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紋章持つ者の物語  作者: さくれれ
1章 旅の始まりと出会い
8/25

8話 名付け

昨日仕掛けた罠には小魚が2,3匹捕まっていた

それらを焚き火にかけて焼く

今のところこれしか調理方法がない

そして焼いてる間にテントを片付ける

リネアはというと、なぜか木を吟味していた


「う〜ん近くで手頃なやつだとこれくらいかなぁ」


(何やってるんだあいつ…)


木が決まったかと思うと、今度は土を気にし始めた

ぼんやりと背中が光ってるのが見える


(やはり紋章持ち(クレスト)か…『白の大魔法師(ホワイトローズ)』とか言われるのも何となく頷ける…だがどんな紋章なんだ…?)


テントを片付けながらリネアのことを考えていた


「うん、土壌の方も問題なさそうっと…」


なにやら確認が終わったようだ、すると木から少し離れ、少年の知らない魔法を唱えた


「『成長する大地(グロウスアース)』!」


土、光の複合属性の超上級魔法

対象とした植物を急速に成長させる、土壌に十分な養分がない場合成長が止まる


「うお!?」


木が急に成長しはじめた、その木は真っ赤な木の実を実らせ成長を止めた


「ところで、そろそろ焼き頃だと思うよ」

「え?」


確認すると、魚がいい具合に焼けていた


(こいつ、見てないのになぜわかった…?)


「見てないのになんでわかったんだって思ったでしょ、これも魔法だよ魔法」

「はあ…」

「ほんとに初級魔法しか知らないんだね…」


そう言いながら、リネアは実っている木の実を取って食べている

少年も、ちょうど焼けた小魚を食べている


「そういえば、なんで俺なんかに近づいたんだよ」

「君が宿している紋章から、気になる魔力を感じたから」

「あ、そう…」

「そうそう、夢の中じゃあ君の名前を聞けてなかったね」

「俺の名前…か……」


少年はそこで口ごもってしまった


「どうしたの?名前が言えない理由でもあるの?」

「いや、俺には名前が無いんだよ」

「え?名前が無い?」

「ああ、大体の理由は俺に宿っている紋章のせい、これが理由で名前をつけられずに育てられて、8歳の時に村を追い出されたんだよ」

「なるほどね〜…」

「森の中で一人で暮らしていたから、今まで名前がなくても不便はしなかったし気にしてなかったんだよ、今までは」

「そこに私が来て軽く悩むようになったと」

「そういうこと」


ここでリネアは面白いことを考えついた


「じゃあここで私が君の名前を決めてあげるよ!」

「は?」

「だから、私が君の名前を決めてあげるって」

「あ、ああ…別にいいが…」


天災の顕現(コラプス)』はフォルメニアに破滅をもたらしたとされている

しかしこの出来事にはおかしな点があるのだ

それは死亡者が紋章持ち(クレスト)たった2人という点である

一人は『絶大なる災厄の紋章(カタストロフ)』を宿していた者

もう一人は『希望と神秘の紋章(ミスティカルホープ)』と呼ばれている紋章を宿していたとされる者

この2人のみが死亡しているのである

一説には、『希望と神秘の紋章(ミスティカルホープ)』の紋章持ち(クレスト)がフォルメニアの生物全てを護ったと言われているが真相は定かではない

リネアは少年が宿している紋章の効果を予想し、破滅と希望を意味する言葉から


「じゃあルイン・ホープフルなんてどうかな?」


と名を考えた


「ああ、良いんじゃないかな」

「なんか、若干不満そうだけど?」

「そんなことねえよ、なんというか複雑なんだよ」

「今まで名前がなかったから?」

「かもしれないな」


何気なくつけた名前だが、この名前が後に大きな出来事に関わる名とは誰も予想してなかった

しかしそのことが分かるのはずっとずっと先の話である


「さて、腹ごしらえも済んだし出発するか、どうせついてくるんだろ」

「そうだよ、君のことまだまだ知りたいからね♪」


こうして、ルインと名付けられた少年はリネアと共に各地を旅するのであった

名前無事に決まりました

それと今回から魔法とか紋章の名などに『』を付けたいと思います

ただし紋章持ち(クレスト)大魔法(グランドスペル)はそのまま表記する予定です

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