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魔王の決断

一晩考えた魔王バアルは、配下の者達を城へ集める事にした。まぁ、配下の者と言っても完全な部下ではなく、協力関係のある魔族など呼び集めたのだった。


「皆の者、よく集まってくれた」


魔王バアルは、まずは集まってくれた事への感謝を述べた。


「フフフッ、子供が産まれたのじゃろう?フレイアは無事かのぅ?」


そう言ったのは真祖の血脈のヴァンパイアであり、フレイアの親戚にあたるヴァルド家当主『リリス・ヴァルド』であった。


「うむ、母子ともに無事だ」

「そうか、それはよかったのぅ♪」


何百歳なのに20代の若さを保つヴァンパイアは妖艶に笑った。


「おいおい、魔王様よ?まさか子供の自慢の為に俺達を集めた訳ではないよな?」


口を挟んできたのは獅子の頭をした獣人であり、魔王軍の将軍を務める強者レオンであった。


「ふははは、そう言うなレオンよ。ただ自慢では無いが、皆を集めた理由は我が子にあるのだ」


魔王バアルは、魔王軍の将軍レオンと一緒に長い間、人間を相手に背中を預けて戦った仲である。この中では1番信用しているのだ。


「………魔王バアル、私は傲慢な人間を駆逐するために貴様と協力はしているが、仲間になった覚えはないぞ?くだらん用なら失礼するが?」


挑発的な言葉を吐いたのは、ヴァンパイアのように人間に近い容姿の『大悪魔マモン』と言った。

『魔族』と『悪魔』は似ていてはいるが、違う種族である。闇夜の眷属である魔族は青白い肌に、強力な魔力を秘めている。総じて人間に近い容姿の者が多い。


悪魔は多種多様な容姿の者が多く、山羊の頭をしていたり、毛むくじゃらだったりと、一概に決まってはいないのだ。

上級悪魔になるほど人間に近い容姿になる傾向はあるようである。


「そう言うなマモンよ。これは人間を殲滅する事ができるかも知れない大事な会議である」


!?


「それは………本気で言っているのか?私が何度も徹底抗戦を呼び掛け、侵略を提言したが却下したのは貴様だったはずだが?」

「妾も驚いておるぞ?今までヘタに刺激せず、魔大陸に攻めてきた者達のみ、撃退しておった御主が突然、人間を殲滅するなどと………何があったのじゃ?」


魔王バアルは少し間を置いて話した。


「無論、今すぐという訳ではない。後、10年~20年ほど先の話になる」


魔王の言葉にマモンが続けた。


「それは確定事項で間違いないのか?私としては今すぐでも攻めても良いのだが、貴様が決意したのなら歓迎しよう」


「待て待て、マモン殿!魔王様も、人間と魔王軍の戦力差をご存知のはずですぞ!?まともにぶつかれば局地的には勝つことはできても、絶対数で劣っている我々に勝ち目はありませぬぞ!」


前線で戦う魔王軍の将軍レオンが苦言した。


「臆したか?勇猛果敢なレオン将軍が聞いて呆れるぞ?」

「俺は現実的な話をしているんだ!本当に負けて抵抗する戦力を失えば、魔族や悪魔、亜人達は全員、人間の奴隷にされるんだぞ!もっと慎重になれ!?」


レオン将軍の心配はもっともであった。人間達が全兵力をもって攻めてくれば勝てないのだ。いまだにそうなっていないのは、各国の思惑があるからだった。どこも、自分の兵力を失いたくないのだ。魔王軍を殲滅したら次は人間の国同士での戦争が待っているのだから─








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