4話 トロル撃破
約2時間が経った、戦闘はまだ続いていた
隙ができ、攻撃を与える機会は何度かあったが全てトロルにダメージを蓄積させるほどの威力にはなってない
「くそっ…せめて弱点の頭さえ攻撃できれば…!」
疲労も溜まってきてるのであろう、トロルの攻撃の回避もギリギリになってきている
対してトロルはスタミナが全くと行っていいほど切れていない
攻撃を食らうのは時間の問題であった
「そうだ…!」
打開策を思いつき、隙を伺いつつ賭けに出る
「『氷結槍』!」
氷属性の初級魔法
小さな魔法陣を展開し、そこから氷の槍を射出する
その魔法をトロルの膝めがけて放つ
しかし倒れる木によって、不発に終わってしまう
攻撃も身体を掠めるようになってきた
次がラストチャンスである
「ここだっ!『氷結槍』!」
倒れる木々の隙間を通り、見事に命中
トロルは体制を崩し、精一杯の跳躍でギリギリ届くくらいまで頭が下がった
しかしここで普通の攻撃をしても、トロルを倒すことは出来ないであろう
少年はそれを理解しており、その打開も考えていた
「『上昇風 小』!」
風属性の初級魔法
物や生物を上方向へ吹き飛ばす、吹き飛ばす物には質量上限がある
対象は自分、規模を小さくしているため吹き飛ばす高さは低めだが、それでも8mは飛ばされる
「うおおおおおおおお!!」
まだトロルは体制を立て直せていない、少年は自分の持っている双剣を力一杯トロルの頭に叩きつけた
弱点である頭に大きな打撃を受けたトロルは力無く倒れるのであった