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ダンジョンマスターの日記  作者: 如月瑠宮
アンラッキーマスター
5/9

ダンジョンマスターはお頭が足りない

【閑話・エルフの王妃の手記】

 娘を強く叱ってしまった事を後悔している。甘やかしてしまっていた娘は人族に対しての警戒心が薄かった。だから、人族と関わりたいと言い出し、それに反対した私達は娘を叱った。今までにない強い言葉での叱りに娘は反発してエルフの国から抜け出した。幸いな事に友好国で冒険者を始めたから動向は知れた。だが、ある依頼を受けた娘は死んだ。死んだと判断された。ダンジョンに殺されたと言う。

 私はもう生きていく気力が無い。申し訳ありません、陛下・・・私はあの子の許に・・・逝きます。


【星暦203年4月18日】【4】

 落とし穴に落ちていった仲間を見送る形になった残りの2人はその場から離れて少し歩くとお香みたいなのを焚いて身を寄せ合っている。あれなんだろう?モンスター除け的なやつ?でも、ファントムシャドウに異変は無い。とりあえず、様子見で。

 エルフを倒したリザルトをした。

《玉城 若葉 ワカバ・タマキ

 種族 ダンジョンマスターLv22→Lv23

 HP 340/340→350/350

 MP 5000/13500→5500/14000

 称号 星夜の大魔道

 スキル 鑑定 MP自動回復Lv7 回復魔法Lv2 製薬Lv1》

 やっぱりレベルの上がりはよくないけど、仕方ないよね。DPは8000で中々の高額。スキルは強いけどレベルが低めだったからだろうか。敵のお値段の決まり方がさっぱり分からない。

 そして、大収穫。弓術、風魔法、回復魔法のスキルオーブを手に入れた。風魔法は私、回復魔法はコマンダーに使う。弓術は使えそうなモンスターがいない・・・エルフが高そうな弓を持っていたからスキルがあれば結構戦えそうなんだけど。弓術は保留。

《玉城 若葉 ワカバ・タマキ

 種族 ダンジョンマスターLv23

 HP 350/350

 MP 5500/14000

 称号 星夜の大魔道

 スキル 鑑定 MP自動回復Lv7 回復魔法Lv2 製薬Lv1 風魔法Lv1》

 寂しかったスキルが増えてきた。風魔法の試し撃ちをしてみたいな。残りの2人を使う事にする。

 私やモンスター達だけじゃ少し不安だから新しいモンスターを作る。

《屍鬼化/対象選択 ユリア→80000DP エリザベス→19000DP》

 ユリアなんて無理だよ。彼女は敵の目の前で真っ二つになっているから、囮にもなりゃしない。貯まったらしてもいいよね。

《屍鬼化/エリザベス 19000DP》

 致命傷の首は治して他は残しておく。その方がなんとか罠から脱出したみたいに見える。屍鬼になった事で少し弱体している。でも、記憶は引き継いでいるから残りの2人が鑑定を持っていないのは確認出来た。

《エリザベス

 種族 屍鬼エルフLv19/Lock

 HP ---/300

 MP ---/750

 称号 エルフの姫君 屍鬼化

 スキル 弓術Lv9 風魔法Lv13 回復魔法Lv5 古の魔術Lv2》

 Lockはもうレベルが上がらないって事だと思う。HPとMPが無いのは死んでたからかな?屍鬼は浄化しない限り完全に死なないから便利。聖職者が相手の時は使えないけど。魔法とかを使わせるにはMPを回復してやらないといけないけど、今回は使わない予定だ。

 エリザベスにはキーラを捕まえて貰わないと。ハーレム野郎が不快だったから最後にして苦痛を長引かせたいとかそういうのじゃない、うん。


【閑話・幼馴染の独白】

 わたしの幼馴染のマイクは冒険者になった。彼は少しお調子者で女好きだけど、悪い奴では無い。だから、こんな知らせは嘘なんだって思いたかった。

《死亡通知》

 小母さんから見せて貰ったギルドからの手紙にはそう書いているらしい。読み書きが出来ないわたしには分からなかったけど、読める小母さんの号泣は辺りに響いた。

 誰か・・・嘘だって、言ってよ。


【星暦203年4月18日】【5】

 アント達に道を作って貰ってエリザベスを2人の近くへと向かわせる。エリザベスは演技が上手かった。主演女優賞を贈ってあげたい。騙されてくれた2人はあっさりと捕まった。これで試し撃ちが出来る。ダンジョンマスターっぽく演出してみたいけどそんな余裕は無い。

 モンスター達に抑えて貰って、私はキーラに風魔法を放った。人一人を飲み込む竜巻がキーラを切り刻んだ。レベルが低くても抵抗出来なければダメージは大きい。全身傷だらけになったキーラは小さな声で助けを求めている。ハーレム野郎は震えるだけだ。可哀想に。私の魔法の威力じゃ時間がかかり過ぎるからエリザベスに後はおまかせ。

 死んだキーラを見るハーレム野郎はこの世の終わりみたいな顔だった。まぁ、実際に彼にとっては終わりだったんだけど。

 エリザベスにハーレム野郎の身体を刻んで貰う。少しずつ切っていく処刑方法があったからそれを参考にしてみた。この刻んだ部分、薬にするとか書いてあったけどハーレム野郎の身体なんて気持ち悪くて薬どころじゃないね。

 あ、漏らした・・・汚いから切り落としてね。

 ハーレム野郎が死んだ頃には外は真っ暗。疲れたけど、寝る前にリザルトする。

《玉城 若葉 ワカバ・タマキ

 種族 ダンジョンマスターLv23→Lv26

 HP 350/350→380/380

 MP 5450/14000→6950/15500

 称号 星夜の大魔道 無慈悲の主人

 スキル 鑑定 MP自動回復Lv8 回復魔法Lv2 製薬Lv1 風魔法Lv2》

 なんか称号が増えてるけど、嬉しくない文字だなぁ。効果は敵に対しての威圧がメインで味方の士気が上がるか・・・良い事なんだろうけど、無慈悲かぁ・・・スキルも魔法系は上がりやすくて嬉しい。製薬が全然上がらないのは生産系の才能は無いって事か?エリザベス、製薬覚えられるかな。試したけど無理だった。屍鬼は新たにスキルを覚えられない。屍鬼にするのも考えなきゃいけない。

 次はDP。キーラは結構高かったけどハーレム野郎は残念な感じ。もしかして、DPってレベルもスキルも関係無かったりするのかな?ランダムって事は無いだろうけど、結構不規則な部分がある気がする。気付いてない要素もあるんだろうけど。

 そして、スキルオーブ。火魔法と水魔法、剣術、魅惑。結構な収穫だけど魅惑・・・ゲームの魅了魔法とかの類だね。使えない気がする。引きこもりに近い生活してるのに誰を魅惑すれば良いんだろうね。魅惑は置いておくとして、魔法は私かな。でも、種類が多いと経験値が分割されてしまう。攻撃に使える魔法は既に風魔法があるから・・・火魔法が良いかな。水魔法は保留。剣術は・・・使える子居ないような・・・剣を使える腕のあるモンスターに進化するか、DPを使うか。選択に困った時はもう保留にするしかない。

 他には剣とか杖とか色々な武器。杖は私の装備にして、剣は使えそうに無いから保留。いざという時の護身用に持っていたのだろうキーラの短剣は私が護身用として持っておこう。キーラからの収穫が結構嬉しい物ばっかりだなぁ。今はいらない物の方が珍しいからあるなら取っておくのがいいと思う。

 今日は疲れた。でも、慣れていかなきゃ。これからもっと大変になっていく。ダンジョンマスターとして生きていくってそういう事だから。寂しいけど。


【星暦203年4月19日】

 そろそろ新しい階層を作りたい。嬉しい事にDPは結構ある。まぁ、大きな事をしちゃうと直ぐに無くなっちゃうんだけど。昨日の戦闘で結構作り替えた部分がいっぱいだけどその修復も昼までには終わりそう。モンスター達が不眠不休で働いてるんだけどね。

 新しい階層はヘビ達が暮らしやすいようにしようかな。水場を好むヘビとかも導入してダンジョンとしての幅を広げたい。油とかも面白そうだけど、油が量を買うと結構なお値段なんだよね。色々試していきたいけど、まずは第2階層を完成させなきゃね。

 とりあえず、モンスターを増やそう。

《ファントムシャドウ 200DP》

《ビーバット×4 400DP》

《スモールポイズンスネーク×2 500DP》

 あと、マザーアント増やしたいなぁ・・・モンスター達の居場所は別に塞いだりしても問題は無いし、人が通れないような道にしても良いかもしれない。マザーアント用の新しい部屋を用意して第2階層は完成にしよう。出来たらマザーアントを増やして、第3階層に着手する。敵が来なけりゃ明日には完成してる筈のマザーアント部屋を待ちながらゆったり過ごす事にする。ゆっくり出来るって良いな。

 でも、近い内に強い敵が送り込まれると思う。それまでだなぁ・・・


【星暦203年4月20日】

 偵察に出しているビーバットからは異常は見られない。まだ少しは大丈夫かな?第2階層は大部分が完成した。マザーアントを増やして第3階層に取り掛かろう。

《マザーアント 20000DP》

《階層追加 100DP》

 第3階層への入り口は少し意地悪かも。第2階層の中盤辺りにある人一人が通れる位の落とし穴。ダンジョンだから階層の入り口は結構自由だ。ちょっと大変だけど転移魔法とかを使っても良い。まぁ、魔法を止めた時点で息苦しいだろうけど。

 どんな感じにするかはまだ決めてないから今日はここまでにしておこう。少しずつ拡張して次の敵に備えなきゃ。


【閑話・討伐依頼】

《討伐依頼》

 新たなダンジョンと思わしい洞窟内のモンスター群の調査及び討伐。仮に難易度Aとする。


【星暦203年4月21日】

 第3階層はヘビ達をメインにしようと思うけど、ヘビ達だけでは作るのは少し難しい。アント達に手伝わせたいけどヘビ達の通り道はアントじゃ作れない事が分かった。アント達は入り組んだ大きな道を作るのは得意だけど細長い道を作るのは苦手らしい。結局細長い道はヘビ、大きめの道はアントで作っていく事にしたけど時間が掛かりそうなんだよね。

 他にする事を考えながらモンスター達の様子を観察する。ダンジョンの機能で手伝ってあげたい所だけど、大変だろうヘビ達の担当の細い道は機能では綺麗に作れないみたいだ。残念。

 小さめのアントとか居ないのだろうか。サイズ的にはベビー達がジャストサイズなんだけど、赤ちゃんに手伝わせるのは無理がある。

 考えるだけで夜になってしまった。頭が良くなりたい。


【星暦203年4月22日】

 頭が良くなりたい頭が良くなりたい頭が良くなりたい頭が良くなりたい頭が良くなりたい頭が良くなりたい頭が良くなりたい・・・分かっているけど、延々と愚痴りたくなる。きっと、私は元々頭が良くないんだろう。でも、それじゃ生きていけなくなる。ダンジョンマスターは生き残るのは難しい。

 第3階層の拡張を見守りつつ、ユリアの屍鬼化を目標にしようかな。80000DPは一気にDP貧乏になっちゃうからもっと貯めないといけない。強い敵を仲間に出来るのは良いが、費用は掛かるから慎重に選ばないとなぁ。

 モンスターの追加は・・・様子見かな。


【星暦203年4月23日】

 偵察のビーバットを遠出させる事にした。余りにも周辺の事を知らな過ぎる。本当に近くの村までなら平気だけど、離れるとどうなるかも分からないし、ちょっと実験しようと思う。ダンジョンマスターとしての知識はあるけど、具体的な数値は分からないのが多い。まぁ、レベルとかで違いがあるかもしれないけど。

《ビーバット 100DP》

 今は遠出させるビーバットを追加するだけで良いかな。なるべく支出は抑えたい。

 出来る限り遠くまでビーバットに飛んでもらう。これで少しは情報が増えると期待している。ここの評価が分かる所までは無理だろうか。


【星暦203年4月24日】

 ちょっと困っている。

《新たなダンジョンと思わしい洞窟内のモンスター群の調査及び討伐。仮に難易度Aとする》

 なんて書かれている紙には我がダンジョンだと思われる所に印がついた地図が描かれている。難易度Aってどのくらいの戦力が来るんだろう・・・多分、そこまで強くないダンジョンなんだと思うけど運良くユリアみたいなのを倒せちゃったからか。それとも、あのハーレム野郎とかハーレム構成員が有力株だったのか。

 分からないけど、運が無い。ユリアをビギナーズラックしちゃった代償か?悩む日が続くのだけは分かる。悲しい。

続きも考えてありますが、ここで区切りとして一先ず完結にします。

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