2話 凝縮された魔力の紋章
「なんだろうこの人…禍々しい何かを感じるけど…感じからして決して悪い人ではない…」
少年が旅の準備している頃、少し遠く離れたネネルの町のとある宿にあるエルフの少女がいた
長い薄桃色の髪と服で隠れる背中には凝縮された魔力の紋章がある
町を転々としながらギルドに貼られる依頼でお金稼ぐ旅人である彼女
発動した超距離観測魔法で次に向かう町を決めようとしてるところだった
その時に変な魔力を感知して見てみたところ、彼の姿が見えたというのである
「『未来観測』…!」
対象者の未来を少しだけ見る魔法
彼女は気になった人の未来を見る癖があった
輝く背中の紋章
対象者と詠唱者は近くにいる必要はないが、遠すぎると精度が落ちる
だが使用する魔力を増やせばなんとかなる
エルフは元から魔力が高いのだが、彼女の場合は紋章のお陰で魔力にて右に出るものはいないのだ
その為、精度には絶対的な自身があるのだが…
「えっ…?なにこれ未来が見えないじゃん…!」
何故か彼の未来は見えなかった
彼女は驚きを隠せなかったが、少し経ってから笑いがこみ上げてきた
「面白そうじゃん…」
150年生きてきた彼女は、様々な人の未来を見てきた
富豪になる者、大きな魔物に潰され亡くなる者、小さな村の英雄になる者、人に騙され落ちぶれていく者などいたが
今回のように未来が全く見えないというのは今まで無かったのだ
「そうだ、彼に付いて行こう」
彼女もまた刺激を求める旅人の1人
今までに無い刺激を感じたのだ
「そうと決まれば、早速向かおう♪」
彼女の興味は完全に彼に移った
宿を出て、得意の飛行魔法を唱えゆっくりと彼のもとへ向かうのであった
名前についてはちょっとだけ考え中です