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荒春〜あらはる〜  作者: 夏冬 春秋(かとう はるあき)
10/14

1-10 ち、近い!

『あははははっ、喜多川くんてば。』

口に右手を当てて、笑われてしまった。続けて、

『プリント、見せてくれない?』

と言って、左手を差し出してきた。

『あ、ああ。』

 となると、近づかなければならない。部屋に踏み入る前の俺だったら、おずおずとして足踏みしていたことだろうが、彼女の笑顔が全てを吹き飛ばしたように、真っ白な頭の中に唯一、彼女の元へと歩み進める指示加えられた。

『こ、これ。』

『わざわざ、ありがとう。』

 そう言ってニコニコとしながら、資料を受け取ると、それらに軽く目を通し始めた。が、すぐに、

『あ、ここに座って。』

と言って、自分がいるベッドを軽く叩いた。

『えっ!?』

それもそのはずで、彼女は自分のすぐ近くを叩いた訳で、本当にそんな所に座ったら、間違いなくタオルケット1枚を挟んでいるとはいえ、彼女と密着してしまう。

『な、なに言ってるの。』

と、視線を逸らす。と、不意に右手を勢いよく引かれ、油断していた俺は、身体をもっていかれた。

『!!』

俺の身体は彼女を覆うようにベッドに倒れ、目は彼女の表情のアップで占められていた。

『(うわっ!近い!)』

 彼女も自分でやっておきながら、流石にこうまでなるとは思ってなかったのだろう、顔を少し赤らめて視線をそらした。

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