馬のふれあいかた・気持ちいいポイント
◆馬の触れ合いかた◆
馬の視界は広いですが、その分、真正面は視界が交差していてかえって見づらい部分となります。
真正面からは近づかず、斜め前方から声をかけつつ近づくようにしましょう。
馬の視野や感覚器官についてはこの次の講座で書きます。
さて、近づく際の歩みは一定でゆっくりとです。
視野の端で走る姿などがあると、慣れていない通常の馬はびっくりして飛び上がったり、逃げようとしてしまいます。
また、馬房にいる馬の場合、外から見える窓の部分などにお尻を向けているようなら、「今はプライベートの時間なので話しかけんといて」という意味なので名前を呼んでもガン無視することがあります。
人間は馬のプライベート空間にもときには立ち入ることができるので、怒らず馬の気持ちを尊重してあげましょう。
仕事のときに「こっち来んな」しているときは、入り口で何度か呼びかけて、馬を曳いて歩くための首輪のようなもの……無口を持って大回りして近づきます。
なお、否応なく外に出なければならないとき、馬は呼びかけに振り向いてしばらくこちらをじっと見つめて「え、行かなきゃだめ?」みたいな顔もします。
そして「はよこい」と催促して来ることもあれば、いったん見つめあってから馬はこちらのことを見なかったことにして視線を逸らすなどの行動をとることもあります。
やる気の出ない馬には、氷砂糖をチラつかせるなどしておやつで釣るのも手でしょう。
馬に近づくときはゆっくり、斜め前から、声をかけつつです。
触れ合いになったら、まず馬の鼻の下に手を差し出して匂いを嗅がせます。そこからゆっくりと頬や額を撫でましょう。
また、馬の「気持ちいい」ポイントは耳の付け根、たてがみの付け根辺り、くび、背中の一番高い「き甲」付近、口角のあたり腰の辺りなどです。
あったかい濡れタオルで顔を拭かれると、馬はほわ〜っとした顔で目をつむり、とても気持ちよさそうな仕草をします。特に耳の付け根は汗が溜まりやすく、自分でなかなか搔けない部分なのでタオルで拭くと「もっともっと」と押し付けてこようとするほど喜びます。
ただし、これは人に手入れされることを慣れている馬の反応ということはお忘れなく。
馬が「気持ちいい!」と思っているとき、その唇がふるふると震えて、くびが前方にぐいーーーーんと伸びていきます。前方に伸びる場合と縦にキリンのように伸びる場合、どちらもあります。
リラックスしているときは大きなあくびもしますし、はーーーーたまんねーーーー!と思っているときは唇を震わせ首を伸ばし、ぷるぷる震え、さらにブラシなどが触れているところに体を押しつけてどんどこ体重を寄せてきたりします。
Twitterでも書きましたが、こんな状態です。
私「はっはっはっここが気持ちいいのか? 体は正直だなーーー!」
馬「そこそこそこもっともっと! たまらないの! しゅきしゅきしゅきー!!」
私「ぐえーーーーーーーー!!(馬体と壁の間にサンドされながら)」
……うん、加減は気をつけましょう。
次。
たてがみの付け根は、蒸れるのでマッサージするように揉んでやるととても喜びます。夏でもないとしょっちゅう洗ってあげられませんからね。痒くなりやすいので気持ちいいポイントです。
気持ち良すぎて、カラスにたてがみついばまれて抜かれても気にしない馬がたまにいます。ちゃんと抵抗してくれお前試合があるんやぞ。たてがみ編めなくなるでしょーが。
次。
くび。どこでもだいたい気持ちいい。ただ撫でられるより、ちょっと叩いたり、揉んだりするとより気持ちいい。褒めるときはだいたい首をたたきます。これを「愛撫」と言います。
運動が終了したときなど、レッスンしてくれていたスタッフが「はい、終わり。愛撫」などと言って終わることが多めです。
き甲。これはのちのち画像で説明します。馬同士でグルーミングしあうときなどはここをかみかみしてます。
腰の辺り。
自分でなかなか掻けないので実は結構気持ちいいポイント。手入れの延長でマッサージするようにぐりぐりブラシでやってあげると喜びます。腰の場合もわりと押しつけてきたり……。
今回はここまで。次回は馬の感覚器官について。
また、今度からは日曜日の週一更新とします。