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女神の紋章は万能です!

港街で意外な漁獲方法を目にして驚いたシオン達だったが、セレスさんに御礼を言ってから街の外に出ていった。


「いやー驚いたね!」

「うん、あれなら漁船要らなくない?」


少し興奮気味に話していた。街の郊外に出ると次は海岸沿いにある大規模農園に向かった。


「ねぇシオン?農園に来てどうするの?」

「ふっふっふっ………ここは海に近いせいで塩害の被害が酷いでしょう?」

「塩害ってなに?」


リリアは5歳!知らなくて当然である!


「うんとね、塩害って言うのは潮風に乗って雨などに海水が混じって塩が畑の土に混じると作物が育ち難くなってしまうの。場合によっては枯れたりする事なの」

「シオンは物知りなの!でもどうするの?」


シオンは女神の紋章が見えないように黒い手袋をしている。リリアに右手を見せた。


コソッ

「女神様の加護で大地を活性化出来ないかなっと思ってね♪」


「おおっ♪そんな事ができるの!?」


できるかどうかはやってみないとわからないけどね。シオンは農園にたどり着くと辺りを見渡した。農園には多くの獣人達が精を出して働いていた。


「おや?シオンお嬢様じゃないですか。お待ちしてましたよ!」


ここの農園の責任者である虎の獣人であるガオウさんが出迎えてくれた。


「ガオウさん、今日は作物が良く育つ様に、大地を活性化させようと思うの」

「魔王様から好きにさせるように言われております。ただ、ここの作物は魔大陸に住む多くの者達の食糧だという事を忘れないで頂きたい」


ガオウさんには、いくら魔王(父さん)の命令でも、仲間を飢えさせない為の責任があるのだ。


「はい!わかっています!」


シオンは手袋を外して地面に手を置いた。


「なんとなく、できる気がするんだよね」


理屈じゃなく感覚でわかるのだ。女神の力をどう使えばいいのかを………


シオンは目を瞑り静かに手に魔力を込めて、地面に流した。


どれほどそうしていただろうか。シオンを呼ぶ声が聞こえてきて目を開けた。


「シオン!!!!」

「………うん?」


リリアがシオンを揺らしながら大声で呼んでいた。


「リリア?どうしたの?」


状況が飲み込めず尋ねた。


「目の前を見てなの!!!」


リリアに言われて先ほどの農園をみてみると、明らかに、緑の数が増えていた。いや、正確には規則正しく植えてあった作物が収まり切れずに、軽いジャングルのようになっており、所狭しに作物が成っていた。


「あれ?」


なんか思っていたのと違っていて困惑するシオンにガオウさんが両手を取って誉め称えた。


「まさかここまでとは!?素晴らしいですシオンお嬢様!あなたは魔大陸の救世主となるべき御方だ!!!!」


もの凄く喜んでくれた。そして、この現象を起こしたのがシオンだと周囲の獣人達にもバレて胴上げされた。


「うぎゃぁぁぁぁぁああああ!!!!!高い!?高い!??」

「高い!高いのぅ♪」


何故かリリアも胴上げされて喜んでいた。



「これで食糧不足で、魔大陸に呼べなかった同胞をもっと人間の大陸から呼べます!本当にありがとうございます!」


無作為に難民を受け入れていたら、色々と物資不足になり国が廻らなくなるので、考えながら酷い扱いをされている同胞を保護していたのだ。


こうしてシオンの実績と知名が少しずつ魔大陸に広がっていくのだった。







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