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キリエ「むぅ……」
チヨ「何難しそうな顔をしているの？ 似合わないよ？」
キリエ「顔に似合うもなにもないでしょ」
チヨ「普段頭のねじが弛んでいそうなアンタがそんな真面目な顔をしているのがねー」
キリエ「アタシの印象ってどんな？」
チヨ「不真面目、不良、口悪い、ギャル」
キリエ「……」
チヨ「あとエロい容姿をしているのに、見た目に反してうぶ」
キリエ「……ＯＫ、大体分かった」
チヨ「……ちょっと、何溜息をついているのよ。なんかあった？」
キリエ「実はさー」
チヨ「なるほど。告白されて振ったけど、相手がしつこく言ってきて断り続けたら態度が急変したと」
キリエ「……うん」
チヨ「それで結構な暴言を吐かれた、それで落ち込んでいると？」
キリエ「……」
チヨ「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
キリエ「なにそのくっそ重い溜息？ 私が悪いの？」
チヨ「うん」
キリエ「！？ チヨもそういうのね……」
チヨ「それは相手が悪い、付き合いたいと言った相手に断られ続けただけで罵詈雑言なんて本当は好きじゃなかっただけよ。あんた見た目は可愛くてエロいから多分身体か地位目当てよ」
キリエ「身体……っ」
チヨ「あんたがそういう話題に免疫がないのは知っているけど、少しは免疫をつけなさいよ」
キリエ「だ、だって……その……うぅ」
チヨ「ほら、顔を真っ赤にしない。そういう対応で勘違いする奴が出るのよ。それに良かったじゃない、付き合う前に相手のこと知れて」
キリエ「どういうこと？」
チヨ「その程度で怒るんだったら付き合っているときに何か問題が起きたら付き合う前よりも面倒よ。付き合っていたら彼女なんだからとかなんやら言われて言いくるめられていたかもしれないし」
キリエ「そう言われても…、チヨはそういう話題平気そうだよね」
チヨ「自分じゃなかったらね」
キリエ「自分だったら？」
チヨ「そんな体験ないから分からないね～」
キリエ「告白されたことは？」
チヨ「ないけど」
キリエ「いいなぁ……羨ましい」
チヨ「告白されている人って大変そうだよね。それも中途半端に可愛いと」
キリエ「なんかいつにも増して口悪くない？」
チヨ「あんたがそんなだと気持ち悪くて蕁麻疹が出るわ」
キリエ「ヒドぉい！」
チヨ「でもよかったじゃない」
キリエ「蕁麻疹が出ることが？」
チヨ「なわけねーだろハゲ」
キリエ「自己紹介？」
チヨ「私髪の毛あるでしょ？ 大丈夫？ 眼科行く？」
キリエ「はぁ？」
チヨ「お？」
キリエ「……ふふ」
チヨ「何笑ってんのよ、きっしょ」
キリエ「いや、ううん、ふふ。そうね。チヨはそうだよね」
チヨ「はぁ～？ 意味分からないんですけど～？」
キリエ「私話しているのは日本語だよ？ 大丈夫？ 絵本で読み聞かせてあげようか？」
チヨ「あ？」
キリエ「ん？」
チヨ「表に出ろやぁ」
キリエ「ここ表よ？ ついにそこまでねじが飛んだのね……可哀そうに」
チヨ「あらあら、もう寝ぼけているのね。まだお昼でちゅよぉ～？」
キリエ「腹減った、なんか食べたいな」
チヨ「肉？魚？」
キリエ「なんかがっつり食べたい気分だよ。焼肉？」
チヨ「お金ないよ」
キリエ「しゃあーねーな。食い逃げするか」
チヨ「おい」
キリエ「はい」
チヨ「……ファミレスにでも行こうか」
キリエ「よっしゃぁ！ 行くぞぉぉ！」
チヨ「あんたはそれでいいのよ」
キリエ「ん？ なんか言った？」
チヨ「何も？」
キリエ「そう？」
チヨ「そうです」
キリエ「じゃあ行こうか」
チヨ「はいはい」
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