで。

 次回は栄養摂取量や、夏バテ対策などの私的な豆知識を書くと思います。

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