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もう一度、立ち向かう強さを
「僕なんて、どうせ死ぬんだから」
13歳になったミナトは余命1年の時間をもて余していた
車椅子での担当看護師との散歩の風景
窓から見える学校には沢山の生徒
9歳から入院していたミナトに中学の友達などいるはずもなく
お見舞いに来るのは母親だけ
それでも大好きだった父親はいつも元気にしてくれた
11歳の時に事故でなくなるまでは
ミナトの心には、もう残り短い命をただ待つだけだった
こんな世界はいらない…
なんで、僕を置いてお父さんは死んじゃったの?
僕は、一体これからどうしたらいいの?
ふとある日、一冊の本を見つける
絶望に耽っていたミナトの心になにかが入り込んでくる
まるで、死を待つ少年を助けるかのように
この本を読んでみたい
なぜかはわからないけれど
この本を読まなければいけない気がする
それは、この本に隠されたある秘密と
壮大な物語の始まりにすぎなかった……