表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
荒春〜あらはる〜  作者: 夏冬 春秋(かとう はるあき)
14/14

1-14 いけない妄想

 病室の前に来て、覚悟を決めた。ハッキリと問いただしてやる、と。

『コンコン。』

と二度、ノックをすると、間髪入れずにドアを開けた。

『ササーッ』

 目の前にはカーテンが広がっていて、それも勢いよく開けた。すると、ベッドで横になっている彼女の姿が。声がしない。いや、微かに寝息が、スースーと聞こる。どうやら、眠っているようだ。

 流石に叩き起こすわけにもいかないから、ベッドの横の椅子に座る。そこからは、彼女の寝顔が良く見えて、それがとにかく、

『かわいい。』

と言葉を漏らさずにはいられなかった。

『す、少しくらいなら、近づいても許されるよな。』

と自分に言い聞かせると、上体を傾けて顔を近づけた。見れば見るほど可愛い。もちろん、彼女はクラスでも人気者で『ヒロイン』な立ち位置にいるのだから当たり前だけど、寝顔はさらに、間違いなく可愛い。

『このまま、』

いやいや、いけない妄想をしてしまった。上体を起こして頭を振りまくる。正気に戻れ、俺。今日は彼女と戦うつもりできたんじゃないか。それを忘れてどうするんだ。立ち上がって、両肩を上下に揺らし、平常心を取り戻していく。その際のシャリシャリとシャツが擦れ合った時の音が、思いがけず彼女の耳に届いたようだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ