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7-2

 警らのニンゲンから報告を受けたらしいミン刑事がやってきた。現場であるこの公園の出入り口は封鎖され、まもなく飛散した肉片の処理が始まろうかというところである。


「おまえも災難だな。こんな事件に出くわしちまうなんて」

「ちゃんと距離は取っていたんです」

「それでも、爆風にはさらされたんだろう?」

「はい。吹き飛ばされて地面に背中を叩き付けられました。痛みはしばらく続きそうです。でも、平気です」

「おまえが頑丈なのは知っているつもりだが。で、爆散しちまったヤツとは何か話せたのか?」

「話せました」

「なんて言ってた?」

「なんでも、知り合いに爆発を強いられたようです」

「犯人がいるってことか」

「恐らく被害者は、何かの理由で犯人宅に招かれたのではないでしょうか。そして、なんらかの手段をもって気絶させられ、その隙にプラスティック爆弾を腹に巻き付けられた」

「爆弾が遠隔操作式か時限式かはわかるか?」

「時限式のようです。でも、もしかしたら、スイッチ一つで爆破させることも可能だったのかもしれない。現状、そう判断しています」

「被害者がこの公園まで来たのはどうしてだ?」

「ここを訪れたら、起爆装置を解除してやると犯人に言われたそうです」

「そんなの嘘っぱちに決まってるじゃねーか。公園にまで出向かせておいて装置を切る理由がまるでない」

「その旨はわたしも伝えました」

「他に情報は? 何かないのか?」

「話をするうちにわかったことなんですけれど、被害者は犯人を指して、「あの野郎」と言っていました」

「犯人は男だってことか」

「はい」

「だが、知り合いの男だってだけじゃあ、捜査は困難を極めそうだな。さがし一つするにしたって、骨が折れそうだ」

「ミン刑事の腕の見せどころですよ」

「あらかじめ言っておくが、捜査協力は依頼しねーぞ」

「相手が爆弾魔で、危険度が高いからですね?」

「そういうこった。だが、依頼がなくとも、おまえは関わろうとするんだろうな」

「街の安寧を願う者として、そうさせていただきたいです」

「わかった。ゆるそう」

「あら。いいんですか?」

「どれだけ言い聞かせたところで無駄だろうからな。だが、危ないと思ったら、すぐにこっちに回せ」

「わかりました」

「本当にわかったのか?」

「くどいですね。ミン刑事は」

「おまえの身を案じているんだよ」

「嬉しいなあと思います」

「本心で言ってるのか?」

「勿論ですよ」

「信じていいんだな?」

「本当にミン刑事はしつこいですね」

「だから、しつこくもなるってんだよ」

「無茶はしません」

「約束だぞ?」

「はい。約束します」


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