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異能探偵社の新参者  作者: nasa*
25/25

最終頁 【一期一会】


――嘘でしょ


――本当になんでこんな目に会ってるの!?



「動くんじゃねぇ……」

 目の前に突きつけられる黒光りする銃に少女は心臓をわしづかみにされたような恐怖を味わっていた。


 今日はなんでもない一日のはずだった。

 いつも通りに、友達と遊んで、ショッピングを楽しんで。

 調子に乗って、彼女達と別れた後にお洒落なカフェに立ち寄ったのがそもそもの間違いだった。

 煉瓦作りの外観と猫の瞳をデザインした看板に惹かれ、のんびりしていたのも束の間、慌ただしく入ってきた2人組が店員を人質に取り、少女らに拳銃を向けたのだ。


 強盗らしいというのはすぐに分かった。

 が、こんなタイミングでかち合ってしまう自分の運のなさを呪うしかない。


「軍警に通報なんかしたら殺すからな!?」


 まるでドラマの中のような台詞にいっそ現実感さえ感じなくなっていた少女だが、すぐ横に座っていた男性客が震える少女の肩を軽く叩いた。


「!?」

 驚いて振り返ると、叩いた方もその勢いに驚いて一瞬のけぞった。が、すぐにその表情は落ち着いた物に変わった。

「大丈夫」

 それだけ言って笑う青年を見て少女は呆気にとられた。

 青年は筋骨隆々と言うわけでも大男というわけでもない。下手をしたら少女とあまり年も変わらないようないたって普通の青年に見えたからだ。


「そこの奴!なに笑ってやがる!」

 青年に気づいた強盗犯の一人がそう喚きながら拳銃を向ける。

 思わずのけぞる少女と対照的に青年は拳銃など見えていないように立ち上がった。

 そして平然と男が構えている銃を掴んだ。

 あまりに堂々とした動きに相手の男も動く事が出来なかった。呆気にとられたという方が正しい。

「ったく、うちらの常連の店で銃振り回すとか。馬鹿なのか」

「……」

「大地さんに殺されるよ?」

「あ、何が――――

 青年の手を払おうとした強盗は次の瞬間背中を下にして倒されていた。背中を強打し咳き込む男の首筋に的確な攻撃を入れ、昏倒させる。

 その鮮やかな動きに思わず少女は見とれていた。

「てめぇ!!!」

 相方が気を失ったところで我に返ったもう一人の男が青年に銃を撃つが、それよりも早く青年の身体は銃の軌道からそれて男の懐に潜り込んでいた。


「強盗は他でやりましょうねっ!」

「グボッ」

 妙な声とともに男は腹を抑えて倒れ込んだ。


 強盗の制圧に、他にいた客から拍手が起こった。

「だれか、軍警に通報お願いします」

 ウエイター達がばたばた動く中で腰を抜かしたいた少女に気づいて青年が手を差し出した。


「あ、ありがとうございました……」


「いや。たまたまいただけなんで」

 青年は少し照れくさそうに笑った。

「軍警さんなんですか?」

 少女の問いかけに青年は首を振った。

「ううん。軍警じゃないんだ。……あ、これ、よかったら」

 そう言うとなにかを探すようにコートをわさわさしていたがやがて小さなケースを見つけ、生成り色のカードを差し出した。


「なにか依頼があれば是非」

 そう言って恥ずかしくなったのか青年ははにかむと手を振って勘定を済ませ喫茶店を出て行った。

 去っていった青年の後ろ姿を見送って少女は改めて渡されたカードに目を落とした。



 【異能探偵社  冬月桃矢】




 そこには深緑色のインクの洒落た文字でこう書かれていた。

 これにて【異能探偵社の新参者】を完結させて頂きます。


 自分でもいろいろ破綻してるなという部分が多々あるんで

 完璧に納得はできてませんけど

 完結出来たのでとりあえず満足です。

 最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!

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