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名前も知らない小説

作者: 代官山

練習に書きました

今僕は、小さいころ読んだ小説を探している。

絵本とかジュブナイルとかではなく、かなりガチな小説。

もちろん小さいころに読んでいたもんだから、意味も分からず投げ出した。

そんな小説。


別に何かきっかけとかあった訳でもないのに、ふとそのワンシーンを思い出し、読みたくなってしまったのだ。始めは、その思い出した話しがなんの媒体なのかも思い出せなくて、一日中もやもやしっぱなしだった。

それがここまでたどり着いたのだ、もう読むしかあるまい。


そんなこんなで、自分の部屋で本と言う本をひっくり返して、探してみても見つからない。

自分の本ではなかったのかな?と親に聞いてみてもそんな本は読んだことは無いという。


つまり、もう手詰まりだった。

そんな、もやもやした頭を抱えて普段は絶対行かない図書室へと足が向いてしまった。

一生かけても読み切れないほどの本の山が広がる。この中に僕が読みたい本が何処かにあると思ってしまうと、どうにもスルー出来ない。

自分は運はいい方だと自負している。

無茶な挑戦だと分かってはいるが、こうなったら虱つぶしだ。

意気揚々と今週読む一冊を選び図書委員がいる貸出カウンターへと持って行った。


その図書委員は意外そうな顔をし

「めずらしい本を読まれるんですね」

と聞いてきた。

確かに、年代物だし表紙もぱっとしない。わざわざ手に取って読むような本ではないのだろう。

「私もその本大好きなんですよ。その人なかなかヒットに恵まれないままひっそりと居なくなったしまって残念なんですが、本当におもしろい話を描く人なんです。通でこそ知ってる名作ってやつですね!」

楽しそうに聞いてもないことを話すなぁ

しかし、何故か運命を感じる。

彼女ではなくて、この本に。

時代に飲み込まれた名作。そんな本を始めの一発目に引き当てたのだ。

僕は運がいい方だ。

もしかしたら、今探している本がこの名作なのかもしれない

期待に胸を膨らませて、その本通な彼女に聞いてみた。


「いえ、この本にそんなシーンはありませんよ。でもそのシーンに心当たりはあります」


「有名な本です、映画化もされていますし。今持ってきましょうか?」


彼女の好意を丁重にお断りして、僕は図書室を出た。

実は小説はそこまで好きではない。

帰りは、レンタルショップに寄って行くか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 結局その本は映画化されなんだったんだろうと思います。興味をそそられました。
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