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ダンジョンマスターの日記  作者: 如月瑠宮
アンラッキーマスター
4/9

ダンジョンマスターは戦力が欲しい

【星暦203年4月15日】

 村人が13人来た。石ゴーレムに任せてみたら簡単に分断されて死んでいった。冒険者じゃないとダンジョンで戦うのは厳しいんだと思う。準備とか連携とか素人だもんね。でも、DPは数が多かったから結構来た。効率は悪いけどコツコツ貯めていかなきゃ貧しくなってしまう。

 それにしても、第2階層は大分掘り進んだ。第1階層で一応巡回していたアントが蛇が増えたから拡張に参加したおかげである。石ゴーレムにも手伝わせているから速度はほんとに速い。

 村の様子はなんて言うか・・・お葬式?みたいな感じ。当たり前だし、原因は私なんだけどね。

 今日はどのモンスターを増やすべきか・・・

《スモールポイズンスネーク 250DP》

《ファントムシャドウ 200DP》

 明日、スケルトンメーカー導入しようかな。スケルトンメーカー用の部屋もアント達は用意してくれていたし、強い人が来る様子が無いならそうしよう。


【星暦203年4月16日】

 スケルトンメーカーは寝る前に導入しようと思っているから、何も無いと良いなって思ってる。ビーバットをもう1体くらい増やしておけば良かった。でも、離れすぎるとどうなるか分からないし・・・

 順調に育っている薬草でポーションを作ろう。軟膏の時に買った壺が3つ余っているから入れ物はこれで良いかな。基本的に軽い怪我は軟膏、急いでたり重傷にはポーションを使っていこうと思ってる。入れ物増やした方が良いよね・・・

 スキルを使ってポーションを作る。結果は・・・下級ポーション。もしかして、生産系の才能無いのかな。製薬のレベルが上がればそういうのも分かるのかな?手探り状態過ぎるけど仕方ない。

 その後、敵が来る様子も無く夜を迎えた。スケルトンメーカーの導入だ。

《スケルトンメーカー 15000DP》

 今までの敵の死体を投入していく。投入も石ゴーレムがやってくれているから私は楽である。スケルトンはどうやら石ゴーレムよりも時間がかかるらしい。


【星暦203年4月17日】

 起きたらスケルトンが1体出来ていた。遅い・・・まぁ、死体もそんなに数がある訳じゃないから今は良いかもしれない。

 周辺の様子を窺っていると依頼に向かった人が4人を引き連れて戻って来た。前の三人組より強そう。

《キーラ

 種族 人族Lv27

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 鑑定に失敗しました

 称号 鑑定に失敗しました

 スキル 鑑定に失敗しました》

《マイク

 種族 人族Lv25

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 鑑定に失敗しました

 称号 鑑定に失敗しました

 スキル 鑑定に失敗しました》

《エリザベス

 種族 エルフLv19

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 鑑定に失敗しました

 称号 エルフの姫君

 スキル 鑑定に失敗しました》

《ユリア

 種族 猫人族Lv15

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 鑑定に失敗しました

 称号 鑑定に失敗しました

 スキル 鑑定に失敗しました

 状態異常 奴隷》

 最後のなんだろう・・・他の3人と違って死んだ目してるし、本当に奴隷なのかな。でも、村人なんかよりも強いのは確実だ。しかし、このパーティー・・・マイクってやつ以外女性でしかも美人揃いなんだけど。ハーレム野郎って呼ぼう。

 4人は今日は村に滞在して明日からここを探索する予定らしい。慎重だね。まだダンジョンだと決まった訳じゃないからみたいだけど。

 戦力は増やさないと・・・

《ファントムシャドウ 200DP》

《ポイズンバット 250DP》

《スモールポイズンスネーク 250DP》

《ブラックサーペント 200DP》

 鑑定はほぼほぼ失敗してるから増やすモンスターを決めるのが難しい。今後の事も考えないといけないからDPはいくらあっても足りない。ハーレム野郎のくせに。

 スキルオーブは期待出来るかもしれない。レベルを上げていくのにスキルは必要になっていく。4人組は今までで一番のレベルなのだ。ハーレム野郎ではあるけど。


【星暦203年4月18日】【1】

 吞気にご飯を食べる四人組を見つつ、私もご飯を済ませる。今日は一つの区切りになるかもしれない。もしかしたら、日記も今日で終わる可能性だってある。それはそうとこの日記、ダンジョンの機能で思考入力してるんだよね。だから、書こうと思った時に直ぐに書けて便利。私は日記にしてるけど、他のダンジョンマスターがどう使っているかまでは知らないけど、メモとして優秀な機能だと思う。

 戦力・・・鑑定が成功してくれてたら揃えられるのもあるんだろうな。あと、思考を補助するようなスキルとかないかなぁ。誰か持ってたら嬉しい。

 もう一度鑑定してみたけど、結果は同じだった。何度やっても同じなのか、成功した所は必ず成功するのか、どっちだろ?

 そして、食後の運動とばかりにダンジョンへとやって来た。様子を見ているとハーレム野郎がデレデレしてて不快だった。ハーレムアニメの主人公気取りか。ぶっ殺すぞ。


【閑話・奴隷ユリアの堕ちた経緯】

《彼女は優秀な冒険者だった。しかし、仲間を助ける為に深手を負い、その治療費を払う事が出来なかった。仲間は彼女を裏切る。負債を払う為に彼女は奴隷商に売られたのである。高レベルだった彼女には呪いの腕輪を装着し、レベルを下げた上でギルドでの運用が決まった。5ヶ月前の事である。そのユリアは昨日、新しく出現したダンジョンと思われる場所へと向かった。彼女の冒険者への復帰も近いのかもしれない。

 以上はとあるギルド職員の弁である》

 そう書かれた新聞の存在をダンジョンマスターは知らない。


【星暦203年4月18日】【2】

 ダンジョンに来た侵入者は奴隷の女性を先頭に進んでいる。なんて言うか、奴隷が一番の手練れみたいな動きをしてるんだよね。創作物でよく見るレベル下げる道具でも使ってるのかなって思うくらいだ。

 今の所、こっちの被害はソルジャーアントが5体負傷・・・全部が奴隷による被害である。私が回復魔法を使いに行くのは厳しいから、ヒーラーが居なかったらポーションだけでなんとかしなきゃいけなかったんだよね。それでも、奴隷をなんとかしないと被害が出続けるし、負けるかもしれない。負けるのはダメだ。

 どうしよう・・・なんとか出来そうなのはコマンダーとアサシン。でも、失敗したらもう手が無い。日記を読み返しても現状を打破してくれる方法なんてどこにも無い。そもそも、失敗したら負け確定なんだ。やるしかない。

 コマンダーとアサシンに指示を出す。もしかしたら、あっちの最大戦力かもしれない奴隷を殺す為に。やる事は単純。今まで通りにアント達で敵を倒そうとしているように見せてアサシンが奴隷を殺しやすい状況に持っていく。細かな方法は特性を知っているコマンダーが決める。敵の状況は私が教えられるから現場はコマンダーに全て任せる。残念ながら戦略は私には無理なんだよね。

 コマンダーは本当に戦略が上手い。じりじりと相手を削っていく。そして、最後の瞬間は来た。

 奴隷の悲鳴が上がって、彼女はアサシンに胴体を噛み切られそうになっている。その様子を3人は見ているだけ。呆然としてる。この反応から考えても奴隷が一番強かったんだろうな。奴隷はアサシンによって上半身と下半身に分けられて死んだ。死の直前に何かが割れる音がして一気に奴隷のレベルが上がったのはビックリした。

 3人が正気に返る前にアント達は退却。代わりにファントムシャドウを3人にプレゼント。モンスターの気配に気付かずに3人は先に進んだ。次の標的を罠に嵌める為にアント達は大忙し。その間に私はリザルト。

《玉城 若葉 ワカバ・タマキ

 種族 ダンジョンマスターLv8→Lv22

 HP 200/200→340/340

 MP 3000/6500→10000/13500

 称号 星夜の大魔道

 スキル 鑑定 MP自動回復Lv7 回復魔法Lv2 製薬Lv1》

 1人だけでそんなに上がるとは思わなかったけど、嬉しい誤算ってやつかな。MP増えたからDPに変えておこう。ある程度は残しておかなきゃいけないけど、これは本当に嬉しい。

 奴隷のDPはなんと20000である。今まで苦労して稼いできたDPを覆す数なんだけど・・・あの時の割れる音の正体は調べた結果、レベルを下げる呪いの腕輪っていうアイテムだった。奴隷の本当のレベルは80だったからそれが分かれば納得。レベルがそのままDPに反映される訳じゃないんだろうけど、強い敵から取れるDPは基本的に高い。

 残念ながら、スキルオーブは無かった。荷物も持ってなかった。悲しい。


【閑話・キーラの独白】

 ユリアさんが死にました。奴隷であっても私達の中で一番強い存在が、です。私達はどうなるのでしょう。ここがダンジョンである事は確かです。そして、ここは・・・悪夢です。3人の中で一番レベルが高いのは私ですが、エリザベスはスキルや称号の関係もあって同等の強さを持っています。私達に差は殆どありません。私達は帰れるのでしょうか・・・?


【星暦203年4月18日】【3】

《キーラ

 種族 人族Lv27

 HP 鑑定に失敗しました

 MP ---/500

 称号 なし

 スキル 鑑定に失敗しました》

《マイク

 種族 人族Lv25

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 鑑定に失敗しました

 称号 なし

 スキル 剣術Lv6 鑑定に失敗しました》

《エリザベス

 種族 エルフLv19

 HP 280/300

 MP 400/750

 称号 エルフの姫君

 スキル 弓術Lv11 風魔法Lv15 回復魔法Lv7 古の魔術Lv2》

 鑑定してみたら成功箇所が増えている。やっぱりレベル差で失敗してるんだろうな。総MPが分かったけど残量が分からないのも失敗してるんだろうけど、それよりも古の魔術ってなんだろう・・・イニシエだよ、イニシエ。次の標的はエルフだし、スキルオーブ期待しよう。

 今回も罠は単純。落とし穴を作って貰ってそこに誘い込む。DP使わなくても落とし穴とかならアント達が作れる。場所も誘い込み方もコマンダーが決めたんだけどね・・・本当に優秀な子で手放せないね。私はファントムシャドウに指示して敵の動きを邪魔したりするだけ。それだけでエルフが落とし穴にボッシュート。ちょっとマヌケな顔が面白かった。多分、冷静さが無くなってるんだ。

 落とし穴の先にはヘビ達が首を長くして待っている。ヘビって絞め付ける力強いよね。それがモンスターなんだから力も上がっている。冷静な判断が出来ない上に落ちた衝撃に呻いていたエルフは無抵抗でヘビ達に絞め殺された。首が一周しちゃったから違うのかもしれないけど、なんていう殺され方なのか知らないから絞め殺しで。

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