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ダンジョンマスターの日記  作者: 如月瑠宮
アンラッキーマスター
2/9

ダンジョンマスターはDPが足りないと嘆く

【星暦203年4月6日】

 とうとうマザーアントに手が届く。ただし、DPは一気に減る。でも、躊躇していられない。

《マザーアント 20000DP》

 マザーアントは卵を日に3~5個産む。卵は3日で孵化してベビーアントになる。ベビーアントは10日で成長してソルジャーアントか別のアントへと進化する。勿論、ソルジャーアントだって進化するんだけど・・・今の所、私のモンスターは一切進化していない。

 マザーアントが最初に産んだのは4個の卵だった。3日後が楽しみ。

 ビーバットに周辺の偵察に行かせたけど誰か来る気配は無かった。


【星暦203年4月7日】

 起きたらソルジャーアントがマザーアントの部屋から卵を新しく作った小部屋に移動させてた。指示してないけど働きアリらしく本能でそういう行動をするんだと思う。卵やベビーアントの世話の為に1体はその小部屋に残るみたいだし、ソルジャーを増やさないと・・・

《ソルジャーアント×3 600DP》

 少し多めに増やしてみたけど、ソルジャー達も作業に慣れたからか大分効率的に拡張が進んでる。ダンジョンの機能で作った場合の1階層分の深さ(高さ)の限界値までは掘り進んでる。出来れば3階層分まで深くしたい。上下左右に複雑に入り組んだ迷路は厄介だから。一応、道を変えたりする時の事を考えて正解の道順は複数ある。完全に塞ぐと息苦しくて辛くなるみたいで出来ないんだよね。

 今日も侵入者は無かった。村の人が来てくれるのが一番楽だと思うんだけど、強い人に頼みに行ってたらヤダな・・・


【星暦203年4月8日】

 ソルジャーアントが進化してた。進化してたのは最初のソルジャーでコマンダーアントになっている。名前の通り他のアント達を率いて戦う上位種。調べるともっと上位の進化先がある滅多に進化しない種らしい。これは得をした。きっと、他のアント達に指示しながら拡張してたのが効いてるんだと思う。元々リーダーシップがあるタイプだったのも良かった。

 進化でソルジャーが1体減ったけど全体数に変化は無いし、総合的に良い方へ向かってる。これである程度は戦っていけるんじゃないかな。

 あ、マスタールームの場所を変えておこう。アント達にお願いして作って貰った横穴の先に移動する。同じ階層だとDPは消費しないみたい。この横穴は複数の道が入り組んだ先にあってアント達が侵入者が近付いたら穴を塞いでいく事になってる。穴を塞いでも複数の道があるから息苦しくないって仕組み。侵入者が離れたら穴を戻しても良いしね。

 今日はどの子を追加しよう・・・

《ファントムシャドウ 200DP》

《ポイズンバット 250DP》

 侵入者が来るまでにゴーレムメーカーは間に合わないのを前提にやっていこう。ビーバットを村の近くに行かせる。一応警戒しておく。


【星暦203年4月9日】

 卵が孵化した。4体のベビーアントがソルジャーアントに纏わりついている。ソルジャーに懐くように本能で決まっているらしいけど、これってマザーに食べられる可能性があるからなんだよね・・・必ず1体は残るようにするって話だけど、そんな事されたら困る。貴重な戦力が産まれなくなってしまう。

 モンスターの生態とかの詳細は召喚してからじゃないと完全には分からないのはちょっと痛いなぁ。

 小部屋には幾つもの卵があるからベビーはまた新しい部屋に引越しだ。動き回るベビーの傍に卵があるのは少し不安だからね。でも、お世話役のソルジャーが足りない気がする。

《ソルジャーアント 200DP》

 侵入者が来るまでに周辺の探索をしたいと思う。ちょっと怖いけど自分の足で行ってみる。村娘がこの辺に来た理由も気になるし。

 数十分後、私はその理由を知った。薬草がある。鑑定の結果を見るとこの薬草があれば高級ポーションまでなら作れるらしい。作れるのは、次の通り。

《下級軟膏》《上級軟膏》

 簡単に作れる。痛みの軽減、傷口の保護が目的で回復は早くならない。ちょっと指を切ってしまった程度の傷に最適。

《下級ポーション》《中級ポーション》《上級ポーション》《高級ポーション》

 生産にはスキルが必要。飲むか振りかけるかして使用する。傷が塞がったり、HPやMPが回復する。ゲームとかで見るような代物はこっち。

 スキルか・・・軟膏は潰して練るだけで出来るから薬草は採取していこう。確か畑とかも機能で作れる筈だから株で採っていく。結構重い。どうしようか考えてたらソルジャーが来てくれた。護衛として来てくれていた子が居たみたい。実は初めて間近で見るけど・・・これが敵として近くに居たらヤダな。薬草は無事にマスタールームに運ばれた。

《ルーム追加 100DP》

《畑化 50DP》

 マスタールームの隣に畑ルームを作る。今から軟膏を作る分は取っておいて、残りは畑に植えた。

 軟膏を作ってみる。下級軟膏が出来たみたいだけど、入れ物は自分で用意しないといけないか。

《小さな壺10個セット 10DP》

 軟膏よりもポーションが良いけど下級ポーションでも200DPなのだ。中級は600DP、上級は4000DP、高級はなんと20000DP。こんなの買えない。スキルを手に入れるにしても、長い時間をかけて軟膏を作り続けるか、スキルオーブや魔導書が必要でどっちにしても結構なお値段。オーブは使い切りだけど必ず習得出来る、魔導書は繰り返し使えるけど習得に時間がかかったり相性が悪くて習得出来なかったりする。

 流石の星夜の大魔道様も生産系には無力だ。頑張ってコツコツと作るしかないかな・・・それか、どこかから強奪するか侵入者を倒すとたまに回収出来るオーブに期待するか。とにかく時間はかかりそうだなぁ。


【星暦203年4月10日】【前】

 偵察している村に冒険者風の三人組が来た。正確には帰って来たらしい。どうやら、あの村は財政的に結構厳しいらしく、冒険者ギルド(ゲームみたいに本当にあった)に依頼する事さえ出来なかったようだ。で、元々帰省予定だった村出身の冒険者に頼む事にしていたと・・・つまり、今日中には侵入者が来る。初めての敵。

 ビーバットが傍に居るから鑑定を使えた。

《レイモン

 種族 人族Lv15

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 鑑定に失敗しました

 称号 鑑定に失敗しました

 スキル 鑑定に失敗しました》

《アラン

 種族 人族Lv13

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 鑑定に失敗しました

 称号 鑑定に失敗しました

 スキル 鑑定に失敗しました》

《マリア

 種族 人族Lv9

 HP 鑑定に失敗しました

 MP 110/110

 称号 なし

 スキル 火魔法Lv鑑定に失敗しました 回復魔法Lv鑑定に失敗しました 鑑定に失敗しました》

 使えたは良いけど、鑑定に失敗しましただらけ・・・実際の距離があるから?でも、配下の目はマスターである私の目と同じ扱いだ。これはダンジョンマスターとか関係なく使役するスキルがあるなら誰でも出来る。鑑定がないと鑑定は出来ないけど。

 なら、レベル?私のレベルは1だ。でも、相手は9~15。レベル差があり過ぎって事かな。一番レベルの低い相手には少し成功してるし。

 でも、どうするかは決まっている。絶対に防衛。

《ソルジャーアント×3 600DP》

 気休めかもしれないけど、戦力は補強した。三人組がどれだけこのダンジョンを探索するかは分からない。ただの洞窟だと思ってくれたらそれで良いけど・・・無理だったら戦わないといけない。そうなったら必ず倒す。でなければ、私が危ない。

 ・・・侵入者を伺いながらアント達に指示を出す。三人組はここをダンジョンだと疑って、もう何時間も探索を続けている。このまま大人しく帰す気はなくなった。彼らを逃がさない為に道を変える。

 袋小路に追い詰められた敵はいきなり目の前に現れたアント達にパニック状態だった。きっと、彼らは冒険者として駆け出し程度の実力だったのだろう。アント達に頭を噛み砕かれたのがこのダンジョン初の侵入者の末路だ。こちらの被害はソルジャー1体が負傷、パニック状態の女が放った魔法の流れ弾を食らって死んじゃったビーバット1体。1体だけでも死んでしまったのが悔しい。もっと上手く指示を出していれば死ななかったかもしれない。そう考えてしまう。

 感傷に浸っている暇はない。考えを切り替える。

 侵入者を倒したのだ。ダンジョンマスターとしてのお仕事をしたのである。早速リザルトしなくては。

 まずは私のステータス。

《玉城 若葉 ワカバ・タマキ

 種族 ダンジョンマスターLv1→Lv8

 HP 130/130→200/200

 MP 3000/3000→3500/6500

 称号 星夜の大魔道

 スキル 鑑定 MP自動回復Lv3》

 レベル差がある相手を倒したからなのか思ったよりも上がった。MPはDPに変換しておこう。MPといえば自動回復だけど、寝る前には10回復するようになったから今度から変換しようかな。これでも些細な差しかないんだけどね。

 そして、敵を倒した事で得られるDPは低い順に1600、1700、1900だった。ちなみに一番レベルが低い女は1700だったからレベル=DPではないんだと思う。称号とかスキルも関係してるのかな。

 ちょっと疲れてきたから休憩しよ・・・

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